第二次世界大戦中にポーランドの兵士として戦線に参加したのは、シリアヒグマのヴォイテクです。ウオッカとタバコが大好きで、伍長にまでなった伝説の兵士はクマさん。ここまで聞いても信じられませんね。何でクマが兵士になったのか。
「ヴォイテク」はポーランド軍で兵士となったクマ

出典:https://i.gzn.jp/img/2010/10/14/private_wojtek_the_soldier_bear/wojtek01.jpg
ヴォイテクは第二次世界大戦中にポーランド軍に譲渡されたシリアヒグマ。母親を亡くし、独りぼっちだったのを拾われて、ここまでたどり着きました。でも、何しろクマですから、ちょっとやそっとでは、面倒見切れません。
でも、戦争で心身ともに殺伐としている兵士たちにとってヴォイテクの存在は心のよりどころだったのでしょう。みんなでヴォイテクの面倒を見て、挙手の敬礼まで出来るようになったのです。軍隊のアイドル的存在になったヴォイテク。仲間はヴォイテクの中に人間が入っているのではと錯覚したこともあるそうです。
出典:https://pbs.twimg.com/media/EnoNsCMUwAEf-Xv.jpg常にみんなと一緒に行動していたのですが、輸送船に動物が乗れない為兵士らが考え付いたのは、ヴォイテクに階級を与え、人間として扱う事でした。こうしてヴォイテク伍長が誕生しました。
当然兵士扱いなので、たばこや現金が支給され、ビールまで飲みます。もっぱらヴォイテクの仕事は荷物運び。何しろクマですから、重い物はへっちゃら、人の何倍も運べます。
本当によくここまでしつけ出来たものだと感心してしまいます。大きくなれば段々野生の本能が顔を出してきて、手に負えなくなりそうなものですが。何しろ体重約250㎏、身長180cmにも成長するのですから。
戦後は動物園へ

出典:https://ichi.pro/assets/images/max/724/1*I6_MHBDEPox_a7yStJqlsg@2x.jpeg
ヴォイテクの事はポーランドはもちろんヨーロッパ圏では有名な話です。テレビにも出演し、本にもなっています。至る所に石板や記念碑が建てられ、その功績を称えています。
戦争が終わって部隊がイギリスに留まるとヴォイテクも一緒に滞在しましたが、解散されると当然ヴォイテクのいる場所が無くなくなり、イギリスのエディンバラ動物園に引き取られて行きました。
今まで人間と寝食を共にしていたヴォイテクにとって動物園での生活はとても不自由なものでしたが、それが本来に姿ですよね。ビールやたばこの無い生活はさぞかし物足りなかったことでしょう。
動物園でもポーランド語にしか反応しなかったと言われていますから、環境が人を作ると言われるようにヴォイテクにとっての軍隊は家族のその物だったのでしょう。22才で動物園で亡くなるまで過ごしましたが、その間には何度か一緒に戦った仲間が訪れ昔を懐かしんでいたそうです。
こんな記事も読まれています
スタッブスはアラスカ州の猫市長さん!野良猫から登りつめた経緯は?
日本も見習うべき!殺処分される猫を救う取り組み『バーンキャット・プログラム』とは?
「猫が通れる隙間は何cm?」みんなが気になる実験が話題。そして衝撃のラストが