”子犬工場の犠牲となって”障害を負った犬”。最期は暖かい人々の尽力で幸せがやって来た!

感動

利益最優先の子犬生産業者によって、子犬を産むためだけに生かされてきた犬。救出されたときは、傷つき重病を患っていました。でも人間とともに暮らし社会参加しながら、充実した最期のときを過ごしています。

消防パレードの主役は犬!

出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/german-shepherd-dog-from-puppy-mill-celebrates-life

消防パレードの先頭として、車に乗って目抜き通りを進むジャーマン・シェパードのビクトリアは、とても幸せそうです。

この犬(10歳)は最近、米国ペンシルバニア州ノリスタウンの「名誉消防士」に称えられました。ビクトリアは消防士たちに頭をなでられ、大歓迎を受けています。

後ろ足は病気のために使えず歩くことはできませんが、特製の垂れ幕をつけたトレーラーに乗せてもらってパレードに参加しました。

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道路沿いに集まった人々は大喝采を送っています。「進めビクトリア」「大好きだよ」などと書かれたポスターを掲げる子供たちもいます。

子供たちはビクトリアが病気だと知っています。だからこそこの犬を元気づけようとしているのです。ビクトリアのほうも、すぐにうれしそうな表情をも見せていました。

やってあげたいことリスト

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実はこのパレードは「ビクトリアのためにやってあげたいことリスト」の中の1つなのです。ボランティアとしてこの犬を養育しているグレース・ケリー・ハバートさんが尽力して、ここ数週間でリストの項目を順番に片づけてきたのです。もちろん地域のみなさんからも多大な支援を受けています。

「ビクトリアはトレーラーの上で、前足を私の膝にかけて誇らしげにしています。子供たちはみんな大声で名を呼び応援してくれています。この犬は本当に幸せそうです。みんなが愛情と敬意を示してくれるのがわかるのです。すばらしいわ」

とグレースさんはいいます。

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この犬はランカスター郊外のアーミッシュの子犬生産工場で飼われていました。これまでの犬人生を、ずっとそこで過ごしてきました。6週間前にグレースさんが「事業主がこの犬を安楽死させたがっている」という通報を受けたのがきっかけで、救出されたのです。

ビクトリアはずっと屋外で暮らしており、運動やおもちゃ遊びも経験したことがありません。ただずっと妊娠・出産を繰り返すだけで、適切な医療も受けていません。片目をほかの犬に噛みつかれ、芝刈り機で足を轢かれたときも、何の治療もされませんでした。その結果片目は失明し、前足は変形してしまったのです。

これまでに産んだ約100匹の子犬は、何も知らない人々に売られていきました。10年がたち、もはや子犬が産めない体になったビクトリアを、事業主は役に立たないので安楽死させたいと考えたのです。

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グレースさんは「ファインディング・シェルター・アニマル・レスキュー」の創設者の1人です。10月にビクトリアを引き取るために子犬工場を訪れたとき、この犬は私道沿いに置かれた籠に押し込められ、石のように無表情でした。事業主はグレースさんと同僚のピーター・イーガンさんが敷地内に立ち入るのを許可しませんでしたが、ほかにもこういう悲惨な犬が多数いるのは確実でした。

「ほかの犬の状態は見せてもらえませんでした。でもフェンスに囲まれた小屋に暮らす犬たちをちらりと見かけたのです」

とグレースさんはいいます。

体じゅう蚤だらけで歩くこともできず、ビクトリアができるのはただ震えながらうなることだけでした。
「ビクトリアを運び出し、涙ながらに工場を後にしました。そのときはこの犬に触ることができるのだろうかと不安に思っていたのです」

どれだけ長くビクトリアが籠の中に押し込められていたのかはわかりません。でも数週間にわたる治療をへて、この犬は少しずつ動けるようになってきました。さらに重要なことに、犬人生で初めて、人間を信頼することを覚えたのです。

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「3週間ほどたって、やっと落ち着いてきました。最初に人間の手から餌を食べたとか、そういうささいなステップを踏みつつ、ここまで来ました。ふつうの飼い主なら当たり前に思うことが、この10歳の犬には大進歩だったのです。想像以上によくやっていますよ」

余命は1年以内

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歩けるようにはなったものの、獣医は犬が「変性骨髄症」であると診断しました。後ろ足が弱ってマヒする病気です。余命は6ヵ月から1年だろうということでした。

「きっとビクトリアの産んだ子犬たちもこの病気にかかることでしょう。何も知らずにオンラインやペットショップから子犬を購入した人々は、やがてこの不治の病に気づくことになります。ひどい話ですね」

ビクトリアの病のことを知り、グレースさんと夫のスティーブさんは「ビクトリアのためのV」という活動を始めました。これまでの困難な犬人生で経験できなかったことを、いろいろ経験させてあげようというものです。たとえば、生まれて初めて自分のおもちゃを買ってもらうとか、ショッピング・モールにいるサンタのおじさんを訪ねていくとか、犬の美容院でグルーミングを受けるとか、ビクトリアの人生を記念するイベントを企画するとか。

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これまで「やってあげたいことリスト」の中からいろいろな取り組みを行いました。この数週間で、ラジオ番組のゲストDJをつとめたり、学校を訪問してセラピー犬になってみたり、地元警察署の「1日犬警察官」になったりもしました。

地元の犬専用ベーカリーで味見係をつとめる予定も入っています。これはお気に入りの行事になるかもしれませんね。でも何といっても、今回の消防パレードが一番すばらしいイベントでしょう。

「ビクトリアの話を聞いて、消防署がこの犬を『1日消防官』にしたいと提案してくれたのです。ただ消防署に行って写真を撮ったりして終わるだろうと思っていましたが、こんなに大規模なパレードを企画してくれて、本当にビクトリアもうれしそうです」

子犬工場の残酷さを知ってほしい

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このような企画は、ビクトリアへの愛と関心を示すだけでなく、子犬生産工場の悲惨さを広く知ってもらうのにも役立ちます。「米国ヒューメイン・ソサイエティ」によると米国内には1万以上の子犬生産工場があり、16万7000匹以上の母犬が妊娠と出産を繰り返しているそうです。毎年こうして産まれた200万匹の子犬が、ペットショップなどを通じて販売されています。

ビクトリアがいた工場と同様に、米国内の多くの子犬生産工場は米国農務省による免許が必要になっています。でもその基準は動物福祉法の最低の基準(生存のための餌や水の確保など)を満たしているにすぎません。このため多くの業者は、犬たちを一生涯檻の中に閉じ込め、運動させたり世話をしたりすることもない状態に置いています。

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「多くの人は、店で子犬のきょうだいだけを見せられ、気に入った1匹を購入します。でも実は100匹ほどが裏に隠されていて、お客さんは知らないだけなのです。子犬に先天性の病気があっても、平気で販売されます。消費者への詐欺といってもいいでしょう」

子犬たちにはまだ家庭を得て愛されるチャンスがありますが、母犬たちにはそんな可能性はありません。
「ビクトリアの話を知った人々は、私たちの活動を理解してくれます。わたしたちのコミュニティには、生産工場出身のペットを買ったという人が多いのです。ビクトリアのことを広めて、ペットを飼い始めるときにはどういう生まれなのかをきちんとたどるような態度を普及させていきたいですね」とグレースさん。

元気なうちはトライ!

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はじめのうち緊張していたビクトリアも、すぐにこうした目新しい活動に慣れ、日に日に自信を身に着けてきています。テレビの取材を通じて、グレースさんはビクトリアと同じ病気で愛犬を亡くした人にも出会いました。その人たちは、愛犬が使っていた犬用の車いすをビクトリアのために寄付してくれたのです。

「今の季節は子犬を購入する人が多いのですが、ビクトリアの話が人々に広まってきて、みんなが関心を持ってくれるのはすばらしいことです」とグレースさんはいいます。

この犬が元気なうちは、しばらくリストの項目にトライし続けます。だって、こんなに長い間待って、やっと手にした幸せな毎日なのですから。

「生産工場から抜け出せないあわれな犬も大勢います。ビクトリアが救出され生き残ったのは意義のあることです。わたしたちもこの犬と一緒にいられて幸せです」

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