愛犬を亡くしたばかりのTVキャスター。番組内で表現した愛情あふれる追悼メッセ―ジは、本人ばかりか視聴者の涙をも誘いました。ペットとの別れは、飼い主にとって辛く深い悲しみなのです。
愛犬への追悼メッセージをテレビ放送
ペットとの別れは辛いものです。楽しかった思い出が、別離の辛さをやわらげてくれるといいのですが。でも当初の大きな悲しみを、前向きな感謝の気持ちへと変えることは不可能ではないのです。
スポーツ専門チャンネルESPNのキャスターをしている男性が、最近愛犬を病気で亡くしました。彼は通常の番組を変更して、愛犬オーティスへの追悼メッセージを放送したのです。
スコット・ヴァン・ペルトさんはスポーツ・キャスターです。最近、愛犬のオーティスを亡くしました。

出典:https://www.boredpanda.com/sportscaster-tribute-to-family-dog/
「愛犬オーティスに、別れを告げなければなりませんでした。大変辛いことでした。わたしの人生で最大の友だったし、強い絆で結ばれた関係だったのです。本当に偉大な犬でした。みなさん、できるだけあなたのペットを愛してあげてください。一緒にいられる時間には、限りがあるのです」
今年5月はじめ、ESPNのスポーツ・キャスターであるスコットさんは、視聴者に自身の心の中を打ち明けました。彼は番組の中で「ワン・ビッグ・シング」というコーナーを担当しています。今回はそのコーナーで、4月末に亡くなった愛犬オーティスについて紹介したのです。スコットさんは「家族のパズルのピースを埋めてくれる重要な存在が、オーティスでした。欠かせない一員だったのです」といいます。
いつもそばにいたオーティス

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最初にスコットさんは「スポーツの紹介ではなく追悼を放送させていただきます。何が起きても、あらかじめお詫びいたします」と話しました。追悼メッセージの画面は、オーティスとの楽しい思い出写真の数々から始まります。
そして彼はこう続けました。
「数年前、父の命日に番組に向けて父との思い出を執筆したことがありましたが、今回はさらに辛い気持ちです。何を書いているときも、書斎のわたしの机のうしろで、革張りの椅子に座ったオーティスがそばにいてくれたのです。この椅子は、犬の体重でキャッチャーのミットみたいにへこんでしまっていました」
コロナ禍の最中、ズームで中継をするときも、うしろにいつもオーティスがいました。スコットさんのそばにいて、仕事ぶりを見守っていてくれたのです。ときに落ち着いてじっとしていたり、ときに毛づくろいをして動いたりしながら。視聴者もその姿を目撃していました。

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スコットさんが結婚してすぐ、オーティスが家族になりました。子供をもつ前に「自分たちがちゃんと命ある存在を世話することができる」と確認する意味もあったそうです。でもオーティスは健康に問題があり、手術と発病を繰り返してきました。
「数えきれないほど多くの手術を受けてきました。わたしたちは冗談に『弾丸かわしのオーティス』と呼んだほどです。何度も危ない目にあっては、立ち直ってきました。でもすべての弾丸をかわしてよけるわけにはいきませんでした。新しい腫瘍が見つかり、これが致命傷になったのです」
訪れた悲しい別れ

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こうして家族は愛犬に別れを告げることになりました。スコットさんは今までなかったほど泣き叫んだそうです。それは耐えきれないほど「純粋な愛情に対する深い悲しみ」だったのです。
オーティスは、飼い主に歯向かうことは一度もありませんでした。いつもスコットさんが仕事から帰宅するのを待ちかねており、大喜びで出迎えてくれました。
「その愛情と忠誠心は、ずっと変わることがありませんでした。犬の飼い主なら、わたしのいうことをお分かりいただけると思います」とスコットさん。

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スコットさんは仕事柄、多くの視聴者から寄せられたペットへの追悼文を読んできました。でもオーティスのことがあるまで、本当にその悲しみを理解することはなかったのです。
「心苦しいことなのですが、今までは理解できませんでした。今となっては、理解していなかったほうがいいと思うくらい悲しいです。愛犬がわたしたちの心の中に占める部分は、本当に大きいものでした」
「小さな日常」が懐かしい

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そしてオーティスがどんなに忍耐強く家族を守ってくれる存在だったのかが紹介されました。1女2男の子供たちは、オーティスのやさしい姿を見て育ってきたのです。子供たちがどんなイタズラをしても、歯をむいて起こることをしなかったオーティス。メッセージの中で、スコットさんはオーティスのうなり声をまねてみせました。子供たちのイタズラに抗議するかのように。
スコットさんはこらえきれずに涙を流しました。
「なぜオーティスがいないのかを子供たちに説明しようとしますが、なかなかできません。どうしたらこのことを子供たちに理解させられるのでしょうか。わたし自身がまだ混乱しているというのに」
いつか別れのときがくるとしても、だれかを精一杯愛したことは、人生の宝物なのだとスコットさんは信じています。子供たちにもそう説明するしかないでしょう。

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とくに悲しいのは、スコットさんのいつもの日常が突然消えてしまったということです。
「夜遅く仕事から帰宅すると、暗闇の中で、椅子に座ります。そうやってカチカチと爪を床にぶつけながら駆け寄ってくるオーティスを待ったものです」
「オーティスは階段を降りてきてしっぽをヘリコプターみたいに振り回します。そして何度もわたしの膝を頭突きして、『かわいがって。おやつもちょうだい』と催促するのです。だからわたしもたっぷりとかわいがってあげました」
こうした小さな思い出は、失ってから大きく心に響いてくるものです。
「今夜の番組の後は、帰宅してオーティスのいない暗闇で座るよりも、愛犬を思って遠回りのドライブをして帰ろうと思います。」
愛犬に心から感謝したい

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でも前向きに考えることもできるのです。
「この悲しみは、オーティスが大きな愛情を注いでくれたすばらしい愛犬だったからこそです。だから心から感謝したいです。今は涙が止まりませんが、オーティスが家族だったことをとても幸せに思うし、わたしたちが彼の家族になれたことにも感謝しています」
ペットを亡くした気持ちに共感できる人々は多いでしょう。
スコットさんは最後にこう締めくくりました。
「亡くなる前にオーティスの目と魂を見つめて、何度も約束しました。『君は永遠に心の中で生き続ける』と」
愛する存在を失うことは強い衝撃です。そのために感情が抑制できなくなったり、怒りや否定的な気持ちを抱いたり、強い悲しみのために健康状態にも影響が出てくることがあります。
悲しむのは当然のことです。でもそうした心の痛みを乗り越えることが肝要です。たとえ数か月や数年かかっても、辛抱強く自分らしくふるまうことで、自然に対処できるようになっていくのです。もちろん、心の相談やいくつかの方策をためしてみるのもよいでしょう。
スコットさん一家が、心穏やかに強い態度でこの悲しみを乗り越えられるよう、心から願っています。そして愛するペットを亡くしたすべての方々も。
共感の声多数
ペットの死は大きなショックです。でもこれまでの幸せな思い出は消えることがありません。楽しい時間を思い出すことで、悲しみも少しは癒されることでしょう。
ネット上ではこんな感想が寄せられています。
・13年来の大親友ペットを亡くしたばかりです。この悲しみを癒す言葉はありません。わたしをいつも愛して、理解してくれたのです
・もう何年も、亡くしたペットのことを悲しんでいます。スコットさんはこの気持ちを完璧に表現してくれました
・スコットさんの悲しみが伝わってきます。わたしも同じ体験をしました。本当に辛いですね。どうか安らかに
・彼の気持ちがよく理解できます。これまで35年間ペットたちのいる生活でしたが、130日前に最後のペットを失い、いまは明るい火が消えたような気持ちでいます
・こんなに飼い犬から愛されて、あなたは幸せな方でしたね
・すばらしい追悼メッセージです。スコットさんの報道は以前から気に入っていました。これからはさらにファンになります
・たしかに自分で経験しないと、ペットを失うことがどんなに辛いかはわからないものですね
・涙が出てきました。悲しいお気持ちはよくわかります
One Big Thing
Otis the Dog
Long Live The King
RIP pic.twitter.com/Cmz22QhBPE— Stanford Steve (@StanfordSteve82) April 29, 2022
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