タイ西部でマラソン大会に参加したクロングサナンさん。途中で迷子の子犬をみつけて拾い上げ、腕に抱いたままで、なんと残り30.6キロを走破しました。その後、飼い主がみつからなかったため、彼女は子犬を自分の家族として向かい入れ、マラソン大会の名前をとって「チョムブエン」と名付けたのです。
マラソン中に子犬を発見!抱き上げてゴール
ケームジラ・クロングサナンさんは、タイの西部ラチャブリーで行われた、チョムブエン・マラソン大会に参加しました。
前を走る多くのランナーが、ひらりを身をかわして子犬をよけているのを見つけたのは、途中の11キロ付近です。彼女は道端で立ち止まり、子犬をなだめて抱き上げました。
見回しても近所に家はなく、きっとこの犬は捨てられたのでしょう。置き去りにする事はできず、そのまま子犬を抱いて、残りの30.6キロほどを走り続けました。
ゴールしたとき、子犬はしっかりと彼女の腕に抱かれていました。
後日、彼女が公開した写真には、彼女がもらったメダルと一緒に走者番号のそばで丸くなる姿が写っています。
子犬を自宅に引き取り幸せな家族の一員に
幸いな事に、ここで話は終わりませんでした。クロングサナンさんは、子犬の飼い主を探しましたが、だれも名乗り出てきません。
そこで、この子犬を自分で引き取ることにしたのです。名前は、マラソン大会と同じ「チョムブエン」にしました。
今子犬は、彼女と別の犬たちと一緒に暮らしています。新聞社のインタビューに答えて、彼女はこう言っています。
「この子は、どうも迷子になっていたらしいのです。あたりには、家もなく、ほかの犬も人もいません。ただただ、この子犬を安全なところに連れていかなくては、という気持ちでした。」
「でも、犬と一緒に30キロ以上走るのは、ちょっとしたチャレンジでしたね。普通のマラソンの2倍は疲労します。だけど、なんといっても子犬はすごく可愛らしかったので、頑張れたのです。」
「その後、子犬を獣医に連れて行って健康チェックをしたり、ワクチン注射を受けさせたり、治療をさせたりと、ずいぶん時間をとられましたが、今は他の犬と一緒に家族の一員として迎える事ができて、とてもうれしいです。」
「子犬が新しい環境に慣れるには時間がかかるかもしれませんが、この子はとてもお利口さんなのです。きっと、うちの子になって喜んでくれていると思いますよ」