カンタベリー大聖堂の司祭が礼拝中、教会に住む猫レオが一直線に近寄り、法衣の中へもぐりこみました。司祭は表情を変えずに説教を続けましたが、このビデオがインターネットで紹介されると、たちまちレオは有名になってしまいました。
ビデオ礼拝中に猫が法衣に入り込んだ!
猫のレオが、インターネット上で有名になった瞬間をご紹介しましょう。カンタベリー大聖堂(英国国教会)の首席司祭を務めるロバート・ウィリス博士が、いつもの朝の礼拝を録画していました。
このとき、レオは一直線に司祭の法衣に入っていったのです。このとき司祭はプロ精神を発揮して、平静を保ってスピーチを続けましたが、この状況では、もはやレオが主役を奪ったも同然です。
Leo the cat has been getting up to mischief again! Did you spot this moment in Morning Prayer last week? #Caturday pic.twitter.com/xZXDsAQxWW
— Canterbury Cathedral (@No1Cathedral) May 23, 2020
この場面が面白いと、カンタベリー大聖堂はビデオを公式ツイッターに掲載しました。これを見た人はみんな喜んで、さらに誰かがGIFファイルにコピーして、人気の投稿サイト「レディット」に載せました。
その結果、7万人近くの人々が見ることになりました。
「司祭がいつもの朝の礼拝を録画中、猫のレオが『彼の中に歩いて入って行った』」という説明とあわせ、このビデオは、いまやインターネット上で有名なものになったのです。
4匹の猫の最年少レオ
カンタベリー大聖堂で広報普及活動部長をつとめる、ネイサン・クローチさんは以下のように話します。
「レオは、司祭公邸にいる4匹の猫のうちの1匹で母猫のリリー、叔父猫のモンキーとタイガーと暮らしています。
どの猫も性格が違うのですが、ビデオでおわかりのように、レオはきわ立っておどけ者でなんです。
(パンデミック下で)3月以来、礼拝をネット放映していますが、レオは法衣の中に潜り込むのを毎日楽しみにしています。他の子が妬まないよう、いろいろな猫をビデオに入れるようにはしているのですが…」
また、レオの性格についても以下のように述べています。
「司祭公邸とその庭には、2万人以上の来場者がありますし、教会には150万人がやってきます。この猫は、大勢の人に見られるのは慣れているし、もともと公邸で生まれ育ったため、とても人懐こく明るい性格なのです。
でも警戒心がなく、4匹の中でも、賢い猫とはいえません。たまに、木に登って降りられなくなったり、次々と困ったことになっていたりします。
だけど、レオはとても性格がよくてみんなに可愛がられ、甘やかされた子なんです。」
歴史あるカンタベリー大聖堂
今回のエピソードは、西暦597年に創設されたカンタベリー大聖堂にとっては、長い歴史の印象的な一コマにすぎません。
何せこの教会は英国における最古の、そしてもっとも有名なキリスト教施設なのですから。
Join us online for daily prayer and reflection recorded by our clergy from their homes https://t.co/7E4PAludx9.#ChurchisChanging #ChurchatHome pic.twitter.com/CoBxhCBre1
— Canterbury Cathedral (@No1Cathedral) March 31, 2020
大聖堂の建物自体は、すばらしい建築物で、1070年ー1077年間に建て直され、東側の部分は12世紀初めに拡張されました。
1174年の大火で、大部分がゴシック様式に改築されました。トマス・ベケット大司教が1170年に暗殺された後は、彼のために訪れる大勢の礼拝者たちを受け入れるために、教会の東側も大規模に拡張されました。
最近、大聖堂の聖職者は多くのコンテンツをオンラインで公開しています。この中には、14世紀英国の世捨て人であり、謎の人物とされる「ノリッジのジュリアン」や、カンタベリー首席司祭が読み上げるロバート・ルイス・スティーブンソン作「旅は騾馬をつれて」、キリスト教世界ではかなり有名な「航海者聖ブレンダンの旅行」や「約束の地への旅路」があります。
YouTubeのチャンネルも開設されていますのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
やんちゃで優しい性格の猫
クローチさんは続けます。
「レオは複雑な性格の持ち主で、一匹だけで孤独にしていたいこともあるし、頻繁に28エーカーある庭を歩き回って境内を荒らしたり、鳥やハリネズミ、その他いろいろな動物を追いかけたり…かと思うと、かまってほしがることもあります。
母猫と同じで、礼拝に来る人や来訪者に対して社交的にふるまい、外交官としての役割を真剣に果たしているのです。
時には、心地よい家の中か日当たりのよい庭の一角で、静かに眠っていたりもしますが。」
「猫の家族の中で一番の『ちびちゃん』として、レオは誰からも甘やかされているし、教会のプリマドンナのように振る舞う母猫から受け継いだ性格もあって、無茶な行動もよくします。
また、今は亡き父猫についても触れています。
「一方で、死んだ父猫オットのすごく優しい性格も受け継いでいるんです。オットは、もとは野良猫でしたが、家族で公邸に住み着くようになり、2年ほど前に悲劇的な最期をとげるまで、みんなに可愛がられていました。
4匹の中でレオは一番若いこともあり、よく他の猫たちにちょっかいを出したりしますが、お茶目なせいでしょうか、いつも許されているようです。」
インターネットでビデオを見た人たちは、多くのコメントを寄せています。
「猫は司祭に懺悔したいことがあったんじゃない?」
「この猫は、カーテンだと思って、ドアから出ようとしただけよ」
「猫は’キャット’リックに違いないね」
「司祭が無関心に説教を続けていたのには感心した」