アルゼンチンに住む女性が、弱った子猫をみつけて自宅に連れ帰り、2か月間、親身になって世話をしました。子猫の体調が回復したので、健康診断のために動物病院へ連れて行ったところ、実は猫ではなく、ピューマだとわかったのです。ピューマは野生動物なので、飼い猫の生活はできません。ピューマの子は、動物保護団体の手によって、自然に戻されることになりました。
子猫を助けたと思ったら…
もし、動物の赤ちゃんが道端に放置されているのを見つけたら、その子が安全で元気にいられるよう、できるだけのことをしたいと思いますよね。か弱い動物をそのまま放置しておける人は、多くないだろうと思います。
だから、アルゼンチンの女性が、母猫と死に別れた、小さい子猫を見つけたとき、すぐに連れ帰らなければ、と思ったのも当然です。
でも問題がありました。この女性が、子猫を健康診断のため動物病院に連れていくと、驚きの事実が明らかになったのです。なんと、このかわいい子猫は、実は野生のピューマの子供だったのです。
悲しいことに、ピューマは野生に戻さなければなりません。でも、女性が助けなければ、ピューマの子は生き残れなかったでしょう。
母猫と死に別れたピューマの子
フローレンス・ロボさんは、弟と一緒に外出したとき、ショッキングな光景を見ました。母猫が死んでいて、悲しいことに、2匹の赤ちゃん猫が、そのそばで丸くなっていたのです。きっと野良猫だと思い、彼女は2匹を家に連れて帰り、面倒を見ることにしたのです。
子猫たちがそれまで、どのくらい生き延びていたのかはわかりませんが、残念なことに、このうちの1匹は亡くなってしまいました。残ったほうも、ずいぶん弱っていました。
でも、母や兄弟を亡くした悲劇にもかかわらず、勇敢なこの子は、急速に回復することができたのです。
フローレンスさんはこの子をティトと名付けて、続く2か月の間、餌をやったり、トイレのしつけをしたりして、よく面倒を見ました。
ティトが日に日に元気になってきたので、健康診断のために、動物病院に連れていくことにしました。特に問題はありませんでしたが、念のためチェックを受けようと、彼女は考えたのです。
そこで、驚きの事実が明らかになりました。ティトは、実はピューマの子供だったのです!
野生動物は自然の中が一番
獣医の紹介で、地元の自然保護団体、FARA(アルゼンチン動物保護基金)と連絡を取り、すぐにティトがピューマの子だと正式に確認することができました。
ジャグランディ・ピューマは、家猫よりやや体が大きい程度ですが、自然の中で暮らすのが最良だ、とFARAはいいます。つまり、ティトも野生に戻す必要があるのです。
当たり前ですが、2か月も世話をしてきたフローレンスさんは、ティトを手放さなければならないことに、ひどくがっかりしました。でも、FARAはティトを保護して世話をし、安全な場所に放つことを約束してくれました。
FARAのフェイスブックページでは、ティトの写真や下記メッセージを掲載していますので、ぜひご覧ください。
「この子を連れてきてくれた人々に感謝します。野生動物はペットではないので、自然に戻すべきです。害がないように見えても、なついているようでも、家で飼うことはできません。」
結局、彼女はティトを手放しました。今までやさしく面倒を見てくれた彼女に、ほんとうに感謝したいですね。ティトがほかのピューマたちとともに、自然の中で、すばらしい生活を送っていけるよう、願ってやみません。
どうかこの話題を、お友達やご家族にも教えてあげてください。
出典:https://animalchannel.co/woman-adopts-puma-cub/