今回ご紹介するお話は実体験です。2019年の秋に関東を直撃した台風の最中、突然お家の隣の田んぼに現れたという柴犬。しばらくごはんやお水を与えてお世話をしていたそうですが、2度目の台風により行方不明になってしまいました…。
突然、家の隣の田んぼに現れた柴犬

出典:https://wanchan.jp/column/detail/26330
「こば ちい」さん。2019年10月、突如ご自宅の隣の田んぼに柴犬とみられる犬が現れたと言います。この時、こばちいさんはすでにコーギーと柴犬を飼っていたため、自分の家から柴犬が脱走してしまったのではないかと慌てて確認したと言います。それほど突然の出来事だったのです。
とりあえずお世話しながら保護を試みることに

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いったいどこからやってきたのかわからない柴犬とみられる犬。状況が詳しくわからないこともあり、とりあえず保護することはできるのか近づいてみると、触ることはできないものの、暴れて逃げ出すといった様子も見られません。
しかし、怖がらせるわけにはいかないので、とりあえずお水とドッグフードを入れた容器を置き、柴犬(と見られる犬)の様子を観察することに。すると、きちんとドッグフードを完食し、お水も飲んでくれたと言います。栄養補給ができたことを確認したため、一安心したこばちいさん。
ですが、近づくとすぐに逃げてしまうため、自分たちだけで保護することは難しいと判断したと言います。そこで、市役所に連絡し担当課の方に来てもらうことに。
しかし、やはり担当課の方が来てくれても、人に対して怯えた様子を見せる柴犬。なかなか捕まえることができず、何日も経過してしまったそうです。
数日後には2度目の台風がやってくる予報だったため、保護したい気持ちは日に日に強くなっていたこばちいさんと担当課の方。しかし、残念ながら台風がやってくる前に保護することは叶わなかったと言います。
台風が過ぎ去ると姿はなくなり行方不明に

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そして台風が過ぎ去った日、すぐに柴犬がいた場所へと向かったこばちいさん。しかし、そこには柴犬の姿はなく、台風の痕跡が残っていただけだったそうです。
台風により、雨風が強くなっていましたし、近くの河川も増水していたそうで、もしかして川に落ちてしまったのでは…と再悪の展開もよぎりました。また、近くを多くの車が行き交う道路が通っていたこともあり、交通事故に遭ってしまった可能性も否めません。
あれだけ毎日のように出没していた柴犬が、台風を機にパッタリと姿を見せなくなってしまったため、こばちいさんは「ダメだったかも」と少し諦めモードに入っていたそうです。
2ヶ月後に再開!そしてこばちいさん家の一員に♪

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しかし、それから2ヶ月後の12月。こばちいさんが自宅から4kmほど離れたところを走っていた際、なんと2ヶ月前にお世話していた犬ととてもよく似た犬が、首輪なしで徘徊しているところに遭遇したのです!
すぐに市役所に連絡し、市役所の方と保健所の方が協力して保護してくださったようですが、こばちいさんが「引き取りたいです」と申し出たところ、正式な飼い主ではないため、引き渡すことができないと言われてしまったそうです。
しかし、こばちいさんがしばらくの間、お世話をしていたこと、そしていくつかの質問に答えた上で、市役所と保健所がある条件の下、『仮飼い主』として認めてくれることになったと言います。その条件がこちらです。
・引き渡し前の面会不可
・イメージしていた犬と違っても断ることはできない
・引き受けるときに吠えたり、噛んだりということがあっても責任をもって引き取る
このような2ヶ月の過程を経て、柴犬は無事にこばちいさんの家族の一員になったと言います。
こばちいさんの家族の一員になった『力丸(りきまる)』

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柴犬は強く生きて欲しいという思いを込めて『力丸(りきまる)』と名付けられました。りきちゃん、という愛称で呼ばれているそうですよ!可愛らしいですね。
最初は先住犬とも人とも険悪だったりきちゃん

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こばちい家に引き取られた当初、りきちゃんはひどく怯えた様子で飼い主のこばちいさんはもちろん、すでに家で暮らしていた先住犬の柴犬にも歯をむき出すなど、警戒心丸出しだったそうです。
しかし、コーギーには吠えたり唸ったりすることはなかったそうで、3カ月が経った頃から、柴犬や家の環境にも少しずつ慣れてきたと言います。
お散歩に連れて行くと、出会う犬によっては少々警戒する様子を見せるりきちゃんですが、以前よりも仲の良いお友達も増えてきたそうです。
また、家の中ではボールやおもちゃで遊ぶことが好きなりきちゃん。なんとお気に入りのおもちゃは一箇所に集めてひとりじめするような様子も見せているのだとか!お茶目な一面も見せてくれるようになりました♪
最後に

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残念ながら、当初から仲の良かったコーギーは、りきちゃんがやってきた1カ月後に亡くなってしまったと言います。しかし、こばちいさんは「もしかしてコーギーがりきちゃんを引き寄せてくれたのかも」と感じているそうです。
りきちゃんに何があったのかはわかりません。しかし、保護犬の多くは心に傷を負っていることが多いため、心を開いてもらうことやお世話することなど、簡単ではありません。その覚悟を持ち、柴犬をお世話し引き取ったこばちいさんの愛情を受け、りきちゃんは少しずつ人との生活に慣れていっているのでしょう。
こばちいさんも犬を飼うことは簡単ではないけれど、その分、幸せな時間も多いと仰っています。ぜひ犬をこれから迎えようと考えている方には、保護犬を迎えるという選択肢も持ってほしいと語ってくださいました。