「捨て犬ではなく迷い犬かも…」犬を保護したときに気を付けるべき点

さくらまいさん撮影 なるほど

今回は、地元の愛護団体でボランティア活動を行っている「さくらまい」さんが投稿してくださった経験談と伝えたいことを改めてご紹介します。

「犬を保護した」…捨て犬と決めつけるのは早計

さくらまいさんは、地元の愛護団体でボランティア活動をしていらっしゃいます。ボランティア活動をしていると、市民の方々から毎日のように相談が来るそうですが、その相談の中に気になる点があるそうです。

「動物の遺棄・虐待防止ポスター」 環境省

犬を保護した際、愛護団体に連絡をする人の多くが「捨て犬を保護した」と報告してくるのだそうです。

連絡を受けると、愛護団体側は保護した当時の状況を尋ねます。すると「道路でウロウロしているところを保護した」という状況説明が大半を占めるのだそうです。そしてその道路、というのは、山中にある道路ではなく、街中にある道路であることがほとんどだと言います。

ここで考えてみましょう。街中でウロウロしている犬…それは本当に、飼い主によって故意的に捨てられた犬なのでしょうか。日本では『動物愛護管理法』に基づき、動物の遺棄は犯罪と定められています(※)。街中で堂々と「犬を捨てる」という犯罪を行う人は少ないのではないでしょうか。

このような経緯から、さくらまいさんは「捨て犬を保護した」という連絡をくれた人に対して「それは捨て犬ではなく迷い犬ではないでしょうか?」と答えるのだそうです。

ある『迷い犬』に関する体験談

さくらまいさん撮影

実は、さくらまいさんは迷い犬に関してある体験をお持ちです。以前、さくらまいさんが迷い犬を保護した時のこと。ある会社でお世話になることになったそうですが、その従業員の方々の中に、なぜか迷い犬の里親探しを一生懸命始めた人がいたのです。

その方はきっと善意で行っていたのでしょう。しかし、この犬はあくまで『迷い犬』であり、その当時も本当の飼い主さんがその犬を探している可能性が高かったのです。

そのため、さくらさんは「この犬は迷い犬なので、里親探しではなく、まずこの子の本当の飼い主さんを探さないといけないのですよ」と慌ててストップをかけたそうです。

また、別の活動をしている最中にも「捨て犬を保護したことがあって、かわいそうだからそのまま飼ったよ」と当たり前のようにおっしゃる方がいたのだそう。

詳しい状況は不明ですが、その捨て犬は本当に捨て犬だったのでしょうか。もしも迷い犬だった場合、その迷い犬の本当の飼い主さんが、ずっと愛犬を探していた可能性もあります。

こうした体験談から、さくらまいさんは保護した犬を捨て犬として決めつけてしまう人の数に驚き、また中にはそのまま自分の犬として飼ってしまう人すらいることに驚愕したそうです。

犬を保護したらどうするべきか

パトカー

もしも犬を保護したら、まずはやるべきことがあると言います。

  1. 保護した管轄の警察に届けを出す
  2. 保護した管轄の保健所(センター)に届けを出す

犬を保護したことを届け出ることで、本当の飼い主さんが探している場合、その飼い主さんの元に連絡がいく可能性があるからです。管轄の警察と保健所に届出を出す際は、できる限り飼い主さんが現れるまでご自宅などで預かってもらうことが望ましいとさくらさんはおっしゃっています。

もしも保護した犬を警察署や保健所に引き渡してしまうと、命の期限が定められてしまう可能性があるからです。その期限までに飼い主さんが現れなかった場合、そのまま殺処分対象となってしまうのです。

また、犬を保護した場合、3ヶ月間は元の飼い主さんを探し、見つかった場合は飼い主さんの元へと帰してあげる手順になります。しかし、3ヶ月を過ぎた場合、飼い主探しが実質終了と見做され、保護した当事者に「犬の所有権」が譲渡されることになります。

これは、届出を出す際に、3ヶ月経っても飼い主さんが現れなかった場合、所有権を放棄するか、所有権を自分に移すか選ぶことができます。放棄した場合、保健所に移されてしまうため、できればここでも所有権を自分に移す、という選択をしてもらえると有難いです。

犬を一時預かりするときにやってほしいこと

犬の散歩

犬を保護し、自宅で一時的に預かる場合、まずは警察署と保健所に届出を出し、できれば動物病院や保健所でマイクロチップが埋め込まれていないか確認してもらいましょう。

マイクロチップが埋め込まれている場合、そのまま登録されている飼い主さんの情報を得ることができるため、犬がすぐに元の飼い主さんの家へと帰ることができます。

また、首輪に犬の鑑札登録や狂犬病予防接種票の札が付いている場合、保健所でその札から飼い主さんを探すことも可能です。

他にも飼い主さん探しのため、SNSで犬を保護したことを投稿し、拡散してもらったり、地元の動物愛護団体に相談し、チラシ作りの相談に乗ってもらったりすることも可能です。

「何をすればいいのかわからない」と迷った際は、地元の動物愛護団体に連絡を取り、相談に乗ってもらうと良いでしょう。

まとめ

さくらまいさん撮影

さくらまいがおっしゃるように、保護した犬が必ずしも捨て犬とは限りません。街中で発見した犬であればなおさら迷い犬の可能性が高いでしょう。その場合、本当の飼い主さんが愛犬を一生懸命探している可能性が高いため、保健所に連れて行ったり、捨て犬として里親探しをしたり自分で飼ったりせず、必ず警察署や保健所に届けを出してください。

保健所に連れて行けば安心、と思っている方も多いですが、保健所は保護された犬たちの管理を行う場所です。あくまで『管理』なので、お世話をすることが目的ではなく、必要であれば殺処分されてしまいます。

保護した犬は、飼い主さんが現れるまでご自宅で預かってもらうことが最善です。もしもどうすればいいかわからない、という場合は、地元の動物愛護団体などに相談してみましょう。

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