野良の母猫に見捨てられた子猫。前足は変形して不自由です。それでも5週間は自力で生き延び、衰弱した状態で鳴いているところを保護されました。やがて新しい飼い主が見つかり、幸せな生活をスタートさせたのです。
不幸な野良猫たち
奇形のある子猫を助ける人間はめずらしい、と考えるのが一般的でしょう。でもこの子猫の場合は違っていました。
米国にいる野良猫は、3500万から7500万匹くらいいるだろうと推計されています。実際の数値はだれにもわかりません。でも野良猫たちが不幸な暮らしをしていることは確実です。

出典:https://ronproject.com/kitten-deformed-paws-begs-woman/
インディアナ州エルクハートで野良猫が赤ちゃんたちを出産しました。この赤ちゃん猫たちも野良になる運命です。ところがうち1匹には奇形があり、足が内側に曲がったままだったのです。
母猫はこのかわいそうな子猫の育児を拒否してしまいました。赤ちゃんはほかに何匹もいて、野良の母猫にとってじゅうぶんな世話はもともとできません。しかも奇形があっては生き残れないでしょう。そのため生まれて数日後には、子猫はひとりで残されてしまったのです。

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ところが驚いたことに、この子猫は自力で5週間を生き延びました。障がいがあっても、餌をあさることはできたのでしょう。でもやがて体は衰弱し、運も尽きてきました。片目は感染症に侵されてしまい、もはや餌を探すことができません。ただ死を待つばかり‥と思われた子猫に、奇跡が起こりました。
住人に助けられて‥
空腹に耐えかねて、子猫は住宅の裏庭にやってきました。家の中から食べ物の良い臭いがするのです。子猫は力の限り鳴き始めました。

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やがて声を聞きつけた住人の女性が庭に出てみると、必死でこちらを見上げているちっぽけな子猫に気づき、胸が締め付けられる思いがしました。さっそく室内に運び餌を与えたところ、子猫はガツガツと平らげていました。きっとこの1週間で食べた量よりも多い餌だったことでしょう。
お腹がいっぱいになった子猫を観察してみると、衰弱していて奇形もあります。女性はさっそく動物保護団体「ヒア・キティ・キティ・レスキュー」に連絡をとりました。

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同団体は子猫を引き取り「スクーター」と命名しました。獣医チームは子猫の目に感染症があり、呼吸器の炎症も見られると診断しました。幸いにも抗生物質の投与で症状は改善していきました。
その後2週間ほどで子猫はどんどん回復して元気になってきました。同時に遊び好きな性格もわかってきたのです。
その後スクーターは里親家庭へと移り、同居する子猫たちと一緒に生活を始めました。足が変形していても、スクーターがほかの子猫たちと遊ぶのにはまったく支障がありませんでした。
ボランティアは、活発なスクーターのようすを見て、飼い主探しを始めることには問題がないと判断しました。

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そして数週間後には新しい飼い主夫妻が見つかりました。この家にはほかにも2匹の猫がいます。夫妻はスクーターの身の上話に心を動かされ、3匹目の猫として自宅に受け入れることにしたのです。
これ以来、スクーターは新居で快適に暮らしています。奇形があってもスクーターは家族のボスにおさまってしまい、ほかの同居猫たちの餌を横取りするくらい強い存在なのだそうです。
でもご安心ください。ちょっと「ボス的」なスクーターではありますが、同居猫たちへ愛を注ぎ、毎日仲良く抱き合って過ごすのですから。
スクーターの生活は180度変わりました。母猫に拒絶された苦しい日々から、愛情をいっぱい受けながら幸せに過ごす毎日へと。
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