2つの顔をもつ子猫が獣医の元へ運ばれました。この状態の猫は数日しか生存できないので安楽死させられる予定でしたが、看護士が自宅で世話をしたのです。その後15年間、猫は彼女の家で幸せな一生を送りました。
生まれた子猫には「2つの顔」
猫のフランクとルイは、米国マサチューセッツ州で1999年に生まれた猫です。1匹の体に2つの顔をもつこのめずらしい猫は、米国内で有名になりました。
生まれてすぐ、ブリーダーがタフツ大学カミングズ獣医学部へ持ち込みました。猫には「顔面重複奇形」(「ヤヌス」または「二顔体」とも呼ばれます)という先天性の奇形があったのです。
子猫は数日しか生きられないだろうと予想されました。この状態の動物はみなすぐに死んでしまうからです。でも看護士のマーサ・スティーブンスさん(愛称マーティー)がこの猫を自宅へ連れ帰り、3ヵ月の間ずっとチューブで給餌して世話を続けたのです。フランクとルイは徐々に自分で食べることを学び、やがて成長していきました。
社交的で「犬のような性格」

出典:https://www.landofcats.net/two-faced-kitty-passed-away-age-15/
この猫には脳が1つ、顔が2つ、鼻が2つ、そして3つの青い目があります。あごと連動して、きちんと機能する口は1つだけです。真ん中の目は見えない状態で、まばたきもできません。だから「片方の目を閉じた状態で、フランクとルイは片目だけでこちらを凝視する」のです。
2012年にギネスブックは、この猫を「ヤヌス猫としての世界最高長寿記録」をもつことを認定しました。この状態の猫は生後数日で亡くなってしまうことを考えると、信じられない長寿記録です。
マーティーさんによると猫は「落ち着いて人見知りもせず、社交的です。まるで犬のような性格ですね。リードをつないで散歩するし、車に乗るのも大好きです」ということです。
幸せだった15年間
でも2014年11月に、猫の健康状態は急速に衰えてきました。進行の早いガンに侵されたのです。やがて15歳で生涯を閉じました。
でもこういう奇形をもつ動物が長生きしたのはまれなことです。しかも幸せな猫人生でした。
(ビデオ解説)
「こんにちは。わたしはマーサです。こちらは愛猫のフランクとルイです。2つの顔を持つめずらしい状態で生まれました。しかもここまで長生きしているのは、すごくまれなことです。生まれてすぐ、安楽死させられるところを、わたしが家に連れ帰って餌を与えて世話しました。はじめは希望を持っていなかったのですが、ここまで生きてくれるとはまったく思いませんでしたね」
出典:https://www.landofcats.net/two-faced-kitty-passed-away-age-15/