「猫の暮らしやすい世界を」世界征服を目論むものとして将来性ある子どもたちを教育していくというのはとても利口な手段である。猫が世界を支配する日はそう遠くないのかもしれない…。
校舎に現れた一匹の猫
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ある日、トルコ西武にある公立小学校の校舎に茶トラの野良猫がやってきました。その野良猫ははじめて会う子どもたちに対してもとても友好的だったといいます。
この野良猫がどこからやってきた猫なのか…それは誰にも分かりませんでしたが、いつの間にか学校の庭で子どもたちと触れ合うのが当たり前となり、「トムビ(Tombi)」という名前もプレゼントしてもらいました。
猫が教室で授業に参加するように
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トムビの警戒心は、学校の庭で過ごした2〜3週間の間に完全に解かれていきました。
するとトムビはオズレム・プナル・イワシュチュさんが担任する3年生の教室へ入室。なんと子どもたちと一緒に授業に参加するようになったのです。
そして更に驚きなのがトムビが授業に参加するようになって以来、子どもたちはより一層熱心に授業を受けるようになったり、トムビのお世話をするために始業時間に余裕をもって登校するようになったりと学習意欲はもちろん、授業態度や集中力までが向上したというのです。
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イワシュチュ先生は、クラスに多大な貢献を果たしてくれているトムビをクラスメイトとして迎えるため、彼を動物病院へ連れていき予防接種、健康診断も受けさせました。
誰もがこれから先もずっとトムビと共に授業を受けられるのだと信じていたのですが…。
学校を追い出されるトムビ
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野良猫が3年生の教室を出入りしている。
この事実を知った保護者から「子どもたちに健康上のリスクをもたらす可能性があるのではないか。」という苦情が寄せられたのです。この声によって管理局から「トムビを教室へ出入りさせてはいけない。」という指示がイワシュチュ先生へと伝えられることとなり、急遽トムビの新しいお家を探すことに。
無事、クラスメイトの保護者が名乗り出てくれたことで新しいお家が見つかり、トムビは学校から離れることとなります。
学校に行きたい
新しいお家で暮らし始めて数日、トムビは食べ物を全く口にせず急激に痩せ始め、日に日に元気を失っていきました。その姿を見たイワシュチュ先生は自身の自宅へ連れ帰ることに。
しかし、トムビの元気が戻ることはありませんでした。そんなトムビの状況を知った元クラスメイトの子どもたちは、トムビを元気づけるために手紙を送りました。
逆境に打ち勝ち、教室へと帰還!
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いつもの元気を見せてくれないトムビ。イワシュチュ先生は、彼のストーリーをSNSへと投稿しました。
するとこの一件がまたたく間に多くの人々の目に留まり、大きな注目を浴びることに。それを知って行動を起こしたのはイズミル県教育局オメル・ヤフシ局長。
ヤフシ局長は「猫が子どもたちの健康に悪影響を及ぼすのか」について調査を行った上で「トムビを教室へ戻しても良い」と判断。
そして一度はトムビの受け入れに反対した保護者までもが「トムビを戻してほしい」と申し出たのです。
トムビは教室で子どもたちと授業を受ける権利を勝ち取りました。学校側も正式にトムビの存在を認めてくれたのです。
そして日本で「猫の日」として世界中の猫を祝福する2月22日、無事トムビはクラスメイトが待つ3年C組へと帰還しました。
オール5の通知表をもらう
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この一件は世界中から注目されることとなり、トムビは一躍ヒーローに。
トムビはそれからもクラスに貢献し、2017〜2018教育年度最後の日である2018年6月8日、担任のイワシュチュ先生から「オール5」の通知表が送られました。
夏休みの間はイワシュチュ先生の自宅へホームステイして過ごし、新教育年度からは旧3年C組のクラスメイトと共に4年生クラスへと進級したのです。
一足早い卒業式
トルコの教育制度は日本と異なり、9月に始まり6月に終わります。そして小学校は4年間。予定よりも少し早い5月、トムビは約2年間共に勉学に励んだクラスメイトとお別れすることになりました。
イワシュチュ先生と共にスイスへと旅立つことになったのです。
お別れ会 & トムビの卒業式が開催された日、クラスメイトよりひと足早く卒業証書を受け取るトムビ。その姿を見つめる生徒のなかにはトムビとのお別れに耐えきれず泣き出してしまう子も。
ただ、トムビとクラスメイトはとても強い絆で結ばれています。イワシュチュ先生も”物理的な別れにはなるが、心と心の別れでは決してない。”と語っています。
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この一件は「心温まるストーリー」として世界中に注目されると同時に、猫という存在が子どもたちに与える素晴らしい影響についてもっと多くの人々が理解すべきだという声もあがっています。
この一連の流れは「すべてトムビの計画通り」という見方も深まっていることから「猫が世界征服しようとしている」という話もあながち間違いではなく、またその日はそう遠くないのかもしれませんね…。
トンビのストーリーを知った人々からは様々な声が寄せられています。
・猫は最高の教育者だよ。彼が戻ってくれて本当に良かった。
・私が学校にいた頃にも猫がいてくれれば…羨ましいわ!
・猫は人々を育て癒してくれる。素晴らしい先生だね。
この話を読んで、私の小学校6年生のクラスを思い出しました。当時の担任の先生が、校長先生とかに説得してくれたと聞いています。一年間、出来て間もない鉄筋の校舎の4階で、うさぎ、蛇、犬、モルモット、亀、いろいろな動物を、それぞれケージを作り、飼いました。みんなで班を作り交代で、市場に要らない葉っぱをもらいに行ったり、世話をしました。卒業の時に皆作文を作り涙ながらに発表しました。それは、特別な経験であり、心優しく育った仲間たちは、それぞれの人生で、その特別な思い出を糧に頑張っています。みな還暦を迎え同窓会には、元担任の先生も来てくれ盛り上がりました。