コロナ禍で危機に瀕した食堂の経営者。それでもやってきた野良猫を救い餌を与えます。やがて店内の鉄道模型で遊ぶ猫が話題になり、経営は改善。経営者は多くの野良猫を救う活動を続け、感謝の気持ちを表しています。
コロナで来店数が激減
コロナ禍で思わぬ不幸な目にあった方は多いはずです。先がわからずに不安なだけでなく、多くの人々が経済的にも困窮しています。

出典:https://www.boredpanda.com/stray-cats-saved-diorama-restaurant-japan-naoki-teraoka/
そんな1人が寺岡直樹さん(大阪府)です。寺岡さんは熱心な鉄道ファンで、「ジオラマ食堂てつどうかん」の経営者でもあります。開店したのは2018年でした。当初のコンセプトは「ラーメンを食べながら店内の鉄道模型を楽しむことのできる食堂」でした。
ところがコロナ禍によって売り上げは減り、廃業寸前にまで追い込まれてしまったのです。その状態を救ってくれたのが、毛むくじゃらの動物でした。
寺岡さんは「コロナのおかげで、わたしと家族は肉体的にも精神的にもギリギリのところまで追い詰められました」といいます。お客さんが減り、事業が維持できなくなってきたのです。
弱った子猫が店の前に

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2020年6月のことです。生まれて10日ほどの小さな猫が衰弱してたたずんでいるのを店の前で見つけた寺岡さんは、この猫を保護して「シンバ」と名づけました。
翌日になると、窓の外から別の猫がしきりに中をのぞいています。その猫は毎日やってきました。子猫の母に違いありません。そこで寺岡さんは、残飯を母猫に与えました。食堂にはたくさんの食材が余っていたからです。

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6月末から7月にかけては、毎晩雨が降っていました。ある雨の日、母猫は3匹の子猫を一緒に連れてやってきました。寺岡さんはこのときに食堂のコンセプトを変更しようと思い立ったのです。
「経済的に苦しいなかでも、猫家族を助けようと決心しました。そのときは自分たちが猫を助けていると思っていたのですが、実は猫たちに助けられていたのです」と寺岡さん。
現在14匹の猫が食堂にたむろしています。いずれも野良だったのを保護された猫たちです。お客さんが注文をすると猫たちが寄っていき、人々が食べ終えるまでそばにいるようになりました。
来店数が急増したお礼に‥

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猫に感謝の気持ちをこめて、寺岡さんは2021年に猫の保護センター兼猫専用ホテルを店の2階にオープンしました。だれでもここに来て、最大2時間は猫とふれあいながらお茶を飲むことができるのです。気に入った猫がいれば引き取ることもできます。
殺処分される野良猫を救うため、寺岡さんは処分率の高い地域を調べ、9月に実際に360キロ離れたその地方を訪れて2匹の子猫を引き取ってきました。以来100匹ほどの猫を保護し、うち60匹には飼い主を見つけてあげることができました。
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