子犬工場…口にすることさえ憚られるその言葉の通り、劣悪な環境から救い出された244頭の犬たち。これは、大規模な摘発のなか救出された盲目のトイプードル『ジェマ』の物語です。
2009年9月に行われた大規模摘発

出典:https://www.youtube.com/watch?v=DGAynWDR-mk
2009年9月、オーストラリアのクイーンズランド州で大規模な子犬工場の摘発が行われました。摘発には英国王立動物虐待防止協会『RSPCA』も携わり、子犬の救出や保護後のサポートなどに協力。
244頭という前代未聞とも言える数の犬たちを保護するためには、移送だけでも3日を要したそう。
その中には、緊急治療が必要な犬が5頭、残念ながらそのうちの2頭は命を落とす結果となってしまいました。全体的に健康状態は悪く、酷いネグレクトなどにより自信を喪失していた犬も多かったようです。
すべての犬たちに幸せな生活、新たな犬生を送ってもらうために必要な治療はもちろん、心のケアや家庭犬として生きていくためのトレーニングを行ったRSPCA。当時、毎日約5,000ドル(およそ40万円)の費用が掛かることさえ厭わなかったといいます。
裁判所が下した判決は…

出典:https://www.youtube.com/watch?v=DGAynWDR-mk
子犬工場のオーナーだった当時55歳のルース・シュロスは、動物虐待行為、動物に対する注意義務違反、妥当な理由なしに動物福祉の指示に従わなかった罪を認めた結果、合計9,000ドルの罰金、10,000ドルの補償金の支払いを命じられました。
さらに同じく経営に携わっていた当時63歳のケネス・シュロスは、動物虐待行為、動物に対する注意義務違反を認めたことで、合計6,000ドルの罰金、10,000ドルの補償金の支払いを命じられたものの、同様に有罪判決は記録されず、2人には1年間の犬飼育禁止、または2年間で3匹以上の犬の飼育禁止という命令が出されたのだとか…。
1年間の飼育禁止…あくまでも罰金刑しか下されないというこの判定には、何とも複雑な気持ちにさせられます。
盲目のトイプードルが幸せを掴むまで

出典:https://www.youtube.com/watch?v=DGAynWDR-mk
救出された犬たちのうちの1頭、トイプードルの『ジェマ』は生まれつき盲目だったと考えられました。
同じ場所から救出されたキングチャールズスパニエルと共に一時預かり家庭に行き、家庭犬として幸せに過ごすための準備を整えながら永遠の家族を待っていたのです。
その一時預かり家庭のお手伝いをしていたのが、後にジェマの『家族』となるトレーシーさん。
散歩などのお手伝いをするなかで、生まれつき盲目のジェマについて心配していたトレーシーさんは、裁判が終わり、正式に永遠の家族の元へ巣立てる時を待っていたといいます。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=DGAynWDR-mk
ジェマは家族の愛と適切なトレーニングによって、盲目というハンデを乗り越え幸せに暮らしているといいます。少しくらい高いところにだって軽々ジャンプできるようになったのです♡
先住犬の『キミー』も愛情深く、ジェマの目が不自由であることを理解すると『こっちだよ』と教えるような仕草や行動を見せながらいつだってジェマをサポートしているのだとか!
キミーのサポートにより、公園だって走り回れるようになったジェマ…素晴らしい家族に出会えたことは一目瞭然ですね。
最後に

出典:https://www.youtube.com/watch?v=DGAynWDR-mk
子犬工場から救出されたジェマは、幸運にも素敵な家族と巡り合うことができました。ジェマをお迎えした当時、トレーシーさんは最悪の娘さんをガンで亡くし、悲しみに暮れていたそう。
『寄り添ってくれたキミー、ジェマに救われました。』そう語られています。
参考:RSPCA Queensland『Blind Jemma’s Story』
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:RSPCA Queensland
■RSPCA Queensland
▼ 公式サイトはこちら
https://www.rspcaqld.org.au/
▼ 【売上は全額支援金】オリジナルグッズも販売中!
https://www.worldforpets.com.au/