ゴールデン・レトリバーの兄妹が米国の病院に勤務し、患者やスタッフの心身を癒す活躍をしています。毎年1600人もの患者に面会して愛と勇気を与えるほか、疲れた医療従事者も慰めてくれる彼らは、病院の人気者です。
病院に勤務するゴールデン・レトリバー兄妹
米国アラバマ州にあるハンツビル婦人・小児科病院には、2頭のゴールデン・レトリバーが勤務しています。ともに4歳の兄妹は、愛と希望(と抜け毛も)を多くの人々に与えてくれるのです。

出典:https://www.dailypaws.com/pet-news-entertainment/hero-animals/golden-retrievers-help-hospital-staff-and-patients-heal
愛犬を信じて秘密を打ち明けたことのある方なら、犬たちがこれほど病院で愛されている理由もおわかりいただけることでしょう。『アステロイド』と『オービット』の2頭は、回復援助犬プログラムの一環として勤務しており、自分たちも任務の重大さを十分に心得ているのです。
サラ・サベッジ・ジョーンズさんは、同病院基金の代表を務めています。彼女によると「普通、病室に入った犬は患者の元へ直行すると考えられがちですが、実は自分たちを最も必要としている人物の元へ行くのです」と、語ります。

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「場合によってはストレスで消耗し切った患者の母親だったり、医師の診断に怯える保護者だったりします。犬たちはそういう感情を敏感に悟って、慰めようと努めるのです。犬は悲観的な感情を取り除いてくれます。本当にすばらしい能力です」
犬を指揮するのは回復援助犬プログラムのコーディネーターをしているステファニー・ウィリアムズさんです。
「ゴールデン・レトリバーは人間を楽しませる能力を持った犬ですが、この2頭はとくに自分たちの役割を理解しています」
「犬の表情を見れば、この仕事を楽しんでいるのがわかります。自分たちの行動で、人々を前向きな態度に変えられるのですから。しかも、みんなからおやつをもらったり、『お腹なでなで』をしてもらったりして、すごくうれしいですからね」
患者の精神的な支えに
2019年に事業が開始され、その年の7月からアステロイドの勤務が始まりました。オービットは2020年9月から従事しています。

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2頭は1年に1600人もの患者と面会し、5000人以上の病院スタッフに「お疲れさま」のハグを提供してきました。おまけにご褒美として毎月450個のおやつをもらい、毎月5個ものおもちゃをもらって噛み砕いてきたのです。
この取り組みは効果的です。
「苦しい治療を続けてきて、もうこれ以上うちの子は耐えられないという状況になったとき、勤務犬がいることで、子供が治療を耐え忍ぶことができるようになった、といううれしい声をいただきました」と、ステファニーさんはいいます。
犬の存在によって患者の痛みが軽減されたり、回復への意欲が高まったり、患者や家族の意識が改善したり、より治療効果が高まったりすることがわかっています。
「犬が患者や家族と信頼関係を築くことで、周囲との意思疎通を高める効果があるのです。恐怖感や不安も低減できます」と、彼女は語ります。
このたびPetSmart Charities基金が、この事業を継続してくための経費18万6千ドルを寄付してくれました。同基金の代表エイミー・ギルブレスさんはこう話します。
「訓練された犬が患者たちに喜びや慰めをもたらしてくれるのは、当然でしょう。でもその上に、精神的に支えてくれることで、大きな治療効果も期待できるのです。この2頭は動物セラピーの効果が大きいことを証明してくれる大事な存在です。医療従事者も、現在の困難な状況下では、ずいぶん動物たちに救われていることと思います」
おやつやお腹なでなでと引き換えに、病気からの回復効果が期待できるのですから、本当にすばらしいことですね。
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