現代社会の闇【高齢飼い主の死亡や入院】を理由にセンターに持ち込まれる犬たち

感動

昔に比べて年々減少傾向にある犬の殺処分数。しかし、残念なことに、いまだにその数は0ではありません。動物愛護団体や保健所に「引き取ってほしい」と持ち込まれる犬たちは多く、その理由には、高齢飼い主の入院や死亡といった理由が非常に多いと言われています。

高齢飼い主の入院や死亡により持ち込まれる犬たち

毎年、残念なことに動物愛護団体や保健所に、多くの犬たちが「引き取ってほしい」と持ち込まれます。飼い主が手放す決断をしてしまうのです。近年、持ち込まれる犬の理由の多くに『高齢飼い主の入院・死亡』があることをご存知でしょうか。これは、犬に関する昔の知識を持ったまま犬を飼ってしまったことが主な原因と考えられています。

現在、犬は平均で約14歳、長寿な犬は20歳前後まで生きることも珍しくありません。しかし、一昔前はドッグフードも充実しておらず、犬に関する医療体制も整っていなかったため、平均的な寿命は5〜6年だったと言われています。

昔は犬に関する情報もあまり出回っていなかったため、飼い主たちの持つ知識も少なかったのです。前述したようにドッグフードもなかったため、白米に味噌汁をかけたものを与えていたり、簡易的なリードを柵に繋いで屋外に放置していたために、犬の脱走が後を絶たなかったりと、今とは大きな違いが多数あった時代でした。

こうした理由から、当時の犬たちの寿命は長くなく、5〜6歳で亡くなってしまう犬が多かったのです。

この時代に生き、犬を飼っていた人たちの中には、いまだに同じ知識を持ち、新しい情報が更新されていない人も少なくありません。犬は5〜6歳が寿命だといまだに思っており、昔の知識のまま犬を迎えてしまったために、飼い主側の寿命が先に来てしまう…という事例も多いのです。

昔の犬の寿命は5〜6年…現在は14〜20年

取り残された犬

ディ・アンクさんによれば、こちらの写真に写っている犬は、当時まだ5歳と若い犬でした。しかし、飼っていた女性は70歳の一人暮らし。心筋梗塞を発症したために救急車で運ばれ、そのまま逝去されてしまったと言います。そしてこの犬は、この写真の状態で取り残されていたところを保護されたのです。

実は、こうした事例の踏まえて、自治体や愛護団体によっては、65歳以上の人には犬を譲渡しない、65歳以下の方に限定して譲渡するといったルールを定めているところも多くあります。

しかし、生体販売を目的としているペットショップでは、こうした飼い主の年齢に制限を設けていないため、高齢になってから子犬を迎える人の多くは、ペットショップから迎えている傾向にあるようです。

高齢者はペットショップから迎える人が多い傾向に

現在の犬の寿命は、平均で約14歳、長ければ20歳近くまで生きる犬も少なくありません。もしも70歳で犬を迎えてしまった場合、ご自身が85歳を過ぎても愛犬が生きている可能性が高いですし、何より犬の介護も始まります。この状況を想像すると、あまりに過酷だと思いませんか。

持ち込まれた子犬

こちらの犬は、やはり一人暮らしをしていた高齢の飼い主さんが先立ってしまったために、遺族が不要犬として保健所に持ち込んでしまったと言います。

持ち込まれた犬

こちらの犬もご高齢の飼い主さんご夫婦が逝去、そして施設へ入院となってしまったために、ご子息のご夫婦によって保健所に持ち込まれてしまいました。高齢になって迎えてしまった場合は、最低限、家族や知人に自分が亡くなった後、犬のお世話を頼んでおくなどの準備をしておくべきです。

なぜ高齢者が子犬を迎えるの?

ここで、なぜ高齢になってから元気いっぱいな子犬を迎えようと高齢者が考えるのか疑問に思う方もいるでしょう。主に、高齢者がペットショップから子犬を迎える理由は以下の通りです。

  • 一人暮らしで寂しさを感じている
  • 一人暮らしで不安だから番犬になってほしい
  • 自分の人生の最後に可愛い子犬と暮らしてみたい

また、中には畑の食物を守るための害獣除けとして働いてほしいという理由を持つ飼い主もいるようです。いかがでしょう。最期まで責任を持ってお世話し、愛情を注いでくれるのならば問題ありません。しかし、高齢になってから犬を家族として迎える上で、少々無責任に感じてしまうのは筆者だけでしょうか。

救出された犬

そして、こちらの犬はご高齢の夫婦が飼っていた犬です。夫が逝去し、妻が入院することになり、このままでは1頭で取り残されてしまうという理由から、妻が保健所に持ち込んだと言います。

最後に

悲しそうな表情の犬

こちらの犬もご高齢の飼い主さんが逝去されたため、保健所に持ち込まれてしまった犬です。

どうでしょうか。後先を考えず、間違った知識で安易に迎え入れてしまったために、悲しく取り残され、最後には保健所に持ち込まれてしまう悲惨な犬たちが大勢います。

ご高齢の方でこれから犬を迎えたいと考えている方は、もう一度、現在の最新の犬の知識を勉強し、その上で自分が最期まで本当に面倒を見ることができるのか、もしも自分が他界してしまった場合、その後、責任持ってお世話してくれる人はいるのか、などを考え、犬を迎えるか否か決断してください。

※今回の記事で紹介させていただいた犬たちは、無事にディ・アンクさんによって救出されているとのことです。

ディ・アンク

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