玄関先に現れた子猫は好奇心旺盛。さかんに家の中を覗き込んでいました。保護されて里親の元で生活するうちに、里親家族や飼い猫と特別な絆を結ぶようになり、そのまま幸せな家族になったのです。
野良の子猫を発見

出典:https://www.lovemeow.com/kitten-porch-door-adopted-cat-2657015820.html
カナダのモントリオールで活動している猫の保護団体「シャトン・オルフェン・モントリオール」。そのメンバーであるセリーン・クロムさんは、自宅付近を野良猫がうろついているのに気づきました。餌を探したり寝る場所を求めたりして、あたりを歩いているのです。
そこで彼女は玄関先に猫のための餌を置き始めました。今後気温はぐんぐん下がってくるので、猫を安全な場所へ保護しようと「人道的な罠」をしかけたのです。
ある日物音に気付いて覗いてみると、3匹の子猫が罠の近くに置いた餌を食べています。
家の中に興味津々の子猫
3匹のうち、灰色の猫はドアごしにセリーンさんの飼い猫を見つめていました。そして興味深げに近づいてきます。その日はずっとドアのあたりにたたずんで、前足を窓にかけて中を覗こうとしていました。ほかの子猫たちはすぐに逃げてしまいましたが、この子猫だけはその場に残って家の中を見つめているのです。

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家の中にいる飼い猫と目を合わせたあと、子猫は急にお腹が空いたようです。
「驚かせないように、わたしはじっとその場にいて子猫が罠にかかるのを待ちました。子猫は餌の近くでクンクン臭いをかいでいました」とセリーンさん。
やがて餌に食いついた子猫は、罠にはまりました。そのまま保護されて家の中に入れてもらい、温かく安全な場所で一夜を過ごしたのです。
里親家庭へ移動

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子猫はその後、獣医の診察を受け、避妊手術をへて里親家庭へと移されました。この間も、セリーンさんは近所にいる野良猫たちを保護する活動を続けました。
「この猫の名は『ガロア』にしました。生後6ヵ月で、これまで人間と接した経験がないようです。だから最初は臆病でしたが、実はその内面は愛に飢えていたのです」とセリーンさんはいいます。
里親ボランティアのジェラルディンさんがガロアを受け入れてくれました。のんびりできる心地よい部屋を用意し、長い時間子猫と一緒にいて「ここなら安心だよ」と励まし続けてくれたのです。
甘えん坊の猫になる

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新しい環境に慣れてきたガロアは、甘えん坊の愛情深い猫になりました。
「抱っこされたり寄り添ったりして人に甘えるようになり、ジェラルディンさんの飼い猫とも仲良くなったし、保護しているほかの子猫たちとも友達になりました。人間を信頼するようになり、猫の礼儀作法も覚えました。飼い猫のタキシードとは大親友ですよ」

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数ヵ月がたち、ガロアは遊び好きな愛らしい猫へと成長しました。人のそばにいるのも大好きです。
ガロアは里親家族がトイレに行くときもついてくるし、頭をこすりつけて甘えてきます。そして何といっても、飼い猫のタキシードのことが大好きです。
「タキシードのあとを、家じゅうどこまでもついていきます。一緒に居眠りをするし、いつもタキシードのことを尊敬しているようです」とセリーンさん。
そのまま家族になった!

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いまやガロアは、影のようにジェラルディンさんに寄り添い、タキシードの大親友にもなりました。人間が寝るときは必ず一緒にいて、抱っこされたがります。
里親家庭に来て1年が過ぎました。飼い主探しをしているうちに、ジェラルディンさんは気づいたのです。この猫は、すっかりうちに慣れて幸せに暮らしていると。もう家族から引き離すことなどできません。
そこで家族は正式にガロアを引き取ることに決めました。
「タキシードと仲良くなって一緒に眠っているのを見た瞬間から、運命は決まっていたのですね」とジェラルディンさんはいいます。