捨てられた兄弟のうちで、1匹だけ生き残った赤ちゃん猫。里親家庭でお手本となる先輩猫に出会い、毎日一緒に過ごしながら強い絆を結びました。やがて2匹は、ともに同じ飼い主に引き取られることになったのです。
捨て猫が箱の中に
2021年の秋、米国アイダホ州レックスバーグにある「スーパーヒーロー・アニマル・レスキュー」は、「犬猫譲渡施設の入り口前に、子猫たちの入った箱が捨てられている」との連絡を受けました。

出典:https://www.lovemeow.com/kitten-box-sweetest-bond-cat-2656322427.html
「とても寒い日で、見つけた人たちはわたしたちが到着するまでそばについていて、室内に運ぶのを手伝ってくれました。」と同団体は投稿しています。
子猫たちはみな弱っていて、何か病気もありそうです。けんめいの治療を行いましたが、生き残ったのはたった1匹、灰色猫の「タッカー」だけでした。

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「タッカーはきょうだい猫より大きく鳴き声も大きいので、この子が鳴くことで通行人が気づいてくれたのでしょう」というのは、里親ボランティアをつとめるシンディ・コングドンさんです。そうです。この子猫は、体は小さくとも大きな声と生存への強い意志があったのです。
けんめいな治療を経て元気に

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善玉菌や栄養を強化した子猫ミルクを与えたり、皮下点滴療法を行ったりなど、たいへんな看護や治療をへて、タッカーは危機を脱して元気になってきました。そこで、タッカーには猫の「お作法」を教えてくれる遊び仲間が必要になったのです。
「複数で育った猫は、人間のよいペットになれます。社会的な作法や技術、やってはいけないことをほかの猫から学べるからです」
ちょうどそのころ、茶トラ猫のローワンにも仲間猫が必要でした。この猫は飼い主が見つからず里親家庭で長く過ごしていました。タッカーの病気が治るとすぐ、2匹は「ご対面」を果たしたのです。
ローワンはタッカーより1ヵ月ほど年上です。タッカーはまだ遊び方を知らないので、シンディさんは飼い猫のリジ―とローワンをまず遊ばせ、ローワンのエネルギーを少し消耗させたあとでタッカーと会わせることにしました。
2匹が結んだ友情の絆

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「タッカーが見ている前で、ローワンはおもちゃで遊びやり方を示しました。そのあとローワンは自分が引っ込んで、タッカーにおもちゃを使わせたのです」とシンディさん。
タッカーの体力がローワンと同等になると、2匹は子猫部屋で一緒に眠るようになりました。お互いに強い友情の絆を結んだのです。
「毎朝わたしがのぞきに行くと、寝床に一緒に丸くなっています。仲良く餌も分け合い、お互いの体を舐めあっています。すっかり仲良くなりました」
ローワンはタッカーに毛づくろいの上手なやり方を教えました。タッカーはローワンの顔や耳を舐めてお返ししています。血はつながっていなくても、2匹はおもちゃも人間の膝も、何でも一緒に分け合っています。
一緒に新しい飼い主のもとへ

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シンディさんの望みは、2匹に完璧な家庭を見つけてあげることです。
「まだ小さいタッカーが昼寝をしている間、ローワンにはリジ―に代わる遊び相手が必要です。理想をいえば、以前に高齢猫を育てた経験のある人がこの2匹を同時に飼ってくれるといいですね。猫にやさしい犬が同居していればもっといい。だって2匹とも犬には興味津々なのですから。それからほかにも遊び好きな若い猫がいれば、最高です。ちょっと欲張りすぎかな。多少の妥協は仕方ないですが」とシンディさん。
ところがそんな家庭があったのです。シンディさんは、最初は信じられませんでした。新しい飼い主は長距離を運転してやってきて、2匹とも引き取っていきました。
「ときにすべてがうまくいくことがあるのですね。今回がそうでした」とシンディさんは話してくれました。
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