ある飼い主さんが保護猫をお迎えしました。しかし、後日きょうだい猫が白血病で急死したとの知らせが入ります。家族となった以上、幸せな一生を送ってもらいたい。それがたとえ短い命でも…。
動物病院前に捨てられていた子猫たち
その飼い主さんは、18年間一緒に暮らしてきた愛猫を亡くしていました。愛猫の存在は大きく、心にぽっかりと穴が開いてしまったそうです。
飼い主さんは動物愛護センターや譲渡会に足を運び、生後3か月の『ミーコ』ちゃんに出会い、一目惚れしてお迎えを決意しました。
ミーコちゃんはダンボール箱にきょうだい猫たちと入れられ、動物病院の前に捨てられていたところを保護されたのだそう。
甘えん坊で人懐っこい子猫
ミーコちゃんはとても人懐っこく、小さな子供に逃げるどころか仲良しに。
飼い主さんたちの後ろをついて歩いたり、ふみふみするなど甘えん坊な一面も見られました。
愛猫を失った心の隙間は、あっという間に埋めてくれたと言います。
きょうだい猫の急死の知らせ
平穏で幸せな日々が戻ってきてしばらくしてから、保護猫ボランティアから1本の電話が入ります。
「きょうだい猫が猫白血病で、譲渡先で急死した」…と。
まだ小さかったことから猫白血病の検査をしても誤判定になる確率が高く、また、陽性反応が出ているとわかれば里親を見つけることは難しくなることから、子猫たちの幸せのために小さなうちは検査をしない団体も珍しくはありません。
猫白血病は発症すれば平均寿命が2.4年と短く、治療法もありませんが、発症しなければ長生きする猫もいます。
とは言え、飼い主さんは「なぜ検査をしてくれなかったのか」「なぜ白血病の猫を引き取ったのか」と考えたこともあったそうです。
「今」を生きる
猫に病気の概念はなく、「今」を一生懸命に楽しみ、生きる生きものです。
ミーコちゃんももしかしたら猫白血病ウイルスに感染しているかもしれませんが、そんなことはミーコちゃんには関係のないこと。
飼い主さんは、判定精度が上がる生後6ヶ月に猫白血病ウイルスの検査をするそうです。その後のことはそのときに考える。今は、栄養をしっかりとってストレスをためない。ミーコちゃんの免疫力を高めることを心掛けているそうです。
最後に
生まれてきた以上、みんな平等に幸せになる権利があります。
たとえ猫白血病ウイルスに感染していたとしても、ミーコちゃんはミーコちゃん。
病気やケガは突然襲ってくるもので、いつ命の火が消えるかは誰にもわからないものです。
それまで何の病気もなく、若く元気な子が突然亡くなることも珍しくはありません。
「今」を一生懸命に生きる猫たちが幸せに暮らすということは、1日1日を大切にしてあげることではないでしょうか。