「すみかを奪われ…」ウクライナ侵攻から逃れるため防空壕に避難した猫たち

悲しい

ロシア軍の侵攻で避難を余儀なくされたウクライナの人々。ペットを連れて防空壕(シェルター)に逃れる人々もいます。この国には日常の幸せを奪われたペットが無数いるのです。

猫のクーシャは家族が大好き

出典:https://www.boredpanda.com/cat-lives-kyiv-bomb-shelter-what-its-like-kusia/

「こんニャちは。わたしはクーシャ。この名は『噛みつきっ子』っていう意味なんだ。キエフに住む1歳半のメス猫です」

「小さいときは野良猫だったの。忘れもしない2020年8月8日の夜、命がなくなるかと思ったほど怖い目にあったんだ。車の下に潜んでいたら、3倍ほど大きな体の黒猫が襲い掛かってきたの。怖くてたまらなかったけど、助けを求めて声を限りに叫んだのです。そしたら2人の通行人が見つけてくれて、黒猫から引き離して『大丈夫だよ』と、なぐさめてくれたの。そのときからこの人たちの家族になりました」

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「家に到着すると、人間のママとパパがわたしをじっくり観察しました。足には白いソックスをはいているような模様があるんだけど、後ろ足1本だけは真っ黒で、まるでソックスが脱げてしまったように見えるの。2人はわたしをとても気に入ってくれて、この名前をつけてくれたのよ」

「わたしはボールを追いかけるのが大好き。ママとパパは『猫はそんなことはしないものだ』というけど、大好きなものはしょうがないでしょ。2人が寝ているときにボールを口にくわえて運び、鼻めがけて投げつけるんだ。だってそうすれば起きて一緒に遊んでくれるでしょ。でもどうしても起きないときは、パパのひげをジャリジャリと舐めて起こすの。すぐに気づいてやさしくなでてくれて、一緒に遊んで、それから朝食をくれるんだ」

突然サイレン音が

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「でも7日ほど前、何もかもが変わってしまった。すごく大きなサイレン音がして家族はみんな跳び起きた。空はまだ暗いまま。パパとママはあわてて身の回りのものをかき集めているので、ゴロゴロいいながらママのあとをついておやつをくれるのを待っていたんだけど無視された。こんなにパニックになったママの顔は初めて見たな。パパもすごく厳しい顔つきだった。それでわたしもすごく怖くなったの。黒猫に襲われそうになった、あのときみたいに」

「だからベッドの下に隠れてじっとしていたの。でも無理やりケージに入れられ『防空壕へ逃げなくては』といわれたの。何のことかわからなかったけど、それ以来このシェルターで暮らしているんだ」

自宅に帰りたいけれど

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「最初は落ち着かなくて、何とか家に戻りたいと思った。シェルターの割れ目や穴をのぞいて、外への通路はないかと探していると、ママがわたしを抱きしめて泣くの。人間の涙はしょっぱくていやな味だね。だからママを慰めようと、大きな音でゴロゴロ甘えたの。そしたらママは泣き笑いしていたわ」

「クーシャのお気に入りのボールはここにはありません。でも見つけたストローで遊んでいます。この姿を見ると、パニックになる自分を抑えられます。とにかくここでは落ち着いて考えることも難しいのです」というのはクーシャの人間ママさんです。

シェルターにはほかの猫や犬も

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「ここでは退屈はしないよ。3匹の猫(ステファン、クズヤ、ミューチャ)と犬のゲルダもいるからね。猫たちはみんな野良だったのを保護されたんだって。わたしと同じだね。出会ったときクズヤはガンをつけてきたので、こっちもお返しに脅してやった。でも今では仲良しで、みんなで遊ぶようになったよ。一緒に遊んでいれば外の爆弾やサイレンの音は気にならないからね」

「ママは前ほど泣かなくなったけど、何とかインシュリンという薬が手に入らないかと一生懸命だよ。パパはいつも電話をしていて、すごく厳しい表情だ。パパの髪の毛は真っ白になってしまった」

「あーあ、居心地のいい自分の寝床で眠りたいな。床の上では熟睡できないよ。早く家に戻って、凶悪な黒猫に襲われたりしない安全な生活をしたいなあ」

地獄のような毎日

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クーシャの飼い主は、こんなメッセージを寄せています。

「わたしの名前はアナ。ウクライナのジャーナリストですが、キエフで地獄のような毎日を送っています。防空シェルターに家族や飼い猫とともに避難しています。世界中、とくにロシアの人々は何が起こっているのか理解していないのではないでしょうか。少しでも状況をわかってもらえるよう、今回の投稿をしました。この内容がみなさんの心にふれて、わたしたちの国に平和がやってくることを、心から願っています」

そしてこちらは、3月3日現在のキエフのようすです。

「今夜は居ても立っても居られず、眠れません。というのも祖母の住む都市イジュームが攻撃されているからです。ここには軍事基地などありません。祖母との電話はつながりません。愛する人を失うショックで、まともにものを考えることもできなくなります。まるで津波のように感情が押し寄せてくるのです。でも幸いにも、やっと連絡がとれて、祖母も愛犬とともにシェルターに避難していることがわかりました」

ペットが心の支えに

「夜の間キエフ一帯に何度が大きな爆撃があって、そのたびにペットたちは怯えてあちこち隠れようとします。クーシャはふだんわたしと一緒に寝るのですが、爆撃があると一生懸命わたしを落ち着かせようとしてくれます。わたしがパニックになっているのがわかるのです。クーシャは天使のようにやさしくて、わたしの大事な精神安定剤です」

「今のところ食糧は足りていますが、みんな悲惨な状況を目にしてきています。とにかく炭水化物と水は不可欠です。でも薬は不足していて、何とか配給が行き届くよう望んでいる状況です」

「多くの人々がペットの力を過小評価しているのではないでしょうか。こうして一緒にいると、ペットが与えてくれるものがとても大きいとわかります。とにかくこの地獄を生き抜いて、早く希望が持てる状況になってほしいですね」

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クーシャだけが戦争で苦しむウクライナの猫ではありません。もっとたくさんの例があります

(ノーランさんの投稿)「猫と一緒にシェルターにいます。この猫はとても勇敢なのです」

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(エリンさんの投稿)「ペットと避難している状況を投稿できる場を設けました。どれも心にふれる内容です。猫カフェの経営者は『20匹の猫がいるので、餌を与えるためにこの場から避難することはできない。これがわたしの生活のすべてなのだから』といっています」

この状況を多くの人々に知ってほしい

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この戦争は、猫だけでなくすべての動物たちに深刻な影響を与えています。一人でも多くの方々に、この状況を知っていただきたいものです。

人々はこんな感想を寄せています

・人々やペットのことを思うと心が痛みます。ウクライナを応援しています

・何か支援ができるといいのに。自分が無力になった気がします。同情して頑張ってほしいと望むことしかできない。どうか生き延びてほしい。ウクライナ頑張れ

・ウクライナからポーランドに避難する方々へ。ペットならどんな動物でも大歓迎です。書類や獣医の診察などはいりません。だから避難するときにペットも一緒に連れてきてください

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