米国で保護された犬は、立ち上がれないほど衰弱していました。でも強い意志と周囲のサポートで元気を取り戻し、奇跡的に蘇ったのです。人々に感動を与えた勇気ある犬は、昨年「英雄」として表彰されました。
衰弱した犬を保護
勇気ある犬『イーサン』は、2022年「アメリカン・ヒューメイン・ヒーロー・ドッグ」として表彰されました。

出典:https://www.dailypaws.com/pet-news-entertainment/hero-animals/ethan-american-humane-hero-dog-award
前年1月に、動物愛護活動への寄付をするため『Kentucky Humane Society(KHS)』を訪れたある家族が、駐車場でこの犬を発見しました。ひどくやせ細っていて、通常体重より20キロ以上も少ない状態だったといいます。すぐにKHSのスタッフが犬を緊急診療医へ運びました。
3歳のカネコルソ(別名イタリアン・コルソ・ドッグ)種だと推定された犬は、のちにイーサンと名づけられました。実はこの時、犬はほんの1歳程度だったのです。
数日間の入院を経て、イーサンはKHSの施設でケアを受けることになりました。当初は立ち上がることもできず、食事のときに頭をもたげる力もありませんでした。でも6日後、初めて1歩足を踏み出すことができたのです。
イーサンの回復への道のりは、ウェブ上で多くの人々の関心を集めました。この犬の強い意志と勇気に賛同するネット民からは、無数の応援の声が届きました。やがて、イーサンは完全回復を果たすことができたのです。
施設にいるイーサンを親身になって世話したのが、ジェフ・コールアウェイさんです。最初の数週間は、様子を見るために毎晩2度も訪ねて来てくれました。その後は里親として自宅に預かり、イーサンと深い絆を結んだのです。2021年3月、この犬は正式にジェフさんの家族になりました。
その後1年ほどがたち、数多くのノミネートの中からヒーロー・ドッグが選ばれました。そうです! 表彰されたのはイーサンでした。イーサンは世界中の人々に勇気を与え、逆境にあってもあきらめないことを教えてくれたからです。
ジェフさんはビデオでこう語っています。
2021年1月29日、イーサンはKHSの駐車場に捨てられていました。弱っていて、その週末を生き延びることができるかどうかもわかりませんでした。私は、たとえ短い命であっても、できるだけのことをしようと決意したのです。
KHSがネット上でイーサンのことを紹介したら、多くの人々の注目が集まりました。落ち込んでいる人でも、この犬の回復までの旅路を見守っていくうちに、自分も勇気を持てるようになったというのです。世界中から手紙やメールが寄せられました。いじめや薬物中毒、末期がんに悩む人も、イーサンのひたむきな姿に感銘を受け、人生を前向きに考えるようになったそうです
「この犬は、私にとって貴重な存在です。最初に保護したときは体重17キロほどしかなく、本来40キロはあるべき犬種なのに、痩せすぎでした。当時は立ち上がることもできなかったのに、今は英雄犬として表彰されるまで回復したことに、とても感動しています。本当に信じられませんよ」
イーサンはいまだにネット上の人気者です。Facebookには4万5千人がいいねをつけてくれるほどなのですから。
実は「ヒーロー・ドッグ」に選ばれる前、イーサンはすでに保護犬部門で優秀賞を獲得していました。ほかの部門からも、数頭のすばらしい競争相手が英雄犬としてノミネートされていたのです。でも一般や専門家から100万票以上も獲得したイーサンが、めでたくトップになりました。
惜しくも賞を逃した犬の中には、警察犬「リグズ」がいます。この犬は勤務中におでこを銃撃され、その後奇跡的に回復しました。また、15歳のラブラドール・レトリバー「M090」は、陸・海軍に勤務し優秀な成績を収めた犬です。
耳の聞こえない犬「コール」は、「チーム・コール・プロジェクト」活動の主要メンバーとして、人々に「障害があっても、ともに協働して生きていく」ことを教えてくれました。どの犬たちも、すばらしい業績や意志の力で人々に感動を与えてくれたのです。
出典:https://www.dailypaws.com/pet-news-entertainment/hero-animals/ethan-american-humane-hero-dog-award