『ボデガ猫』という言葉をご存知でしょうか。アメリカ・ニューヨーク州にある小さなコンビニオーナーが生み出した『伝統』、それは野良猫たちを愛することだった!?
ニューヨークの『ボデガ』とは?
『ボデガ』とは、ニューヨークにおいて個人オーナーが経営する小さなコンビニエンスストアのことを指します。スペイン語で「貯蔵庫」や「ワインセラー」を意味する言葉であり、ニューヨーク市内の街角に位置するボデガは、約13,000軒といわれます。
この『ボデガ』を自由に出入りしては気ままに過ごす猫、日本でいうところの地域猫のような存在が『ボデガ猫』と呼ばれるようになったのです。
きっかけを作ったのはブルックリン、パークスロープにあるボデガを経営するロブ氏。ロブ氏は2012年のある夜、偶然通りかかった店の角にいた猫の写真をインスタグラムに投稿したところ、多くの反響を得たことから猫の写真をSNSに投稿するようになったといいます。
「私は人々に一日中ポジティブな笑顔の瞬間を与えたいと思い『Bodega Cats』のアカウントを始めることにしました」
と、ロブ氏は語ります。
どこもかしこも猫だらけの店内!
ロブ氏は、自身の経営するボデガで寛ぐ猫たちの姿をSNSに投稿しました。すると、またたく間に人気を博し『ボデガ猫』なる存在を確立していったのです。そしていつしか『Bodega Catsプロジェクト』なるものへと成長。
ロブ氏のInstagramフォロワーは28万人、Twitterフォロワーは42万人を超えました。常に成長を遂げる『Bodega Cats』のSNSを利用することで養子縁組、TNR活動、レスキュー、救護のための医療費援助、猫の個体数を人道的に管理する意識を高めるために多くの組織と提携しているといいます。
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SNSやオリジナルグッズを販売するウェブストア Bodegacatsの売上は、保護団体を支援するために寄付されます。
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「今では、週に75~100件のボデガ猫投稿があると思います。彼らは人々の心の中で何らかの感情を呼び起こすかどうか、それ以外のことは写真選びについて特に何も考えていません。子猫やポテトチップスの上に乗った猫、ATMを守っているような写真を選んでも損はしません」
ボデガ猫たちに未来を
ボデガ猫たちは健康的な姿をしていますが、あくまでも食用の商品に囲まれている店内で飼うことは合法ではありません。店内で猫を飼った場合の罰金は200ドルからですが、違反を繰り返した場合には2,000ドルに達することもあるといいます。
しかし、ニューヨークには数え切れないほどのボデガ猫が存在します。彼らのすべてが人道的な管理のもと、不自由なく気ままに人々と共存できる日はそう遠くないのかもしれません。