女性が柴犬と初めて出会ったのは2010年。近所のお宅の庭を生後数ヶ月の柴犬が自由に走り回る姿はとても微笑ましいものでした。しかし、成長するにつれて犬小屋に鎖で繋がれ、食事もまともに与えられない状況になり…。
微笑ましい光景がいつの間にか…

出典:https://wanchan.jp/column/detail/28699
これは、とある女性が近所の家からお迎えした柴犬『小次郎』くんのお話です。初めて小次郎くんを見たのは、2010年。生後数ヶ月ほどの小次郎くんが、庭で楽しそうに遊んでいる姿だったといいます。
それからもしばしばそんな微笑ましい姿を見て、『可愛いなぁ』と癒やされていたのもつかの間…小次郎くんが大きくなるにつれ、外に置かれた犬小屋に短い鎖で繋ぎっぱなし、そして置き餌状態となってしまったのです。
散歩をしている姿も見かけず、不思議に思った女性は、それとなくお子さんに聞いてみると…。
『散歩に行ったのは2回くらい。犬を散歩させるのは太っているからで、うちの犬は太っていないから散歩は要らないってお父さんが言っている。』
という驚きの返答が。このとき、小次郎くんは2歳ほどだったと言います。
1日に何時間も鳴き続ける姿に

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小次郎くんがストレスや不安感を感じることは至極当然。何かに威嚇するかのように激しく吠えたり、人恋しそうにキュンキュン鳴いたりするように…。それは昼夜問わず、何時間も続いたのだそう。
可哀想に…とは思うものの、他人のご家庭にそう簡単に口出しすることもできず、子供を口実に時折散歩に連れ出してあげることしかできなかったといいます。
その頃になると近所では『犬を叩いているのを見た』『鳴き方がおかしい』など虐待を疑うような噂が立ち、保健所へ通報されることもしばしば。
何度も保健所や役所の職員と思われる方々の訪問を受けているような様子を見掛け、いつか保健所に引き渡してしまうのではないかとヒヤヒヤしていたといいます。
『万が一保健所へ…なんて事になれば、小次郎はどうなってしまうんだろう?何とかして引き取る手は無いか…。』とばかり考えていたのだそうです。
「うちの犬いらない?」衝撃の言葉と安堵

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女性は小次郎くんの飼い主と顔を合わせたとき、ふと『数年前に飼っていたわんこが亡くなって寂しいんだよね』と言ってみたのだそう。
すると、あろうことか飼い主は『うちの犬、いらない?子供とも相性が悪いし、無駄吠えが多くて近所からも文句を言われて、面倒ばかりだから。』と…。
女性は飼い主の言葉に腹立たしさを感じずにはいられなかったものの、同時に小次郎くんを引き取ることができるチャンスが訪れたとも感じたのです。
そして数日後、飼い主から小次郎くんを正式に引き取ってほしいという申し入れがあったとき、その無責任さへの怒りもほどほどに小次郎くんの未来を思い安堵したのは言うまでもありませんね。
笑顔を取り戻してほしい

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ずっと外飼いされていたことから、室内で暮らすのはかえって負担になるのではないかと考えた女性は、庭先に小次郎くんが自由に動き回れるスペース等を準備されたのだそう。
お散歩の経験が乏しかったこともあり、嬉しさでピョンピョンと飛び回りあちこちに行こうとするため苦労したのだとか。とはいえ、それは家族にとっては嬉しい苦労でしかありませんでした。
小次郎くんのことを考え外飼いを続けることにしたものの、愛情を知ったからこそなのか外でひとりぼっちになってしまうと不安が襲ってくるのか夜鳴きをするように。
玄関先へ招き入れたのをきっかけにそれ以降、玄関は小次郎くんのためのスペースへと変わっていったそうですよ♡家族の声や気配に安心するのでしょう、すっかり落ち着いた様子で寛いでいるのだとか♪

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表情は日に日に柔らかくなり、すっかり甘えん坊のお散歩大好きわんことなった小次郎くん。
しかし、お迎えから8年が経った今でも、前足を触ろうとすると怯えて逃げようとしたり、興奮している時に落ち着かせようと撫でると叩かれると思うのかひどく怯える様子を見せたりすることもあるそうです。
怖くて寂しかった記憶が未だに残っていると考えると辛くなり、こんな記憶を人間が与えてしまった事に申し訳無さを感じると語られました。そして、小次郎くんが心穏やかに安心して暮らせるように、これからもたくさんの愛情を注いで暮らしていくと。
女性が気にかけてくれたこと、勇気を出して声を上げてくれたことで小次郎くんの犬生は大きく変化しました。笑顔を取り戻した小次郎くんの姿をぜひご覧になってください。
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