保護された年配の猫が、施設に次々とやってくる子猫たちの「養父」として活躍しています。トラ猫の『ハロウ』は、野良生活で健康を崩し、保護施設で回復中です。引き取られてくる子猫たちに、ゴロゴロという音をたてて安心感を与え愛情を注ぎ、子猫たちからも好かれています。ハロウにとって、子猫たちと過ごす毎日は、生きがいになっているのです。
飼い主が亡くなり孤独な野良猫
去年、ロサンゼルスの街角を、単独ででうろついていた年配の野良猫が、『アレー・キャット・レスキュー協会』に保護されました。
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このトラ猫は、飼い主が亡くなった後に一人残され、前の家に戻ろうとしましたが、中に入れずにいたものです。野良猫を捕獲して避妊手術をしてから放っている同協会のスタッフに保護されました。
「口内炎があり、肝臓病があり、歯は欠けていました。去勢はされていなかったんです。」
とスタッフはいいます。
路上生活のせいで、この猫には数々の健康問題がありました。多くの喧嘩で体は傷だらけ、毛はもつれていて、片耳は細菌感染のために変形していました。でも、猫は安心した様子で、ゴロゴロいい続けていたのです。
「動物病院で検査をするときも、ずっとゴロゴロいっていて、盛んに病院スタッフにもニャーニャー話しかけていました。」
子猫たちをケアやさしい養父に
この心優しいトラ猫は、『ハロウ』という名で、保護されてからは体重も増えてだんだん体力がついてきました。ひどい呼吸器感染症もあったのですが、なんとか克服し、体毛も生えそろってきました。協会では、この猫を精神的に盛り上げようと、2匹の子猫をそばに置きました。ハロウはたちまち近寄って、自分の子のように世話をし始めたのです。
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小さな猫たちが側にいるので、ハロウは絶え間なくゴロゴロといい続け、この上なく幸せそうな様子です。子猫たちもハロウが大好きで、ハロウの体にのって鼻をクンクンしたり、お乳をねだるそぶりをみせたりしています。
三毛猫のステラは、ロサンゼルスの路上で見つかり保護されました。友達がほしかったのか、「すぐにハロウの隣に近寄っていきました。それ以来、よく彼の体の上で寝転んでいます」とスタッフはいいます。
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子猫たちが周囲にいることで、ハロウにも生きる目的が出てきました。子猫たちはハロウといると安心だし、ハロウもまた子猫たちのお陰で強くなれるのです。
赤ちゃん猫のノエルは、単独でいるところを保護されました。
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ずっと鳴いていましたが、ハロウを見るとピタッと泣き止みます。「ハロウは赤ちゃん猫を抱くように手で押さえ、大きな音でゴロゴロいいました。これを聞いて、ノエルも安心して幸せな気持ちになったようです。」
ノエルは他の子猫たちより長く施設にいなければなりませんでしたが、ハロウがいつも一緒にいたので、寂しくはなかったようです。
「どちらも、お互いが大好きなんです。ノエルにとって、ほかの健康な子猫がもらわれていくなかで、一緒に遊べるハロウがいるのはとてもいいことでした」とスタッフ。
義父猫ハロウ最大の楽しみは子猫と一緒にいること
この年配猫は、子猫の成長に何が大事かがわかっていて、たっぷり愛情を注いでいます。子猫たちのほうも、ハロウといると安心するので、彼に引き付けられるのです。
「ハロウはいつも子猫と一緒にいたがります。子猫たちも彼のゴロゴロを聞きながら安らぐのです。ハロウの食事中も、子猫は体に乗ったり足元を走り回ったりしてそばを離れません」
と語っています。
アレー・キャット・レスキュー協会は、ハロウが命の最終段階を楽しく安らかに、そして愛情を感じながら送れれるよう、ケアをしながら、子猫を常にそばに置いています。ハロウにとって、毎日の最大の楽しみは、子猫たちと一緒にいることなのです。
ハロウの助力で、小さなエビーの傷ついた片目はすっかりよくなり、視力も少しずつ回復してきました。
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ハロウが来て以降、施設に連れてこられた子猫たちは、必ず数日から数週間をハロウと一緒に過ごしています。それももう、約1年に及びます。いつでも子猫と一緒にいるのが大好きなハロウなのです。
出典:lovemeow.com