『ガソリンをかけて火をつけた』火だるまで助けを求めた1歳の犬に支援続々

悲しい

人間にガソリンをかけられた上、火をつけられて重傷を負った1歳の犬が保護されました。回復のための長い旅路を続けるこの犬に、ネット民から多くの支援が寄せられています。

「火だるま」で走る犬を発見

米国テネシー州メンフィスで「ガソリンをかけられた犬が火をつけられ、焼かれる」というあまりにも無残な事件が起こりました。

被害者である心やさしい犬『リオナ』は、TikTokやFacebookを通じてネット民の心をとらえました。

出典:https://www.dailypaws.com/pet-news-entertainment/adoption-stories/riona-dog-set-on-fire-gets-tiktok-support-love

回復への長い道のりを支えるため、多くの支援がこの犬へと寄せられています。寄付金のお陰で、先進的な手術を受けることができました。数ヵ月もすれば、里親家庭を卒業して、新しい飼い主を探してもらえるでしょう。

去年の6月20日の夜のことです。メンフィスのナットブッシュ地区の住民たちは、全身を炎に包まれた犬が道路を走っていくという、非常におぞましい光景を目にしました。

近所の人がすぐに水をかけ火を消しましたが、小さな犬の体の60%が第4度のひどい熱傷を被ってしまったのです。

メンフィス動物病院へ運ばれたものの、その後は保護団体『Tails of Hope Dog Rescue 』の保護下に置かれ、ブラフ・シティ動物専門病院で治療を受けることになりました。そこで出会ったのが、同団体の代表ジンジャー・ナトーリさんと医師のマロリー・マクレモアさんです。この2人はリオナの回復にずっと寄り添い、尽力してくれています。

「最初にリオナの写真を見た時、回復のために役立てると考え、保護を引き受けました。でも実際に会ってみると、その状態のひどさにショックを受けましたね」と、ジンジャーさん。

彼女は目撃者や近所の人々に話を聞き、独自の調査を始めてメンフィス警察の捜査を手助けしました。

その間、マロリーさんと同僚たちは治療とケアを開始しました。麻酔をして包帯を取り替え、一口ずつ手で餌を与え続けたのです。マロリーさんはリオナの足跡を記録し、この犬の状況をより多くの人々に知ってもらうため、TikTok上に専用のアカウントを設けて情報を発信しました。

「思いがけないことに、最初に投稿したビデオは300万人に視聴されました」

その後ビデオの視聴数は640万回にはね上がりました。このアカウントには11万5000人のフォロワーがいて、毎日リオナの幸せを願う声が寄せられています。

ネット民の支援は、予想外でした。コメントが寄せられただけでなく応援の手紙や寄付金、おもちゃや毛布、おやつなどの支援物資もAmazonを通じて送られてきたのです。「リオナに正義を」と記した特製Tシャツ2000枚は完売し、売上金は治療費に充てられました。

リオナの短い散歩場面や、カラフルな包帯姿をとらえたビデオが投稿されるたびに、世界中から支援の声が寄せられます。ジンジャーさんの運営する団体は小規模なので、こうして送られる寄付金や寄付物資、請願署名はとても役立つうえに、彼女たちが活動を続ける精神的な支えにもなるのです。

先進的な手術が大成功

さて、リオナを預かってまもなく3週間。とても良いニュースがあります。7月12日にメンフィス警察はクウィシャン・ブラウン容疑者を逮捕しました。彼はリオナの飼い主で、犬に火をつけた容疑がかかっています。

ブラウン容疑者が判事の聴聞を受けている間、リオナは4時間にわたる最初の大手術を受けました。焼けた皮膚を修復するためのもので、手術は成功。皮膚移植ではなく、残った皮膚を羽状に広げて傷を覆う方法をとりました。

「この方法だと、皮膚がつながっていて血流を妨げることもないので、将来健康な皮膚が回復する可能性も大きいのです。今後は首に1カ所、お腹に1カ所、足1カ所に同様の手術が必要です」と、マロリーさん。

皮膚を羽状に広げるためには皮膚を広げ伸ばさなくてはなりません。彼女は地元の美容整形外科医へ連絡し、相談しました。

「豊胸手術に使うインプラントを皮膚の下に埋め込みました。そしてゆっくりと食塩水を注入し、皮膚を伸ばしたのです」

リオナには、これからも回復の長い道のりが待っています。マロリーさんはリオナの里親も務めていて、この犬の将来は楽観的だと考えています。左耳は失ってしまうでしょうが、左目は十分機能しています。動くことができるし、精神的にも健康です。今後は数度の皮膚手術が待っているのです。

「各手術は2週間ずつ間隔を開ける必要があります。長い道のりですね」

もちろん傷口の化膿状態や、リオナの治療への反応ぶりも、期間の長短に影響を与えます。でもこのひどい経験が、リオナの精神状態に強く影響しなかったのは幸いでした。

「これまで他人には出会ったことがない犬でした。でも今、会う人すべてを好きになっています。しっぽを盛んに振るので、傷が広がらないように包帯を強く巻かなければならないほどです」

手術がすべて終了して傷が癒えたら、リオナには飼い主を見つけることになります。でもネットでの関心の高さから考えて、その仕事は難しくないと予想されています。むしろ1人に選ぶのが大変なほどでしょう。

「里親として預かった動物たちには、愛情を注いでいます。だから大好きになるのですが、ずっと育て続けるわけにはいきません。だって預かった動物をすべて家族として引き取っていたら、やがて1匹も助けられない状態になりますからね」

信じられないほど残酷な元飼い主の行動により理不尽に傷つけられたリオナ。しかし、もう二度と怖い思いをすることも傷つけられることもありません。リオナらしい幸せな犬生を過ごしていくことでしょう。

ぜひ、リオナのTikTokビデオをご覧になってくださいね!

出典:https://www.dailypaws.com/pet-news-entertainment/adoption-stories/riona-dog-set-on-fire-gets-tiktok-support-love

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