化学工場の跡地付近で目撃された青い犬たち。化学物質の影響によるものと思われます。現在、ロシア当局が詳細な調査を始めています。
硫酸銅によって毛色が変色?
2015年に倒産したロシアの化学工場には、硫酸銅が保管されていました。どうやらこの影響で、地元の犬たちの毛色が青っぽく変色してしまったようです。
ニューズウィーク誌の報告によると、犬たちを検査した専門家は「毛色以外の体調への影響はなかった」と語ったそうです。犬が目撃されたのはロシアのチェルシンスク市周辺で、そこにはかつてアクリル樹脂やシアン化水素酸を製造している工場がありました。
市当局は工場跡に立ち入る許可を得て、犬の変色に関する真偽のほどを調査する意向です。
犬たちの体調は?
7匹の犬が動物病院で検査を受けました。医長のウラジミル・グロイスマンさんは
「血液検査と便検査の結果には、異常は見られませんでした」
といいます。すでにうち2匹は新しい家族に引き取られており、残りの犬たちはそのまま1週間ほど滞在する予定です。
以前グロイスマンさんは、犬は残留化学物質で染色された可能性が高いと話していました。犬をつかまえて毛を染める人がいるとは考えにくいのです。地元紙ブゴローデによると、犬たちは栄養状態がよく警戒心も強いそうです。HSI(ヒューメイン・ソサイエティ・インターナショナル)は、有害化学物質に接したために、皮膚がかゆかったり、体内に出血があったりして、犬が苦しんでいる可能性もあると懸念しています。
当局が調査に乗り出す
2017年には、インドのムンバイで複数の明るい青の毛色をもつ犬が撮影されて、ネットに投稿されました。調査の結果、工場から不法投棄された塩化物が川を汚染し、その川で犬が泳いだために染色されたものとわかりました。
Blue dogs were spotted near an abandoned chemical plant in Russia. #Secrets #StreamNow #DiscoveryPlus pic.twitter.com/eob7qRZKD8
— Business Charcha (@businesscharcha) February 13, 2021
ロシア環境保護省では、今回の事態について調査を開始しました。現在、工場跡の詳細調査のための法的手続きを進めている段階だとのことです。
出典:https://nationalpost.com/nes/world/blue-dogs-seen-roaming-near-abandoned-russian-chemical-factory