「中国で食肉にされる前に救う」強い決意で犬たちを米国へ移送する女性

感動

中国で食肉になる運命の犬を救い、米国に輸送し幸せな未来を与える活動をしているジルさん。すでに200匹超の犬を移送しました。コロナ禍や中米関係悪化で状況は厳しいものの、彼女や仲間の決意は強固です。

犬を引き取るために中国へ

中国・上海郊外で「障がいのあるゴールデン・レトリバー犬が捨てられそうになっている」と聞いたジル・スチュアートさんは、この犬を自分で引き取ろうと決めました。彼女は米国に住む看護婦です。

出典:https://familypet.com/china-rescue-dogs/

さっそく住んでいるノース・カロライナ州から中国に渡ったとき、この犬「ミーソ」のことを知って感銘を受けました。野良のミーソは僧侶たちに世話をされていたそうです。

ジルさんが調べてみると、中国にはひどい環境に置かれた犬がほかにも多数いるようです。子犬たちは捨てられ、叩かれ、飢餓状態になってだれからも見向きもされず、トラックに詰め込まれて食肉加工場へと送られているというのです。

犬を救うために組織を結成

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「ここで終わるわけにはいきませんでした」というジルさんは、ミーソを助けてくれた人と協力してウェブ上の募金サイトで7000ドルの寄付を集め、さらに5匹の犬を救出することにしたのです。

でもほかにも多数の不幸な犬たちが、毎年殺されて食肉に加工されています。 彼女は2019年7月に非営利組織「中国から犬を救う会」を立ち上げました。この判断はタイムリーだったのです。

犬たちを航空機で輸送

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「組織を立ち上げるとすぐ、仲間から連絡がありました。中国当局が犬の一時保護施設を廃棄するといってきたのです。そこにいる150匹の犬をどこかへ移さなければなりません。ぜったいに1匹も見殺しにはできなかったのです」とジルさん。

「大丈夫、何とかする」と請け合ったものの、そのときには中国から犬を米国へ運び出すのがどんなに大変かについて、まったく知識がありませんでした。どうすればよいのかわからないまま、とにかく行動しました。

以来「中国から犬を救う会」は中国から200匹を超える犬を救ってきました。ジルさんによれば、この成功は「すばらしい知恵を授けてくれた人々や、協力的な仲間や寄付者、航空機に犬を乗せて安全に運ぶために時間やお金を注いでくれた熱心なボランティアの人々」に支えられたものでした。

コロナ禍で状況が一変

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コロナ禍以前は、米国からボランティアが中国上海やハルピン、武漢などへ飛び、「中国から犬を救う会」の現地協力者と会って、犬をニューヨークやロザンゼルス、シカゴなどへ輸送していました。
「幸運なことに、そういう仕事をやってくれる熱心なボランティアがたくさんいたのです。そして企業からも多大な支援をいただきました。わたしや娘も毎月中国へ飛んで、犬を連れ帰ったのです」

でも2020年の1月にコロナ禍が発生してすべてが変わってしまいました。中国と米国の間の民間航空便は停止してしまい、両国で犬のために尽力する人々は窮地に立ちました。

「保護される犬はどんどん増えて、大変な状況になりました」とジルさんはいいます。

中国側で活動する人々は、施設での餌不足に苦しみ、依然として横行する食肉加工業で犠牲になる犬を救えなくなってしまいました。おまけにコロナウィルスに関する間違った情報を真に受けて、飼い犬を捨てる人が増えたり中国当局が感染の拡大を恐れて飼い犬を没収したりしたため、状況はいっそう悪化しました。

飛行機をチャーターしよう!

 

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ジルさんは困難な状況に置かれました。中国側の協力者は、電話の向こうで泣きながら助けを求めてきます。何とかしなければ!

「飛行機をチャーターしましょう」と彼女。そのとき副代表のライアン・マクドネルさんは、このコロナ禍で寄付金も減っている最中に、ジルさんが提案したアイデアに「そんなお金はないよ」と笑って答えました。それでもジルさんはへこたれませんでした。「大丈夫、何とかするわ」と彼女。そしてジルさんのいうとおり、アイデアは現実のものになったのです。

「中国から犬を救う会」はいくつかの動物保護団体と協力しながら寄付金40万ドルを集めました。中国・昆明から105匹の犬たちを米国シカゴへ運ぶために航空機をチャーターできる金額です。

政府間の関係悪化で方向転換

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でも米国と中国の政府同士の関係悪化で、このチャーター機計画は流れてしまいました。
「もうすぐのところまで来ていたのに、政府間の問題の影響を受けてしまいました。飛行機が飛び立とうと待機していた状況だったのに、とても残念です」とライアンさん。

でもあきらめたわけではありません。犬たちを貨物として輸送する方法を模索したのです。ジルさんによれば「貨物として犬を運ぶためには辛抱強い手続きが必要」です。おまけにパレット(運送用の荷台)あたりコストは5万ドルもかかってしまうのです。それでも何とか150匹の犬を貨物輸送機に乗せて米国へ運ぶことができました。今後はその経験で得た知恵を協力者と共有して、さらに多くの犬を救済していく方針だそうです。

(写真説明)活動のきっかけとなった犬ミッソーはいま、家族の愛情をたっぷり受けて暮らしています。

150匹の犬を米国へ輸送

出典:https://familypet.com/china-rescue-dogs/

「みんなが協力してやっています」というジルさん。パンデミック下でさまざまな組織が協力して活動に取り組むことで、大きな力を発揮して目的を達成できることがわかりました。
「中国側の協力者は、やっと犬たちを送り出すことができました。関与した人々が国境を越えて協力し、今までにできなかったことを実現させたのです」とジルさん。

150匹の犬は幸運に恵まれたものの、まだ中国には過酷な状況で残された犬たちがいます。
「中国の状況はどんどん悪くなっています」とジルさん。貨物機に30パレット分の犬を乗せて運び出しましたが、これ以上の資金は出せません。中国へ向けて餌用のお金を送るのがせいぜいです。

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「毎日食肉加工される犬たちがいます。中国にいる協力者からは、そういう犬たちを少しずつ救助していますが、彼らからは援助を求める悲鳴が毎日届いているのです」

(写真説明)救助された犬は診察のうえ予防接種を受け、その後に明るい未来に向け輸送されていきます。

いま中国側には、出発準備の完了した犬が120匹も待機中です。1匹につき輸送費は2500から3500ドルかかります。ジルさんはまず12月に26匹を輸送したいと考えています。米国側ではすでに飼い主になる予定の家族が待ち受けています。でもそのためには資金が不足しています。「お金を送りさえすれば、すぐに輸送準備が完了できるのですが」とジルさん。

出典:https://familypet.com/china-rescue-dogs/

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