日差しが弱い北アイルランドで、日光による損傷を受けた猫が見つかりました。猫は耳や目を切除する治療を受け新しい家庭に引き取られましたが、保護した団体は「日焼けは危険」と飼い主たちに注意を呼びかけています。
日光による損傷で耳を切断
日焼けによる損傷で猫が耳を切断するという事例があり、動物保護団体「キャット・プロテクション」では、夏季の間はペットを室内飼いにするよう呼びかけています。

出典:https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/cat-tips-ears-amputated-after-24026703
北アイルランドのベルファストに住む猫のスマーフが、動物病院に搬送されてきました。猫の状態はひどく、治療のために耳だけでなく右目も摘出せざるを得ませんでした。
これを受けて、保護団体では飼い主に「猫を日光浴させると危険」とし、真夏は猫を室内で飼育し、日焼け止めクリームを塗布するよう保護団体は呼びかけています。
新しい飼い主のもとで
スマーフが路上で保護されたのは去年の秋のことです。車に轢かれたのだと思われ、動物病院に運ばれました。そこで獣医は日光によるひどい損傷を受けた右目と両耳の一部を切断しました。その後に新しい飼い主のもとへ引き取られていったのです。

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スマーフの新しい飼い主はケイト・ラージさん(49歳)です。「この猫はリスボンとかマドリッドとか、暑い地域にいたわけではありません。北アイルランドで暮らして1年未満だったのに、ここで日光にさらされて、こんなひどい損傷を受けたのです」といいます。
ケイトさんは同団体の保護施設でボランティアをしています。スマーフに出会うまでは、猫がこんなにひどい日焼けを負うとは知りませんでした。
「ほとんどの人はよい飼い主なので、知識不足で愛猫が皮膚がんを患ったら、心を痛めることでしょう」
と彼女は語ります。
ケイトさんが前に飼っていた猫はコロナウィルスの変異種感染によって亡くなりました。そのため彼女は7週間も自己隔離していたそうです。
「スマーフはとても扱いやすい猫で、今まで生き延びるのに大変だったからでしょうか、すごく人間に感謝しています。この猫を見ると、本当に理想的な飼い猫だと感じます」
薄い色の猫は要注意
たとえ室内飼いであっても、日光による損傷は猫に危険だということを、同団体では呼びかけています。
サラ・エリオットさんは同団体で獣医務官を務めていますが、こう話してくれました。
「猫は日光浴が大好きです。でも人間と同じで、暑い日の日焼けは危険なものなのです。寒い日であっても、明るい陽光にはやはり危険があります。とくにスマーフのように薄い色の猫は危険が大きいし、耳や鼻が皮膚色で毛が薄い猫も危ないのです。損傷が目に見えるようになるまでに数年かかるかもしれません。でもひとたびがんが発生したら、すぐに獣医の治療を受けて、がん組織が広がらないようにしなくてはいけません」

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「しかし、こうしたことを防ぐ手もあるのです」とサラさん。
飼い主は夏の暑い日には猫を室内にとどめ、獣医に相談して適切な日焼け止めクリームを利用すべきだそうです。外に出る場合は日陰になるような場所をいろいろ設置し、水もたっぷり用意します。猫が熱中症にならないように、ペットボトルに氷を入れてタオルで巻き、猫がよく行く場所に置くのもいいそうです。
「飼い主には知識が必要」との声も
人々は次のようなコメントを寄せています。
・「うちの猫はスペインに住む白キジ猫ですが、耳は白色です。すぐに腫物ができてかさぶたが破れました。いまも外に出かけるので、残った耳の一部に日焼け止めクリームを塗る必要があります。飼い主も大変です」
・「16年生きた三毛猫がいたけど、オーストラリアの陽光のもとに晒されていたよ。日陰があっても、日向で居眠りするのが好きだった。日焼け止めクリームなんて塗ったことはなかったけど、やけどもしなかったね。遺伝のせいかな」
・「その猫が耳を失ったからって、みんながペットを室内で育てなければいけないというの?なんだか個別の飼い主の責任を、一般の問題にすり替えているようだね。うちの猫たちは日向で眠っているし、最年長は21歳だよ。どの猫も耳は白くないし失ったりしていない。でも桃色の鼻をしたポニーを飼っていて、この子には毎日サン・スクリーンを塗っている。だって私は責任と知識のある飼い主だからね」
・「多くの人が日光の危険を知っているよ。知らないとしたら、ペットを飼う前に勉強すべきだね。赤ちゃん猫のときに予防接種をしたり、生後6ヵ月で避妊手術をしたりするとき、獣医は飼い主にちゃんと説明すべきだと思う」
出典:https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/cat-tips-ears-amputated-after-24026703