「保護されたペットに幸せを」飼い主の元へ”無償で空輸”するパイロット

感動

引退したパイロットのデイビッドさんはその技能を生かし、広い米国内で保護された犬猫などのペットを、別の保護施設や新しい飼い主の元へ空輸するボランティア活動を続けています。

引退しても操縦中

出典:https://www.boredpanda.com/retired-pilot-flies-rescue-dogs-to-families/

米国ウィスコンシン州ミドルトンに住むデイビッド・タンさんは、これまで40年間、軍パイロットや民間航空機の機長として飛行機の操縦を続けてきました。

引退した彼は、2人乗りのイタリア製飛行機「アエルマッキSF260」を操縦しています。隣には保護された犬が乗っていますよ!

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2012年以来、彼は360匹以上の犬を空輸してきました。写真には母犬と8匹の子犬たちを安全な場所へ輸送する光景が映っていますね。それだけではありません。23匹の猫、3頭のしもやけを負ったヤギ、太鼓腹の豚、オハイオ州の保護区へコウモリを届けたこともあるのです。コウモリはブルースという名だったそうです。バットマンの名前「ブルース・ウェイン」からきています。

(写真説明)彼が操縦するのは「アエルマッキSF260」。若いころ初めて操縦したのと同じタイプの飛行機です

高校生のときに操縦訓練

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「高校生のとき、両親が操縦訓練の費用を出してくれました。そして18歳のときに民間航空機パイロットの免許を取ったのです。ほかにはとくに得意なことはありませんでしたが、この経験は幸いでした。以来操縦するのを楽しんできたのですから」というデイビッドさん。

「これまで事故を起こしたり、他人をケガさせたりしたことはありません」という彼にとって、よいパイロットの条件は常に最良の判断を行うことだそうです。

「天候の判断とか、航空機の状態の確認とか、許容量の範囲で荷物を積むことなどが大切です。不注意や無茶な行為が事故につながります」とデイビッドさんはいいます。

彼が操縦しているのは、15歳のときに訓練に使ったものと同じタイプの飛行機です。このときはシンガポール軍の救護ヘリのパイロットを勤めていました。

動物たちを救うために

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専門雑誌で非営利団体「パイロットNポーズ」のことを知ったデイビッドさん。この団体では、ボランティアのパイロットと航空機のオーナーが協力しながら、罪のない動物たちを各地へ輸送して救う活動をしています。

デイビッドさんの活動は主に南部の州が中心です。

「とくに南部州では、ペットに惨酷な対応をする人々がいます。いらなくなった家具みたいに、ペットを放置したり捨てたりするのです」と彼。

4月には「家の中で糞をした」という理由で獣医へ連れていかれて安楽死されそうになった犬がいました。獣医の連絡でデイビッドさんが引き取り、アイオワ州の保護団体へと輸送したのです。

高齢犬バディを輸送

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「活動に従事している人々は、本当にすばらしい働きをしています。わたしが行ったデーン郡空港には、数時間のうちに10匹ほどのペットたちが次々に到着します。みんな心の広い人々ですよ」

彼の活動の大半は、空港から別の空港まで動物を輸送することですが、ときには新しい飼い主の元へ届けることもあります。

「そんなときは、どうかこれから幸せになってほしいと心から願いますね」

バディはラッキーな犬です。保護施設で142日間も新しい飼い主が現れるのを待ち続けていました。

「高齢だし、顔は灰色っぽくて、ふるまいや健康上の問題もあります。施設でほかの動物たちと暮らすのは、この犬にとってストレスだったのです」とデイビッドさん

高齢の犬を飼いたいと考え、カリフォルニアから訪れてバディを見たケリーさんという女性が、この犬のことをとても気に入りました。そして飼うことを決心したのです。

「ケリーさんはバディにふさわしい幸せな暮らしを与えてくれます。よかったね、バディ。大好きだよ」と施設の人々は投稿しています。

健康が続く限り、飛び続ける

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「活動資金はいつも不足しています。とくに医療費は大変です。保護団体はとてもがんばっていますよ」と彼はいいます。

パイロットとしての技能を維持するには、絶え間ない訓練が必要です。

「操縦は危険が伴います。だから常に練習しなければいけないのです。動物たちを運ぶことは、自分のためにもなっています」

動物たちと空で過ごす時間は短いものですが、「運んだ中でも、セッター犬のジェヌヴィエーブとジャーマン・シェパードのフランキーはとくに気に入って、よく覚えています。どちらも良い家庭が見つかりましたよ」と彼。

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「健康が続く限り、飛び続けます」というデイビッドさん。

「動物たちへの虐待はあちこちで続いています。わたしにはその状況を変えることはできませんが、一部の幸運な動物を助け出すことはできるのです」

ネット上では「世界がみじめで悲惨なニュースを報じる中、こんな良い活動をしてくれる人がいることを知るのはうれしい」「こういう話題をもっと紹介してほしい」「この人は天使のようだね」「すばらしい人です」などの声が寄せられています。

デイビッドさん、これからもすばらしい活動を続けてくださいね。操縦するときは、空もくっきりと晴れてくれますように。

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