猫は狭い空間に入るのが好きだ。その理由は何か。どうして狭いところに入れるのか。安全でないところに隠れるのをどうやって防ぐか。いつも隠れているとき、飼い主はどうすべきか。
猫はどうして狭い空間に入り込もうとするのか

出典: https://www.thedodo.com/dodowell/why-do-cats-like-small-spaces
猫は箱とかシンクとか靴箱のようなすごくおかしなところにピッタリ入り込んでくつろぐことができます。でも、どうしてそんなことをしたがるのでしょうか。
専門家によると、猫が狭い空間にいることを好むのは、それが安全だと感じるからだそうです。(それが可愛いのは、単なるおまけ)
セーフハウンズペット保険の獣医師であるミシェル・バーチ医師に、猫が狭い空間を好むことについてもっと詳しく話を伺いました。
バーチ医師は、猫が狭い空間に隠れようとするのは、安全で心地よいからだ、と言います。
猫は捕食者と考えられることが多いですが、他の動物の餌食になることもあります。そのため、自分を狩ろうとする動物たちから離れて隠れていようという本能があるのです。
「狭い空間は横や後ろから忍び寄ってくるかもしれない捕食者から隠れるのに好都合です。潜在的な脅威が現実になったとしても、攻撃前に視野に入るので、不意打ちを避けることができるのです」
とバーチ医師は言います。

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猫はまた家に入ってくる知らない人や動物を警戒する傾向があります。周りの環境に変化が起きている間は隠れている方が気持ちよく過ごせるのです。
「狭い空間はまたストレスに直面したときに猫に安らぎの場を与えます。ストレスというのは、家に新しいペットが来たとか、親戚の人が来たとか、小さい子が遊ぼうとして荒っぽく扱うとか、そういうことです」
とバーチ医師は言います。
狭い空間で丸くなっていると、身体の中で一番弱い部分であるお腹を守ることもできます。ご存じかもしれませんが、猫は犬ほど頻繁に背中を下にしてゴロゴロしてお腹をなでてもらうことはありません。危険に身をさらすことになるからです。
いろいろ理由はありますが、猫にとって狭いところにもぐりこむことは快楽なのです。丸まっていると体温が保持され、温かくて気持ちが良いのです。
猫はどうやって狭い空間に入り込むのでしょう

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愛猫が、身体の半分くらいの隙間に隠れているのを見て、どうやって入り込めたのか不思議に思ったことがあるでしょう。
猫は骨格に非常に柔軟性があり、身体をおかしな形に曲げることができることがわかっています。
「猫には硬い鎖骨がなく、そのため、狭い空間に押し入ることができるのです。頭と肩さえ通れば、それ以外の個所は自然に滑りこんできます」
とバーチ医師は言います。
また、猫の脊椎はきわめて柔軟性があって伸ばしたりひねったりできるので猫はとてもエレガントで敏捷に見えるのです。
「猫の脊椎は他の動物よりもかなり回すことができ、そのため閉所におさまるように形を変えることができるのです」
とバーチ医師は言います。
基本的に、猫はシルクドソレイユの団員になれるくらい身体が柔らかく、そのため、おかしな場所に身体を押し込むこともためらわないのです。
愛猫が安全でない場所に隠れるのをどうやって防げば良いでしょうか

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猫はほとんどどこにでももぐりこめるので、安全でない場所に入り込んでしまうこともあります。
それを防ぐには、家の中を見回して猫が入り込むと危険そうな場所や物があったら、入口を塞いだり危険な物を除去したりすることが必要です。
「猫が安全でない狭い空間に隠れるのを防ぐために、その場所を塞いで入れなくしてしまうことをお勧めします。残っている穴は猫の頭が通らないくらい小さなものだけにしてください」とバーチ医師は言います。

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愛猫を危険な場所に近づかせないためには、猫が嫌いな臭いを使ってみるのも一つの手です。人間には良い匂いだけれども猫が嫌うものはたくさんあるので、嫌な臭いを家に持ち込む必要はありません。
「猫が入り込もうとする可能性がある危険な場所には猫が嫌う臭いを使うことをお勧めします。猫が嫌いな臭いは、シナモン、酢、強い臭いやスパイシーな臭いです」とバーチ医師は言います。
もしそれでホームメードの猫よけを作りたければ、毒性がなく、天然で、シトロネラ、ペパーミント、レモングラスのような植物から作ったエッセンシャルオイルと混ぜてみると良いでしょう。ユーカリは絶対に入れないでください。猫に有害です。
愛猫がいつも隠れているとき

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時々隠れるのは猫の習性です。でもいつも隠れているとしたら、その猫は安全ではないと感じ、不安で、心地良くなく、病気なのかもしれません。
愛猫を助けるには、まず、何が原因で隠れているかを突き止めることです。
「愛猫が何かに苦痛を感じていないか、周囲をよく見て考えることをお勧めします。たとえば、ペットや人に対して苦痛を感じているのかもしれません。もし原因が突き止められたら、それを取り除くことを考えましょう」
とバーチ医師は言います。
愛猫が自分だけの時間がほしいと思っているのなら、他のどの場所よりもリラックスできる安全な場所を作ってあげるべきです。
「愛猫のためだけを考えて周囲の環境を整えるのならば、まず、寝床と隠れられる安全な場所をたくさん作ってください。トイレ、フード、水が近くにあることが必要です」
とバーチ医師は言います。
キャットタワーを置くのも良いです。キャットタワーからは周囲で何が起きているか見渡すことができ、安全を確認することができます。キャットタワーは好奇心が強い犬やよちよち歩きの幼児のような地上における不安の種から逃れる道を提供します。

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体調が悪いときにも猫は隠れることがあります。ですから、猫が隠れている原因に思い当たることがないとき、特に、猫が急に以前より頻繁に隠れるようになった場合には、病気ではないのか獣医師と話し合うべきです。
「愛猫の苦痛の原因が特定できない場合は、獣医さんに行って診察と血液検査をしてもらうことをお勧めします。何か病気があって猫が隠れているのかもしれません。具合が悪いので狭い場所の安全を求めているのかもしれません」
とバーチ医師は言います。
愛猫が病気でもなく何かを怖がってもいない場合は、不安だから隠れる狭い場所を求めているのかもしれません。もし愛猫が不安を感じている、あるいは何かについてストレスを感じていると思ったら、獣医師に話して愛猫を助ける方法を考えてください。例えば、不安を和らげる製品を使うとか、飼い主の行動を変えるとかです。
愛猫がいつも隠れているわけではなく、隠れる場所が安全な場所であれば、少しおかしく感じるにしてもたまにシンクで寝たりするのは正常なことなのです。
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