オーストラリアの保護団体『RSPCA』の元に、怯えが酷くて捕獲することが難しい小型犬がいるとの連絡が入りました。そこにいたのは、人を見ると極度に怯え、硬直しながら唸る犬。再び人を信頼してくれるようになるのでしょうか。
人を避け枯木の空洞でひっそりと暮らしていた犬
これは、『ミスターフォックス』のお話です。
オーストラリア・クィーンズランド州の建設現場でミスターフォックスは発見されました。
2020年8月、原野を切り開く開墾の準備のために作業していた作業員たちが枯木に隠れる小型犬を見つけました。これがミスターフォックスです。
どうやらミスターフォックスは枯木にできた空洞で暮らしていた様子。
作業員たちは捕獲を試みますが、人をかなり警戒していて簡単に捕まえることができません。
作業員たちはミスターフォックスに食べ物や水を与えていましたが、このままではミスターフォックスのためにもならず、RSPCAに保護の依頼をします。
直接捕まえることは難しいですが、枯木の空洞に閉じ込めることで逃げ出すことは防げると判断し、RSPCAが到着するまで閉じ込めた状態で待ちました。
RSPCAが到着すると、ミスターフォックスの怯え方は尋常ではなく、鎮静剤を使用しなければいけませんでした。
鎮静剤で意識がもうろうとしているうちに運び出します。
そのまま病院に運ばれたミスターフォックスは、獣医師の診察を受けます。
ミスターフォックスはどうやら数ヶ月の間屋外で暮らしていたようで、健康状態は悪く、被毛もゴワゴワに固まっていました。
怯えて唸るミスターフォックスですが、体を綺麗にしてあげなければいけません。
バリカンで全身の毛をカットすると、愛らしい顔がよく見えるようになりました。
数ヶ月孤独な中暮らしていたとはいえ、ミスターフォックスがこれほどまで人に対して怯えているということは、何か過去にあったのかもしれません。
健康状態を改善する治療と共に、行動治療も必要な状態でした。
RSPCAの行動治療責任者カースティさんによれば、ミスターフォックスは施設にきた当初、とても怯えて震え、硬直して唸っていたと言います。
触れることもままならなかったミスターフォックスに対して、たくさん話しかけたりおやつを与え、自分から寄ってきてくれるようになるまでじっと待ったそう。
ミスターフォックスはそんなカーティスさんを徐々に信頼し、寄ってきてくれるようになりました。
1度心を開いてくれれば、仲良くなるのは難しいことではありません。
ミスターフォックスはかまってほしそうな姿を見せたり、人に寄りかかることができるようにまでなったのです。
そして、里親さん募集にも参加できるようになりました。
そこからはとんとん拍子にミスターフォックスの未来が開けていきます。永遠の家族も見つかりました。
あのまま発見されていなかったら?優しい作業員たちでなかったら?行動治療をしてもらえなかったら?
たくさんの人に支えられ、幸せを掴むことができたミスターフォックス。このまま幸せに暮らしてほしいですね。
ミスターフォックスの変化を実際に動画でご覧ください。動画を見ることは保護活動の支援にもつながります。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:RSPCA Queensland
RSPCA Queensland
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