駐車した車の温度変化を調べるため、みずから実験台になった男性。その結果は50度を超える高温に。車内に置き去りにされた犬は生き残れません。保護団体では、犬を発見したら窓を破って救うよう呼び掛けています。
炎天下の車内は…?
ペットは家族の一員。いつも気にかけ大事にするのは当たり前のことです。
犬を飼っている人なら、愛犬が常に飼い主に愛情を注ぎ、生活に喜びをもたらしてくれることを理解しているはず。と同時に、飼い主には責任も伴います。とくに暑い夏の時期は、犬の熱中症に気を付けてあげる必要があります。

出典:https://www.boredpanda.com/rspca-dog-hot-day-tikok/
イギリスとウェールズで活動する英国動物虐待防止協会(RSPCA)は、最近「ティクトク」に「犬を車内に閉じ込めるのは危険」と訴えるビデオを投稿しました。
「もし駐車中の車の中でぐったりしている犬がいたら、すぐに緊急通報してください」…最近RSCPAが「ティクトク」に投稿したビデオでは、車に放置された犬がどういう環境に置かれるのかを説明しています。このビデオには7万5千人が「いいね」をつけ、自分の体を実験台にして状況を訴えた職員をたたえるコメントも寄せられています。
「暑い日に車に閉じ込めておくのがどんなに危険かを知ってください」という職員は、車に乗り込みます。最初、車内は23℃を少し超えた程度でした。彼は数分後にまた車内から投稿します。
最初は23℃だった車内が…

出典:https://www.boredpanda.com/rspca-dog-hot-day-tikok/
「暑い日に車に閉じ込めておくのがどんなに危険かをお見せします。いま車内は23℃を少し超えた程度です。さて数分後にどうなるでしょうか」
「5分経過しました。3分間の映像が映るカメラを回そうとしましたが、すぐに止まってしまいます」
「カメラがうまく作動するように、少し設置場所を動かしてみました。もう温度は35℃を超えています。5分前は23.3℃だったというのに」
5分経過後、ビデオカメラが高温のためにうまく作動しなくなってしまいました。そこでなんとか置き場所を移動させてカメラが作動するようにしました。そのときの室温は35℃だったのです。
さらに実験開始から10分経過し、彼は「心臓がドキドキして息も苦しくなってきた」と話します。
「10分経過。暑くてたまりません。心臓がドキドキしているのがわかります。息も少し苦しい。ぼくはいつでも外に出られるから安心だけど、車内に閉じ込められた犬にはそんな希望もないわけです」
「温度はどんどん上がっていきます。いま43.6℃になりました。まだ車内に座って10分ちょっと経過しただけですよ」
たちまち温度は57℃に

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「15分がたちました。まるでオーブンの中にいるようだ。皮膚は真っ赤に変色し、汗がどんどん流れ出てきます。ものすごく暑いです。いま48.8℃です」
「17分近くが経過しました。さきほど温度計は50℃を超えました。まもなく20分が過ぎようとしていますが、まだまだ温度は上がっていきます」
「車の中は53.1℃。25分が経過したところです。25分以内に買い物を終えて、車に残した愛犬のところへ戻ってこられない人は多いことでしょう。その25分間で、23.3℃から57.1℃へと室温が上がってしまっているのです」
「煮立った湯の中にいるみたいです。暑いなあ。顔は真っ赤になるし、汗はすごいし、息も苦しい。心臓はドキドキ。ひどい状況だと改めて実感します」
このビデオを見た人々が、車内に犬を残してもOKだと思うのは間違いだと、しっかり認識してもらいたいものですね。
「いま26分間が経過しました。犬にとって、炎天下に車の中に残されるのは惨酷なことだと再認識します。もし車に残されて弱っている犬を目撃したら、すぐに緊急通報してください。犬の命が危ないのです。このビデオを見た人々が実感してくださるよう希望します。ぜったいに炎天下の車内に犬を残さないでください」
差し迫った状況なら、窓を壊して救助も
RSCPAのスザンヌ・ノーブリーさんに質問してみました。
――もし車に残された犬を目撃したら、具体的にどうしたらいいですか?
「警察へ緊急通報してください。わたしたちに連絡をいただくよりも、迅速に救出できる最良な方法です。警察官は犬が危険だと判断したら、車の窓を壊して救助できる権限があるのです」
「でも事態が緊急で一刻の猶予もできない場合は、車の窓を壊して犬を助けてあげてください。動物への愛情があれば、それが自然な反応です。高温の車内で衰弱している犬を放置することなどできないはずです」
「その際は事前に警察にその旨通報してください。そして救出の状況をビデオ撮影しておくこともおすすめします。ほかの目撃者の名前・連絡先なども控えておいてください。あとで問題になったときに役立ちます」
――高温による車内事故がどれだけ起きているのか、データはありますか?
「どれだけの犬が車内でなくなったかの統計はありません。わたしたちは慈善団体なので、犬に関して受けた通報のうち、どれだけの割合が車内事故だったかというデータは持っています。でも最初に連絡が行くのはたいてい警察ですから、実はもっと多いでしょう。残念なことに、毎年高温な車内での犬の死亡事故はあとを絶ちません」
「広く知ってほしい」の声多数
ネット上では多くのコメントが寄せられています。
・この人は心臓発作が起きたのでは?その熱心さには脱帽です
・ビデオを投稿してくれてありがとう。みんなに知ってもらい、絶対に車内に犬や子供を残さないようにしてほしいです
・スーパーマーケットでは犬を預かるところもあります。犬は喜んでほかの犬たちと遊んでいますよ
・車内で留守番させるくらいなら、なぜ一緒に連れていくのかなあ。ぜったいにやめてほしい
・うかつな飼い主にはあきれます。決して車内に放置しないでほしい
・人間はじっと座っているけれど、犬は車内で跳ね回ったりするからよけいに暑いだろうね
・実はきのう「イケア」の駐車場で犬を車内に残そうとした男性に意見し、口論になりました
・テレビでもこれを報道して、情報を広めてほしい
@rspca_official 🐶 🚗 If you see a dog in distress inside a hot car, call 999 immediately! #RSPCA #Summer #dogsdieinhotcars ♬ original sound – RSPCA_Official
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