民家の庭に現われた猛毒の蛇。子どもに襲いかかろうとしたところを猫のアーサーが跳びかかり、蛇と戦って家族を守りました。でも、その時に噛まれた毒が体中にまわり、やがてアーサーは亡くなってしまいました。
毒蛇と戦ったアーサー
猫のアーサーは、オーストラリアのクイーンズランドで「イースタン・ブラウン・スネーク」に襲われた2人の子どもをかばって、身代わりに死亡しました。

出典:https://nypost.com/2021/02/16/cat-dies-saving-kids-from-australias-most-dangerous-snake/
猫には9つの命があるといいますが、この猫は9つ目の命を犠牲にして、子どもたちを救ったのです。動物病院によると、オーストラリアでもっとも危険だといわれる毒蛇から飼い主の子どもたちを救うため、猫はみずから蛇と戦い命を落としたそうです。
「いくら小さくても、どんな生き物でも、英雄はいるものです」。猫のアーサーの英雄的行為に敬意を表して、この言葉が動物救急サービスのフェイスブック・ページに投稿されました。
病院へ搬送されるも、手遅れに
病院はその状況をこう説明しています。
「猫が家族の子どもたちと裏庭で遊んでいた時、イースタン・ブラウン・スネークが子どもたちに向かってすべるように近づいてきました。猫のアーサーは、子どもたちをかばって毒蛇に跳びかかっていったのです」
家族はみんなパニックになり、はじめアーサーが毒蛇に噛まれたことに気づきませんでした。この毒蛇は「オーストラリア地理一覧」では、もっとも危険な種として分類されているのです。
「アーサーはいったん気を失いましたが、すぐに何もなかったかのように起き上がりました。でもこういうふうに失神するのは、蛇に噛まれた生き物に共通する症状なのです」
と獣医はいいます。
翌日アーサーはまた失神しました。あわててタナファにある動物救急サービス病院に搬送されたときには、もう手遅れで、処置のできない状態になっていました。
病院によると「アーサーが天使になって旅立ってしまったことに、飼い主は心砕かれる思いでいます」とのことです。
「家族はもちろん失意の底にあります。この猫がみずからを犠牲にして子どもたちを守ってくれたことに、どんなに感謝しても足りないと感じているのです」
もっとも危険な毒蛇

出典:https://nypost.com/2021/02/16/cat-dies-saving-kids-from-australias-most-dangerous-snake/
「イースタン・ブラウン・スネーク」は、別名「スドナジャ・テスクティリス」ともいいます。オーストラリアでは一番死亡事故の多い毒蛇として、地理院により分類されています。「蛇が怒ると、S字のような形になって宙に頭をもたげ、口を大きく開けて跳びかかろうとします」
「その毒に侵されると体が麻痺し、血液が凝固しなくなります。大量の解毒剤によって治療して回復することもありますが、通常噛まれた生き物は数分以内に失神してしまいます」と説明されています。
出典:https://nypost.com/2021/02/16/cat-dies-saving-kids-from-australias-most-dangerous-snake/