映画に出てくる「ベイビー・ヨーダ」にそっくりの犬が、ネット上で人気です。保護され新しい家族のもとで生活し、現在12歳になった犬のディクシーは、耳だけでなくやさしい眼と人懐っこく明るい性格で、みんなから好かれています。
犬の「ベイビー・ヨーダ」が登場
みんな動物が大好き。ネットで公開されるかわいい猫や犬の写真に、文句をつける人などいません。
これとは別に「スターウォーズ」のファンも多いですね。一度もこの映画シリーズを見たことがない人でさえ、数年前にネットで「ベイビー・ヨーダ」のミームが大人気になったときには大喜びしたものです。
ではこの両者の要素をあわせもつ生物を見つけたら、どうでしょうか?可愛い犬とスターウォーズが合体したら?
今回ご紹介する犬のディクシーは、まさに「ベイビー・ヨーダ」似なのです。「え?だってこの犬は緑色ではないし、黒眼でもない」とおっしゃるかもしれません。でもディクシーの耳をご覧ください。頭に比べてすごく大きいフワフワの耳は、まさに「ベイビー・ヨーダ」そのものです。
弟の友人から引き取った犬
ディクシーのビデオがティクトクやインスタグラムで大人気になったのは、つい最近のことです。なぜって、この耳が体に比べてずいぶん大きいからです。
飼い主のダニエルさんにインタビューしました。
――この犬を飼った経緯は?
「2009年の夏に飼い始めました。当時は生後6カ月で、わたしは13歳。はじめは弟の友人の家で飼われていた犬でしたが、世話が不十分なので手放すようにと家主に言われたのです。そこで弟がうちに連れてきて、ディクシーと名付けました。両親は子供たちが責任感を持てるようにと犬を迎えたのです。それ以来、わたしはディクシーとすっかり仲良くなりました」
――ディクシーの性格は?
「とても個性的です。頑固でいたずらっ子、強情でもあります。やりたくないことは絶対しない。でもそれが魅力です。この犬はジャーマン・シェパードとブラッド・ハウンドの混血ですが、DNA検査をしたわけではありません。怠け者で、獲物を追うのが大好き。顔と耳はとても表情豊かです。眼は情緒たっぷりでやさしい。なでられたり、お尻を掻いてもらったりするのが好きですね。でも抱きしめようとすると逃げ出します」
周囲の人々はすぐに「ベイビー・ヨーダ」と12歳のディクシーが似ていることに気づきました。
同居犬たちとも仲良し
――ほかにも犬を飼っていますね。
「そうです。全部で3匹飼っていて、みんな保護した犬です。ディクシーが最初で、その後2歳のピットブル混血犬のミュータ、4歳の茶ラブラドール犬アルファルファです。ミュータ(略してムー)は生後3カ月のときに引き取りました。ディクシーと散歩中に見つけて、あとをついてきた子犬でした。マイクロチップもなく呼吸器の感染症があり、とてもやせていました。フィリピン人のボーイフレンドが冗談でタガログ語の『目やに』という名をつけたの。でもこの犬はすばらしいのよ。やさしいし、いろいろ芸もするの」
「アルファルファ(略称アルフィー)は2020年の夏に引き取りました。わたしは犬のトレーナーで、コロナ禍の前はテーマパークで保護犬のショーを開催していました。でもコロナでその会社も倒産してしまいました。アルフィーはショーで活躍した犬です。ハイキングや水泳も家族と一緒に楽しみます」
――ディクシーは他の犬たちとうまくやっていますか?
「ええ、とっても。とくにムーとは大の仲良し。よく舐めあったり抱き合ったり、遊んだりしています」
フォロワー100万人が目標
――なぜネットに犬の写真を?
「2017年にディクシーの写真をインスタグラムに投稿しました。犬の写真を集めたページがあって、そこにディクシーも載ったらかっこいいなと思ったんです。それから次々にほかの犬の写真も投稿するようになり、3匹の写真をまとめて掲載するアカウントも作りました。ティクトクに投稿したのは、親友の勧めがあったから。2020年の10月です。半年後には10万人以上のフォロワーを獲得しました」
――ディクシーがネット上で人気者になったことについては?
「ビデオを撮って投稿してそのまま寝たのですが、その夜は携帯がバイブし放しでした。何か悪いことが起こったのかと思ったら、ディクシーのビデオが大人気になっていたのです。こんなにみなさんがディクシーを愛してくれて、うれしいです。できるだけ続けたいですね。100万人のフォロワー獲得が目標です。ディクシーがモデルの商品ができたりしたらうれしいけど。でもここまで来たことだけでも幸せです」
「子犬のときは、ディクシーは悪夢のような存在でした。なんでも壊してしまうし、壁を噛んだりソファーを食べたりして、あばれるの。家族がいればおとなしくするよう躾けたのですが、だれもいないときは最悪でしたね。でもディクシーのすべてが好きです。13歳の時から一緒に育ち、わたしは今25歳です。どんなことでも一緒にやってきたの。ディクシーの耳は大きくてすごいけれど、眼も特別なのよ。いまディクシーは高齢になってスローダウンしてきたけれど、まだ何でも一緒にやりたがるの。すばらしい犬なので、世界の人々にもそれを伝えたかったんです」
兄弟の子犬はすべて死亡
人々は「ベイビー・ヨーダ」以外にも、さまざまな耳の大きなキャラクターをディクシーに結び付けています。この耳のおかげで、ディクシーはソーシャル・メディアの大スターになりました。ネット上だけでなく、ファンレターを受け付けるための私書箱まであるそうです。インスタグラムやティクトクでは、600万回以上もビデオが再生されています。
つい最近のファンレターにはこう書かれています。「ポートランドからこんにちは。すてきなビデオをありがとう。6月に愛犬が亡くなったけれど、このビデオを見ると癒されます。ディクシー、いつかこちらにも来てね(かわいいイラスト付きでした)」
ディクシーは苦境を乗り越えてきました。12年前の寒い1月の夜、ウェストヴァージニア州の農家で母犬が子犬たちを出産しました。でもそのなかで、酷寒に耐えて生き残ったのはディクシーだけでした。
生後6カ月で家族の友人に引き取られましたが、その人たちの気が変わり、当時ティーンエージャーだったダニエルさんの弟に預けられたのでした。弟は夜間に犬を持ち込みました。父が寝ていたダニエルさんを起こし「リビングにいるのは何かわかる?」と尋ねました。このときの興奮は今も忘れられないそうです。駆け寄ってディクシーを初めて見たとき、父にこのまま飼ってもいいかと頼んだのです。
いやがる母親を説得
ときに両親のうちの1人は犬を飼うのに積極的ですが、もう1人は反対することがあります。だって最初のうちは喜んで犬の面倒を見ていた子供たちも、そのうちに飽きてやらなくなり、母親がすべてを世話する例が多いからです。
でもダニエルは断固として母親を説得しました。そこで策をめぐらせ、母親に犬の名前をつけさせて気に入ってもらおうとしました。それが「ディクシー」という名です。これは大成功で、預かっている間に母親も犬を気に入り、正式に家族に迎え入れることができたのです。のちに「ディクシー・ドゥー」という正式名になりましたが、これは大好きな漫画のキャラクター「スクービー・ドゥー」にちなんだものだそうです。
ダニエルは実家から巣立ちまちたが、ディクシーは今でも大事な家族として一緒です。この犬のおかげで彼女自身も変わりました。世話をすることで責任感が養われたのはもちろんですが、犬の穏やかで人懐っこい性格が影響して、周囲の人々にやさしく親切に接することができるようになったといいます。
ぜひ保護犬をペットに
彼女は最近フロリダ州に転居し、ほかの2匹の犬も一緒に暮らしています。
「ディクシーは保護された犬だったことを、ぜひ人々に広めてください。大変な生い立ちでしたが、今はこれ以上ないほどのすばらしい犬です。ちょっと見かけが変な動物たちにも、チャンスをください!ペットショップで5000ドルも払って、実は子犬生産工場で繁殖された雑種犬を買うのでなく、保護施設を訪ねて気に入ったペットを探してみてください。きっと忠実で人生を豊かにしてくれる友が見つかりますよ」と彼女はいいます。
人々はこんな感想を寄せています
・すごくかわいい。子犬の時の写真もある?
・この耳は国宝級だね。
・すばらしい耳ですね。
・これはまさに「ベイビー・ヨーダ」だ。疑いようがないよ。
・だれが「ベイビー・ヨーダ」を誘拐して連れてきたの?
・おお神よ!本当に「ベイビー・ヨーダ」だ。
出典:https://www.boredpanda.com/dog-lookalike-baby-yoda-comparison-dixie-doo/