とある夫婦の自宅へ侵入しては食べ物を盗む野良猫。あの手この手で野良猫の心を開き、やっと仲良くなれた頃には判明したのは彼には家族がいるということでした。
毎日のように自宅へ侵入する野良猫
サマンサ・バグナルさんとそのパートナーは、毎日のように食べ物を求めて自宅へ侵入してくる小さな泥棒さんのことが気がかりで仕方ありませんでした。
愛猫のために設置してあるキャットドアから、悪びれる様子もなく侵入してくる野良猫を憎めるわけがなかったのです。
いつもお腹をすかせ、ひどく汚れた猫は家がないように見えました。『マイク』と呼ぶようになった猫の心を開くため夫婦はあの手この手で彼に尽くしたのです。
ある日、車の下や草むらの中で夜を過ごしているのであろうマイクのために夫婦は彼専用の家を準備しました。どうかここで眠ってくれますように…そう願いを込めて設置したその翌日。
マイクが彼のための家の中から朝の挨拶をしてくれたことに夫婦は大喜びしました。
彼のために尽くしてくれる夫婦の愛が伝わったのか、マイクとの距離は一気に縮まっていくのでした。
マイクの異変と衝撃の事実
いつもどおり自宅へ侵入して時間を過ごしていた時、夫婦はマイクの異変に気づきました。明らかにぐったりとしていたのです。
動物病院へ行くためにクレートに入れようとすると、彼はあまりにもあっさりサマンサさんの指示に従ったといいます。
向かった動物病院で発覚したのは彼の名前は『ジェシー』であるということ、そして『2年前から行方不明になっていた飼い猫』であるということでした。
つまり、彼にはサマンサさんとは別の場所に帰る家があったのです。
正直、私はとても複雑な気持ちになりました。もちろん、家族が見つかったことはとても喜ばしいこと。でも、私たちは彼を愛しすぎていました。
サマンサさんは当時の複雑な心境をそう語ります。
彼の家族はとても驚いていました。そしてこう言ったのです。『彼をよく世話してくれているね。良ければ、このまま彼と一緒にいてやってくれないか?』と。これほど嬉しい言葉はありませんでした。
元の家族はサマンサさんとパートナーのマイクへの深い愛情、そしてその間に築かれた固い絆に気づき、彼の余生をサマンサさん達に預けてくれたのです。
マイクは現在もサマンサさんとそのパートナーの元で幸せに暮らしています。先住猫たちも彼を受け入れてくれているといいます。彼はもうお腹を空かせた泥棒猫になることも、行方不明になることもありません。甘くVIPな暮らしを満喫しています。