現在の宇宙飛行開発に貢献した1匹の犬がいます。その名もライカ。月面に踏み出した偉大な一歩の前には小さな犬の一歩があったのです。彼女は初めて宇宙旅行をしたので有名になりましたが、その陰には他の動物達もいる事を忘れないでください。
はじめて宇宙飛行をした動物「ライカ」

出典:https://dimg.donga.com/egc/CDB/JAPANESE/Article/15/09/66/77/1509667717833.jpg
現在宇宙空間には人間が長期滞在出来る宇宙ステーションがあり、そこに至るまでには様々な実験が繰り返され、多くの人や動物の手が加えられているという事実を忘れてはなりません。
64年前のソ連で、初めて宇宙を旅したのが犬のライカでした。ライカと言う名前は、犬種なのか名前なのか正確な情報が乏しいのですが、ここではひとまず名前にしておきます。
ライカはソ連の人工衛星スプートニク2号で地球の周回をした最初の動物で、飛行用に訓練された犬達の中でライカが選ばれたのです。幸か不幸か、彼女は名前を後世に残すことは出来ましたが、2度と地球の土を踏む事はありませんでした。と言うのは、この衛星には地球に戻る技術が無かったからです。1匹の犬の命を犠牲にして手に入れた情報はこの上なく貴重なはずです。
ライカの最期

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a2/Posta_Romana_-_1959_-_Laika_120_B.jpg/800px-Posta_Romana_-_1959_-_Laika_120_B.jpg
ライカ以前にもロケットに乗って飛び立った動物達もいましたが、大気圏を超えて、地球の周回に入ると言う飛行を成功させたのは初めてだったのです。
しかしその情報は乏しく、ソ連政府正式発表では、彼女は周回を始めて10日後に餌により安楽死をさせられたとなっていますが、実際、発射してすぐに過熱とストレスにより亡くなったか、4日後に衛星の欠陥による過熱で亡くなったの2点に絞られ、正確な所はわかりません。
もし、発射後すぐに亡くなっていたとしたら、ライカを乗せた衛星は彼女無しで進んでいたと同じ事になりませんか。ライカが乗る必要性が無かったのではと凡人は思ってしまいます。
ルーマニアの切手にまでなったライカですが、今回この話を聞いて何故か胸が痛くなりました。40年も経ってから彼女の功績を称える記念碑が出来たのもうがった見方をすれば、世間の評判を気にしてかと思わざる負えません。
映画「犬は歌わない」

出典:https://eiga.com/movie/94740/
そして今、ライカの死から60年以上経って映画「犬は歌わない」が公開されました。宇宙開発の犠牲となった彼女を主役としたドキュメンタリーですが、何故が現代のモスクワに住む野良犬目線になっています。
元は彼女もモスクワに住む野良犬でした。大気圏を超えた最初の動物と言う称号を得て、人類の科学に貢献しましたが、それは人間の自己中心的な心理を満足させるためだけでは無いかと問いかける作品になっています。
勿論賛否両論ありますが、私達人間が現在こうしていられるのも多くの動物たちの犠牲の上に成り立っていることをもう一度認識する必要があるのではないでしょうか。