引っ越しの日に行方不明になった愛猫。60キロ離れた新居に移ったあとも、何度も元の家に戻って探しましたが見つかりません。2ヵ月後、この猫は自力で新居にたどり着き、家族と再会することができました。
愛猫が行方不明に
引っ越しの当日に行方不明になってしまった愛猫。あちこち探しても見つからず、やむなく引っ越しを強行したハイリ―・クシュナーさん一家は、その後数週間は元の家に戻って猫探しを続けました。

出典:https://www.boredpanda.com/cat-walks-40-miles-to-find-lost-family/
引っ越しは大変な仕事です。家をそのまま動かして別の場所に運んでしまうほうが、ずっと簡単な作業でしょう。だって、家の中のモノをそのままにしておけるのですから。
愛着のあるモノやペットは心のやすらぎを与えてくれます。でも何かが欠けてしまうと、そのやすらぎは不安へと変わってしまいます。
ハイリ―さんの息子マックス君(9歳)もそうでした。60キロ離れた新居に引っ越す前に愛猫オリバー(2歳)が行方不明になったと知った彼は、猫のぬいぐるみを抱えて悲しみをこらえ、戻ってくることを期待して待ち続けていたのです。
戻ってこないオリバー
引っ越し当日、一家はウェストバージニア州のブリッジポートからモーガンタウンの新居へ移る予定でした。車で45分離れた距離ですが、家族はみんなウキウキしていました。
でもオリバーがどこにも見当たりません。あちこちをくまなく探しましたが、見つかりませんでした。ハイリ―さんは、猫のオリバーを前夜に外へ出してあげていたのです。いつも朝には必ず戻ってきていました。でも今回は帰ってきません。

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時間は迫ってきます。とにかく引っ越しを進めなければ。できるだけ待ってあちこちを探しああと、やむなく出発することにしました。元の家を売り出している間、何度も戻ってきて猫を探そうということになったのです。
「家が人手に渡る前に、探す時間はたっぷりあると考えていました。毎週末に戻ってきて、捜索をしたのです」
その後何度も戻ってきて、餌を置いて名前を呼び探し回りました。近所の人々にも知らせ、注意してくれるよう頼みました。でもまったく見つかりません。
「ショックでした。9歳の息子は通りを歩き回って猫の名を呼び、ずっと泣き続けていました。衝撃が大きかったのです」
とにかく信じ続けることで、心を強く持ちました。
「息子のためにもわたしが強くならなければ。毎晩、神様に祈り続けてオリバーがこの家にたどり着くか、ほかの人に飼われて幸せにしているよう願いました。とにかく猫が無事ならうれしいです」
ぬいぐるみを心の支えに

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マックスくんはぬいぐるみの猫を抱くことで、自分を慰めていたそうです。このぬいぐるみは、ハイリ―さんが持っていたものです。
「このぬいぐるみは当時流行した『ビーニー・ベイビー』です。マックスは自分の部屋にたくさんぬいぐるみを置いていますが、オリバーの失踪以来、この猫のぬいぐるみには特別の絆を感じていたようです」とハイリ―さん。
数週間がたち、家も売れてしまいました。もう戻っていく場所はありません。
「捜索をやめることを、マックスに伝えるのは心痛むことです。9歳の少年がペットを失うなんて、どんなに辛いことでしょうか」
でもマックスくんは希望を捨てませんでした。だって自分で「ヒューメイン・ソサイエティ」に保護されていたオリバーを選び、自宅へと迎えたのですから。そのときオリバーは子猫でした。一緒に成長していくはずだった兄弟なのです。毎晩、猫のぬいぐるみをオリバーに見立て、話しかけていました。
オリバーが戻ってきた!

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それから2ヵ月後、一家の庭に茶白の猫が現れました。じっと座ってこちらを見ています。ハイリ―さんの夫ニックさんが「オリバーに似ている」と気づきました。
これには夫婦は言葉もありません。60キロ離れた場所までたどり着くなんて、できるのでしょうか?
ハイリ―さんは、オリバーのあだ名である「ロリバー」と呼び掛けてみました。猫はすぐに反応し、大声で鳴き出しました。
「オリバーの特徴的な鳴き声です。まるで『いいたいことがあるんだよ』とでも訴えているかのようでした。ああ神様、オリバーに間違いありません」
「さっそく抱き上げ、室内へ運びました。そのまますすり泣きしましたね。家族やほかのペットたちもそばに寄ってきました」
同居犬のピットブルはオリバーを認識してクンクン嗅いでいます。このときハイリ―さんは、この猫は100%オリバーに間違いないと確信しました。
でも再確認のため獣医へと運びマイクロチップを確認してもらいました。やはりオリバーです。奇跡的な旅路をへて新居へとたどり着いたのです。しかもオリバーの体調は万全でした。
「こわがったり臆病になったりもせず、家に着いて幸せそうでした。少し疲れている感じでしたね」
帰巣本能のある猫

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猫には帰巣本能があります。その仕組みはよくわかっていませんが、嗅覚と地磁気を感じて方向を探り当てるのではないかと考えられています。だから飼い猫が失踪しても、希望を捨てないでください。保護施設や近所の情報をひんぱんにチェックしてください。時間が経過していても、ふたたび愛猫に会えるかもしれません。
猫を外に出している飼い主には、あらかじめできる予防策があります。空腹の状態で外に出し、餌の音に反応して戻るようにしつけてください。最初は中庭だけに出し、その場所の臭いを覚えさせて、裏口から室内にいつで戻れるようにしておきます。そして重要なのは、マイクロチップを埋め込んでおくことです。
きっとオリバーの狩りと木登りの能力が、2ヵ月間身を守り、生き延びることを可能にしたのでしょう。
「近所の人が、オリバーが木に登って宙にジャンプし、小鳥を捕まえる場面を目撃しています。オリバーはこれまでも、朝になると正面玄関にたくさんの獲物の『プレゼント』を置いていたものです」とハイリ―さん。
「引っ越しのときは、空室にペットを監禁し、移動の直前まで隔離しておいてください。わたしたちもそうすべきでした。とにかく3匹のペットと2人の子供もいて、すごく忙しくて慌てていたのです」
奇跡の生還に喜びの声

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一家の平和な暮らしは戻りました。新居でペットと一緒に楽しい毎日を過ごしています。
人々はこのハッピーエンドに喜んでいます。ネット上で寄せられたコメントをご紹介しましょう。
・うちでも引っ越しのときに行方不明になった猫がいました。3ヵ月後にガリガリに痩せて新居に現れました。何事もなかったかのように家族に甘えていましたよ
・奇跡だね。すばらしい出来事だ
・トラックの荷台に跳びのって、しばらく近所を徘徊していたのではないかな?
・どうしたらこんなことができるのでしょうか。どうやって正しい方向がわかったの?
・すばらしい。愛情と本能、摂理によって猫は無事自宅へと戻った。きっと前より愛されただろうね
・あきらめないことが大事ですね。わたしの猫も数ヵ月後に自宅に戻ってきたことがあります
・猫の決意は見事だし、再会は感動的だったね
・猫が無事でよかった
・犬が戻ってくるのは効いたことがあるけれど、猫も同じとは驚きです
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