動物愛護団体『The Humane Society of the United States』は地元警察と共にサウスカロライナ州の子犬工場に足を踏み入れると悲惨な現状が…。ブリーダーの質を厳しく管理しなければこういったことは世界中のあちこちで起こっているのです。
劣悪な環境の子犬工場を摘発
動物愛護団体『The Humane Society of the United States』は地元警察の子犬工場摘発に協力し、動物たちの救出に向かいます。
この子犬工場は、200頭以上の犬、数十羽の鳥、9頭の馬を劣悪な環境に置いたまま、ネットで売りさばいていたのです。
子犬工場の入り口には、「私有地。侵入者には暴行を加え、息があれば銃撃する」と異常さを思わせる看板が…。
敷地はゴミの山で、敷地ですらまともな管理ができていないようです。
屋外にはケージがたくさん設置されていましたが、床面は格子状になっており、子犬たちはかろうじて足場のある端を歩いている状態です。
糞尿の掃除をしなくていいように、格子の隙間から地面に落とすためでした。
ケージの下には、糞尿の山ができています。
飲み水も緑色に濁っています。
ケージの周りに散乱している無数の骨。
恐らくここで命を落としていった犬たちのものでしょう。
あまりにも劣悪な環境を目にした救助スタッフは「生き残っている子たちを、今日救出できるのが救いです」と言います。
敷地のあちこちに無数に置かれたケージの中で、暴れ犬もいればただただ震える犬も…。
ケガをしてそのまま放置されている犬の姿もありました。
次々に運び出されてくる全部の犬たちの記録を取り、クレートに入れてトラックに積んでいきます。
200頭以上の犬、数十羽の鳥、9頭の馬を一度に救出するのはとても大変なことでしょう。
救出した子犬にキスをする救助スタッフ。
愛情を知らず劣悪な環境に放置されていたのですから、これから幸せになってほしいという強い思いが伝わってきますね。
このあと、全ての動物たちに健康診断を行い、病気やケガの治療、里親探しなどやることはまだまだたくさん残っています。
アメリカでは、度々大規模な子犬工場の摘発があります。こういった悪質なブリーダーは摘発されても軽い刑罰で済むため、再び子犬工場を始めるのが現状だそうです。
今回の摘発と救出には州議会の上院議員が参加しましたが、あまりにもひどい光景に愕然し「こんなことは許されない。この子犬工場の運営者は、今後いっさいこの手のビジネスに手を出させてはいけない。何とかしなければいけない」と言っています。
日本では、悪質なケースであっても表に出てくることはほとんどありません。そのため実態を知らない人が多数おり、どうにかしなければいけないという関心が向かないのです。
悪質なブリーダーがいなくなるためにも、目をそむけてはいけないのではないでしょうか。
※こちらの記事は動画の制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
動画制作者:The Humane Society of the United States
掲載YouTubeチャンネル:The Humane Society of the United States