ある晩、コロンビアの公園でホームレスの青年が愛犬2頭のために『誕生日パーティー』を開催している姿をビデオは捉えました。青年の犬に対する愛情は共感と感動を呼び、たくさんの寄付物資が寄せられることとなったのです。
愛犬たちにささやかな幸せを贈りたい…
お誕生日パーティーに欠かせないものといえば、キャンドルとバースデーケーキ。ハッピーバースデーを歌い、年齢の数だけ飾られたキャンドルの炎を吹き消すとき『この1年はどう過ごそうか』と思いを巡らせることでしょう。
愛犬の幸せを願い開催したお誕生日パーティーは、彼の人生に大きな転機を呼び込むこととなったのです。

出典:https://www.boredpanda.com/homeless-man-throws-birthday-party-for-dogs/
その日は晴天でした。夜になって、とある男性がコロンビアのブカラマンガにある公園を散歩していたところ、ホームレスの青年が愛犬のために誕生日をしているのを見かけたのです。そして、その青年の行動に迷わずビデオを回しました。
ホームレスのチョコさんは、パーティー用の三角帽子をかぶった愛犬シャギーとネーナと共に階段に腰掛け、ハッピーバースデーを歌いながらケーキのキャンドルに火を灯します。どうやら、愛犬シャギーの誕生祝のようです。

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チョコさんは愛犬たちを優しく撫でながらお祝いの拍手をしました。すぐに火を消して、愛犬たちにキスをしたあとプラスチックのナイフを取り出してケーキを切り分けたのです。

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チョコさんはケーキを切り分け、愛犬たちに配りました。
ケーキやキャンドル、パーティー用の帽子を購入するのは、彼にとっては莫大な出費だったことでしょう。それでも愛犬たちのお祝いを優先した彼の優しさに人々は胸を打たれました。どんな思いを巡らせているのか…彼は愛犬たちを愛おしそうに見つめながら涙を拭います。
家族の暴力から逃れるためホームレスに

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チョコさんはシャギーがケーキを食べ終えるのを見つめ、抱き寄せます。そのあとネーナにもキスを。そのすきにシャギーが残ったケーキをつまみ食いするという微笑ましいハプニングも(笑)。!
撮影者の男性は、この一連の光景に居ても立っても居られず、チョコさんに近づき、色々と尋ねたといいます。チョコさんは家族の暴力に耐えかねて逃げ出し、そのまま数年間、路上生活をしているそう。大変な暮らしですが、愛犬のシャギーとネーナにはできるだけ気を配って世話を焼いていると…。
このビデオがネット上に投稿されると、たちまち多くの反響を呼ぶことに。男性は「チョコさんと愛犬たちに食料や必需品、お金を寄付してあげてください。自立した生活ができるように」と呼びかけたのです。
ビデオは44万回以上も再生され、多くの人々が援助に名乗り出ました。誕生日パーティーのあった公園は、動物好きが集まるスポットに変わり、チョコさんと愛犬のための食料や必需品がどんどん集まりました。チョコさんと愛犬の写真を撮る人々も数多くいたといいます。

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でもそれだけではありません。なんと、チョコさんに新しい携帯電話をプレゼントしてくれた人がいました。これを使ってチョコさんはインスタグラムに投稿を始めたのです。今彼は、18万人以上のフォロワーがいる人気インスタグラマーとなりました。
インスタグラム上で、チョコさんはこれまでの人生について語っています。
彼はエル・ぺノン市出身、シャギーの4歳の誕生日は過ぎましたが、11月にはネーナは11歳になるそう。チョコさんの将来の夢は、ミュージシャンになることと、動物たちを保護するシェルター施設を作ること。彼は今新たにシャツを販売する仕事を初めています。利益の一部は、動物虐待防止活動のために寄付されるそうです。
彼の願いごとは聞き入れられたようですね。チョコさんと愛犬たちの将来は明るいものになりました。
ところで、ホームレスは暮らしが困難なのに、なぜペットを持つのだろうという疑問が残ります。
世の中には、何の過失もないのにホームレスになってしまう人々が多いのが現状です。きっかけは家庭内暴力だったり、住宅難だったり、失業、麻薬・アルコール中毒、精神的・身体的な障がいによるものだったりします。

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社会福祉慈善活動をしているフレッド・ビクターさんは、「路上生活を通じて、人間性を否定されるように感じるのです。ほかの人々から認識されない存在になってしまうからです。最悪の場合は、本人も『他人から見えなくなってしまいたい』と思うようになります」と話します。
孤独や恐怖、先の不安が精神にも影響を与えます。そんなときにそばにペットがいれば、慰めになるし、外の世界から無防備な自分を守ってくれる盾にもなるのです。

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ペットは無条件に飼い主を愛してくれるし、飼い主のほうも世話をする意欲が保てます。つまりペットがいることで、ホームレスの人々も生き残れるのです。多くの研究で「愛するペットを失いたくないので、人々は薬物やアルコール中毒などの危険な習慣を改善させる傾向がある」ことがわかっています。
でもペットがいることで、ホームレスの人々はたとえば住宅確保などの支援サービスを受けにくくなるのも事実です。ペットのために住宅をあきらめ路上生活を続ける選択をする人も多いのです。
ホームレスとペットは、お互いに愛し愛され、お互いを救っている存在。チョコさんと愛犬たちにとって、状況はよくなってきているようです。チョコさんは自身の電話番号とペイパルの口座を公開して寄付を受け入れています。でも、彼らの願いごとはもうかなえられたようですよ。

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「犬から無償の愛情をもらいました。もし飼い犬がいるなら、人生もそう悪くなることはありませんよ」とチョコさんは語っています。
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この投稿に寄せられたコメント
・美しい話です。涙が出てきました
・1990年代初頭にホームレスのための避難所でボランティアをしたことがあります。そこに以前の教え子がホームレスになって現れました。同性愛者だったので家族から見放されたというのです。肌に白斑があって日光アレルギーもあり、特別な服装が必要でした。しかも黒人なので、将来は彼にとって暗いものでした。今でも悲しく思い出します。ホームレスを選択したわけでもないのに、とても残念なことです
・チョコさんも犬たちもやさしくて、すばらしいね
・すばらしい愛情です。チョコさんが、家族からは得られなかったものを犬が与えてくれたのですね。なんて忠実な犬たちでしょう!
・彼の夢がかないますように
・テレビも新聞もこの内容を報じていません。もっと広く知ってもらいたいですね