女性がその犬に出会ったのは保健所です。不安と恐怖でブルブルと震える犬は、再び幸せに向かって歩き出しました。いらなくなったら捨てる。命を物のように扱う人がどうか減りますように…
悲しい目をして震えていた犬
これは、ミニチュアダックス『キラ』のお話です。
キラはボーイフレンド犬と一緒に保健所にやってきました。慣れない環境の上、周りには大きな犬たち。
キラは不安と恐怖と悲しみに満ち溢れていました。
保護施設で働いている女性ですが、ミニチュアダックスが保健所に持ち込まれることに驚き、職員に逃げ出したのでは?と聞いたそうです。しかし、職員からは「捨てられた」との一言。女性は震えるキラのそばになるべくいるようにしました。
里親が見つからない
女性が住んでいるのは殺処分ゼロをスローガンに、譲渡に力を入れている県でした。殺処分をされないだけマシかもしれませんが、なかなかキラの里親に申し出てくれる人が現れません。
そして犬舎はいっぱいになり、どの犬かをほかの愛護センターに送らなければいけなくなりました。
その同時期に、ずっと一緒にいたボーイフレンド犬に里親が決まります。
もし、キラが愛護センターに送られるとしたら、一人。
ずっとキラの様子を見守り、一番なついてもらっていた女性はいてもたってもいられなくなり、キラを家族として迎えることにしたのです。
それまで、女性の家には猫が3匹と犬が1匹。ほかの犬猫と仲良くできるかが心配で、気にはなっていたものの引き取るという言葉が言えずにいたと言います。
恐らく繁殖犬だったキラ
女性はキラを正式な家族として迎えてすぐに、動物病院を受診します。
健康状態は問題はありませんでしたが、子宮の状態が悪いとのこと。恐らく繫殖犬として飼われていたキラは、子供が産めなくなって捨てられたのだろうという獣医師の見立てでした。
子宮の病気の予防も兼ねて、避妊手術が行われます。
笑顔で甘えるキラ
この写真は、初めて女性の家にきたときのキラです。そして現在の様子は…
甘え上手でおねだり上手の犬に大変身!
笑顔をたくさん見せてくれるようになり、監視していないと同居猫のご飯を食べてしまうまでになったのだとか!
保護したのではなく逆に拾われた
キラを迎えて、女性は激変しました。
それまで、仕事や人間関係に疲れ、しんどそうにしていた女性を見ていた女性の母親が一言、「変わったね」と言ったそうです。
女性が意味が分からず理由を聞くと、「今がとても幸せそう。まるでキラちゃんに拾われたみたいだね」と。
その言葉を聞いた女性は、ハッとしたと言います。まさにその通りだと…。
保健所には、キラのような犬がたくさんいます。不安や恐怖にブルブル震え、悲しい目をした犬たち。愛情と幸せを感じることなく命を終えていく犬たち。
もし、これから犬をお迎えする人は、ペットショップだけでなく、保健所や愛護センターの犬たちも選択肢にいれて頂けたら幸いです。