病気のときにウサギのぬいぐるみを支えにして健康を回復した犬。普段は大事にしまっておきますが、片頭痛で苦しむママを見て自分の経験を思い出し、このウサギを足元へ。犬のやさしい思いやりに彼女は大感激です。
迎えた子犬が重い感染症に

出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/dog-with-parvo-gets-stuffed-toy
3年前に家族に迎えられたとき、ドビーはまだ子犬でした。飼い主夫妻も先住の犬たちも、ドビーを大歓迎しました。たちまちみんなこの犬が大好きになったのです。でもたった2日後に、ドビーは急に体調を崩し、ひどい状態になってしまったのです。
獣医に診せたところ、ドビーは「パルボウィルス」に感染していることがわかりました。家族は大ショックでした。パルボウィルスは感染力が強く、子犬がかかると重症になりやすいのです。繁殖施設やペットショップにいる子犬によく見られます。
わずか数日でも、ドビーはもう大事な家族の一員です。あきらめることなんてできません。
「体重わずか2.7キロの小さな犬がこんな病気にかかってしまって、命が心配でした」というのはドビーの飼い主のシャニ・コッパさんです。

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「獣医は『このまま入院しても生き延びる見込みは少ないし、家に連れ帰ってできるだけ一緒に過ごしてあげるほうがいいでしょう。そのほうが病院にいるより生き残れるチャンスがあるかもしれません』といいました」
絶対にあきらめないという決心で、コッパさん夫妻はドビーを自宅へ連れ帰り、感染を広げないよう、ほかの犬たちから隔離した部屋でようすを見守りました。その日は木曜日でしたが「月曜日まで命が持てば、体力がついてきて切り抜けられるでしょう」という獣医の言葉に希望を託して。それから5日間、2人はドビーの部屋に詰め、ドビーが気分良く過ごせるように何でもしました。
ウサギのぬいぐるみをお供に
「夫はずっとその部屋で過ごし、24時間体制で看護をしました。欲しがるものは何でも与えました。チキンの煮汁とか、ベビーフードとか、チーズやペディアライト(電解質補給飲料)とか」とシャニさんはいいます。

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闘病のため隔離されていてもドビーが寂しくないよう、特別なおもちゃも買ってもらいました。ピンク色のウサギのぬいぐるみです。これを見た瞬間から、ドビーはこのウサギが大好きになりました。特別な友達として、いつもそばにいるようになったのです。ウサギのおかげで、ドビーは気分がよくなってくるようでした。
「寝るときは毛布の中に一緒に入り、食べられるようになると食器の横にちゃんとウサギがいるという具合で、すごく気に入っていましたね」
運命の月曜日が過ぎ、ドビーはみごとに回復を果たしました。家族もドビーも、ウサギのぬいぐるみも大喜びです。

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感染症を克服したあとは、ドビーはそれほどぬいぐるみを構わなくなりました。だって同居犬3匹やほかのおもちゃなど、遊び相手はたくさんいるのですから。でももちろん、ドビーはウサギのことを忘れたりはしません。数年の間、自分の目の届く場所にしっかり確保しておいたのです。
「ウサギは部屋に置いたまま、決して噛んだりはしません。ほかの犬が遊ぼうとしても絶対に許しませんでした。それでいて、自分で遊ぶこともあまりなかったのです。いざというときにとっておく大事なおもちゃ、という感じでした」とシャニさん。
ある日ひどい片頭痛に襲われたシャニさんは、仕事を休んでずっと横になっていました。犬たちはママの体調が悪いのに気づいたようです。とくにドビーは心配そうでした。ずっと彼女のそばにいて、ほかの大きな犬たちを遠ざけようとします。1日じゅうそばについて、どう看護したらいいか悩んでいるようすでした。でもそのうちウサギのぬいぐるみのことを思い出したのです。
ぬいぐるみをママの足元へ

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「ひどい吐き気に襲われたとき、ドビーが私の寝ているソファへ例のぬいぐるみを持ってきたのです。子犬が重い病気にかかったときに買い与えたものです。その後自分が元気になったので、きっと『気分がよくなる薬』だと信じているのでしょうね」
体調の悪いときに助けてくれたウサギのぬいぐるみ。きっとママの病気も直してくれる、とドビーは思ったのですね。
さて今や、だれかの体調がすぐれないとき、ドビーはいつもウサギのぬいぐるみを持ってきます。でもだれも病気でないときは、そのぬいぐるみを大事にしまっておくのです。さながら自分を守ってくれたお返しのようにね。
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