人間嫌いの保護猫に【ある事件】が起きた結果…かけがえのない絆が生まれた!

保護猫施設のボタンさん 感動

今回ご紹介する保護猫のお話は、「ぼたん」さんが愛猫であるボタンさんをお迎えした時のお話です。元々野良猫として、その地域のおばあちゃんにご飯をもらっていたというボタンさんでしたが、迎えてみると人間が苦手な様子だったと言います。

保護猫施設で出会ったボタンさん

保護猫施設のボタンさん

「ぼたん」さんは、ある日、15年ほど一緒に暮らしてきた愛猫を看取ることになりました。15年という長い年月を共に暮らしてきた家族を亡くした悲しみは、はかり知れません。

愛猫を亡くして半年ほど経った頃、前の愛猫を亡くした悲しさや辛さはまだ残っていたものの、生まれた時から今までずっと猫と一緒に暮らしてきたぼたんさん。「やっぱり猫と一緒に暮らしたい」という思いが強まり、ついに娘さんと一緒に保護猫施設へ訪れることに決めたそうです。

すると、そこには少し人見知りをしている様子の猫さんが!名前は「ボタンさん」です。どうやら野良猫だったところを保護された猫さんのようで、野良猫時代には、その地域に住んでいたおばあちゃんにご飯をもらっていたとのことでした。

そんなボタンさんを見て、ぼたんさんの娘さんは一目惚れをしてしまったようです。「この子、かわいい!!」とメロメロになった娘を見て、ボタンさんをぜひ我が家にと依頼を出したと言います。

1ヶ月のトレーニング期間が開始

ケージに入るボタンさん

保護猫の譲渡には、まず試験期間が設けられます。ここでは、1ヶ月のトレーニング期間を経て、問題がないようであれば正式な譲渡という条件でした。

ボタンさんように使うケージも施設側が提供してくださったため、早速ボタンさんとのトレーニング期間が始まったぼたんさんとそのご家族。

施設でも「人見知り?」と思う様子が見られていたボタンさんは、やはり人間に対しての苦手意識が強いようでした。ケージの扉を開けていても出てくることはなく、トイレもケージ内にあるため、常にケージ内で過ごすような生活が続いていたと言います。

しかし、施設の方からは「無理なことはしないように」と伝えられていたため、無理にケージから出すことはもちろん、なるべく声をかけたりすることも控えてそっと静かに生活させてあげることを優先したとぼたんさんは仰っています。

少し声を掛けると、まるで怯えたような表情を見せたというボタンさん。この反応を見て、ぼたんさんは「もしかすると、野良猫時代に何か人間にされた嫌な思い出があるのかも」と思ったそうです。

ケージから出ることに成功

そっと見守る日々が続いていたボタンさんのトレーニング期間でしたが、1ヶ月のトレーニング期間が終わる頃には、無事にケージから出られるようにはなったそうで、晴れて正式譲渡となりました!この日から、正式にぼたんさんのお家の子になったのです。

徐々に人馴れしていた最中に起こった大事件!

ご主人の横に座るボタンさん

最初は隠れ場所を探しては隠れていたボタンさんでしたが、家族と一緒に暮らすうちに少しずつボタンさんのペースで人馴れしていきました。

まだ隠れ場所で隠れていることはあるものの、近づいてそっと触ってみると触らせてくれる…という様子だったそうです。

また、ぼたんさんによると、女の子だったせいか旦那様に懐いていたようで、旦那様の横で寝てみたり、気持ち良さそうに撫でてもらったり…といった様子が見られるようにもなったそうです。

そんな人馴れしていくボタンさんの様子が見られるようになったため、家族一同、少し安心していた最中の出来事でした。恐ろしい事件が起こってしまったのです。

開いた玄関に姿が見えなくなったボタンさん

譲渡されてから約1年、少しずつ人馴れしていたボタンさんでしたが、ある日、ぼたんさんが深夜にコンビニで働いて帰宅すると、ボタンさんがいつもの定位置にいないことに気付いたと言います。

「どこに行ったのだろう」と起きていた旦那様に聞くと、「夜玄関が開きっぱなしになっていたから、出て行ったかも」と驚きの回答が!!思わず「えええええ!!」と叫んでしまったと言うぼたんさん、この反応はごく自然だと思います。

まだようやく撫でさせてくれた段階で、抱っこはさせてくれないボタンさん。呼んでも近寄ってくることはなく、こちらから近づくと逃げることもあった状況で、家から出て行ってしまったとなれば、「もしかしたら戻ってこないかも」と不安になってしまうのは当然です。

もしかしたら会えないかもと思っていると、自然と涙が溢れ出したぼたんさんは、その時に保護猫としてやってきたボタンさんが、自分にとってかけがえのない存在になっていたことに改めて気付いたと言います。

途方に暮れていましたが、どうやらボタンさんは家の近所にいることがわかったので、無理にこちらからは近付かず、玄関を開けたままじっと待ってみることにしました。かなりの耐久戦です。

撫でられるボタンさん

すると、次の日の夜、ようやくボタンさんが自ら姿を現し、家の中へ自分で入ってきてくれたのです!!この時のぼたんさんの安堵感と喜びは、ぼたんさんにしかわからないかもしれませんね。

ボタンさん当猫も1年家猫として暮らしていたため、家族に会えない状況で寂しさを感じていたのでしょう。帰ってきたボタンさんを撫でると、初めてゴロゴロと喉を鳴らしながら甘えてきてくれたそうです。

最後に

撫でてもらうボタンさん

ボタンさんは、元々人馴れしていない猫さんでした。しかし、ぼたんさん一家と暮らすことで、少しずつ人馴れし、大事件をきっかけに自分の居場所を本当の意味で認識できたのかもしれませんね!

ぼたんさんによると、譲渡は条件も厳しく、正式譲渡となった後も、すぐに懐くわけではないので大変なことも多いと言います。しかし、その分、懐いてくれた時の嬉しさや喜びは大きいとも仰っています。

「声も出さなかった子が初めて鳴いた、ナデナデさせてくれた、我が家はまだですが抱っこさせてくれたなどなど、子育てをしているような嬉しい瞬間をたくさん味わえます。」

ぼたんさんのお言葉のように、保護猫は懐くまでに時間がかかりますが、その分、初めて「できた」時の喜びがとにかく大きいという話は多くの保護猫の飼い主さんからお聞きします。

最期まで絶対に愛情を注ぎお世話をするという条件は、保護猫、その他の猫に限らず絶対条件です。次に猫を迎えようと考えている方は、ぜひ保護猫ちゃんも検討してみてはいかがでしょう。

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