「ストリート・キャット」として数々の本に描かれ、映画にも出演した猫のボブが、14歳で亡くなりました。飼い主で作家のジェームズ・ボーウェンさんは、ボブとの生活によって薬物依存を克服し、人生に希望を持つようになりました。「ボブはぼくの命を救ってくれた。これほどすばらしい猫はいない」と彼はいいます。ボブの死は、ジェームズさんにとって、人生の灯が消えたような悲しみなのです。
拾った猫との生活を綴った本が爆発的ヒットに
「ボブという名のストリート・キャット」という本のもとになった猫が、14歳で死去しました。
ジェームズ・ボーウェンさんがボブに出会ったのは、2007年のことです。このとき、彼は薬物依存症に苦しんでいました。ボブが捨てられて怪我をしているので、ジェームズさんは、この猫を飼うことにしたのです。
ロンドンの街角でギターを演奏したり、「ビッグ・イシュー」(ホームレスの自活支援のための雑誌)を売るときに、彼はこの「茶トラ」の猫をいつも一緒に連れていきました。
やがて、彼は猫との生活を描いた本を執筆し、それが爆発的なヒットになりました。2016年には、本当に猫のボブが出演して「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(原題 A Street Cat Named Bob)」という題名で映画化もされました。
猫がどうやってジェームズさんの命を救ったかが書かれた「ボブという名のストリート・キャット」は、2012年に出版され、その後5冊の続編も出ており、40か国語以上に翻訳されて、世界中の人々に読まれています。
映画の続編「ボブがくれた世界(原題 A Gift from Bob)」には、ボブの名をひきついだ別の猫が出演しています。
命を救ってくれた猫を絶対に忘れない
ジェームズさんは、このスカーフをまいた猫のおかげで、薬物依存から立ち直れたといいます。彼の著作の公式フェイスブック・ページには、ボブが彼の命を救ってくれたと書かれています。
「簡単に言うと、そういうこと。この猫は、ぼくの仲間という以上の、ずっと大きい存在なんだ。彼がそばにいることで、人生をどう進めばいいかわかったし、生きる目的も持てるようになったんだ。
ボブは数千人の人々と出会い、何百万という人生にかかわったんだ。こんなすばらしい猫はいないよ。これからも絶対にいないよ
ぼくの人生の灯が消えてしまった気がする。絶対にボブを忘れないさ。
世界中の人々、飼い主さんに愛され、世界的な大スターとなった猫のボブさんのお話はずっとずっと残り続けます。ストリートキャットから世界中の人々にも愛されたボブさんのご冥福をお祈りします。