ルーマニアの保護団体『Howl Of A Dog』に、旅行者から路上生活を送る犬について連絡がありました。最低でも6年は路上生活をしていたと思われる犬は、そこにいるのが当たり前となっており誰も手を差し伸べることがなかったのです。
そこにいるのが『当たり前』に違和感

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
観光でルーマニアに訪れ滞在していた外国人は、いつ見ても路上にいる一頭の犬が気になって仕方がありませんでした。
定期的に見かける彼女を放っておくことができなかったその観光客は、Howl Of A Dogに連絡を入れたのです。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
連絡を受け、Howl Of A Dogのメンバーが現場に向かいます。周辺の住人たちに話を聞くと、犬はもう何年もこの場所に住んでいて、近所の人はみんなこの犬のことを知っているとのこと。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
生涯を路上で過ごしてきた彼女は『ヘレン』と呼ばれており、通行人から残飯をもらっていたといいます。
ヘレンの側には誰かが差し入れたのであろう毛布があるものの、雨や冬の寒さを凌げるわけではありません。交通事故や虐待のリスクがあるだけでなく、適切な医療を受けることもできない状況は決して彼女にとって最善とはいえないものでした。
路上生活に終止符を

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
過酷な路上生活を送っていたヘレンでしたが、リードをかけても抵抗することはありませんでした。『そこにいるのが当たり前』になっていたヘレンは、こうして誰かに手を差し伸べてもらえる日をずっと待っていたのかもしれません。
路上生活の歴史が明らかに

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
車で2時間ほどかけて、病院へ到着。ヘレンの耳には、迷い犬として捕獲され避妊手術をした印のピンクのタグが。その日付は2013年、保護当時は2019年であり、最低でも6年は路上生活をしていたと考えられました。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
診察を受けたヘレンは、ダニ媒介性疾患のアナプラズマ症であることが判明。アナプラズマ症は貧血や黄疸などを引き起こし、治療が遅れれば死亡してしまうこともある怖い病気です。
幸いなことに有効な治療薬があることから、ヘレンに処方されました。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
そして、体もきれいに洗ってもらいました。推定7歳、路上生活6年以上のヘレンにとって、生まれて初めての経験だったことでしょう。
希望に満ち溢れた犬生が再スタート

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
新しい犬生をスタートさせた彼女はお出かけが大好きで、お買い物に出かけたりお散歩に行ったり。何もかもが初めてのことでヘレンは目を輝かせます。
長年路上生活を送っていたとは思えない程人懐っこく、行儀が良く性格も温和。とてもフレンドリーな性格は彼女と出会う人々を魅了しました。そして、保護から1ヶ月後、再び病院で検査を受けるとすべての検査が良好に。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C5ncuR64DD4
ヘレンは里親探しが始まりますが、きっとすぐに素敵な家族が見つかるでしょう。長い間路上生活を送っていたことを、多くの人が知りながら手を差し伸べられることがなかったヘレンですが、観光客の目に留まったことで世界が一変しました。
そこにいるのが当たり前、ではなく、たった1本の電話で救われる命もあるということを証明してみせました。
この投稿に寄せられたコメント
・彼女の心に光が灯ったようです。彼女はとても幸せそうです。彼女を救ってくれてありがとう!
・きっと救出される日を待っていたんだろうね。親切な人に感謝!
・この世にはこのように心優しい人がまだいるんだ。彼女の笑顔に涙が溢れたよ。
・路上生活をしてきた彼女、この後の人生はきっと素晴らしいものになる!