『コンビーフ』と『スパム』の違いとは?似ているようで全く違う缶詰の雑学

雑学

スーパーで誰もが一度は考えた『コンビーフ』と『スパム』の謎

スパム

誰もが一度は考えたことがあるはず。スーパーの缶詰売り場で並んでいるコンビーフとスパム。赤っぽい色合いの肉が詰まった缶詰で、一見するとそっくりです。でも、これらは全くの別物なんです。

実は私も以前、この2つの缶詰を同じようなものだと思い込んでいました。ある日、料理好きの友人に「コンビーフとスパムって同じようなものでしょ?」と軽い気持ちで聞いてみたところ、とんでもない誤解だったことが判明。そこから缶詰マニアの友人に教えてもらった話が面白すぎて、今回みなさんにもシェアしたくなったんです。

この2つの缶詰、実は製造方法から原料、さらには世界各地での愛され方まで、驚くほどの違いがあるんです。知れば知るほど「へぇ〜」と唸る発見がたくさん。ぜひ最後まで読んでみてください。

『コンビーフ』と『スパム』の基本的な違い

コンビーフ

まず基本中の基本。コンビーフは牛肉100%で作られた加工品なのに対し、スパムは主に豚肉を使用しています。ここだけ聞くと「へぇ、原料が違うだけなんだ」と思うかもしれません。でも、実はそれだけじゃないんです。

製造方法を見てみると、もっと面白い違いが見えてきます。コンビーフは塩漬けにした牛肉を蒸して、繊維をほぐしてから缶詰にします。一方、スパムは豚肉のひき肉に調味料を混ぜ、それを缶に詰めてから加熱するんです。

この製造方法の違いが、缶から出したときの姿にも表れます。コンビーフはほぐれやすく、サラダやサンドイッチの具材として使いやすい。対してスパムは、きれいにスライスできる固さを持っています。

ちなみに、両方とも赤っぽい色をしているのは、発色剤(※1)が使われているからなんです。これは見た目の良さだけでなく、保存性を高める効果もあるんですよ。

※1:発色剤とは、食品の色調を整えたり保持したりする食品添加物のこと。この場合は亜硝酸ナトリウムが使用され、肉の色を鮮やかに保ちます。

比較項目 コンビーフ スパム
主な原料 牛肉100% 豚肉(一部牛肉も使用)
製造方法 塩漬け後に蒸して繊維をほぐす ひき肉に調味料を混ぜて缶詰後に加熱
製品の状態 ほぐれやすい繊維状 固形でスライス可能
缶の形状 台形(枕缶) 長方形

『コンビーフ』と『スパム』の値段の差

値段の違いに驚いた方も多いのではないでしょうか。一般的なコンビーフ(80g)は300円〜400円。一方、スパム(340g)は500円〜600円程度。一見するとスパムの方が高そうに見えますが、実は100gあたりの価格に換算すると、コンビーフが375円〜500円なのに対し、スパムは147円〜176円とコンビーフの方が2〜3倍も高いんです。

この価格差が生まれる理由は原料にあります。コンビーフの原料である牛肉は、スパムの主原料の豚肉と比べてどうしても高価になってしまうんです。でも、実はここにも面白い歴史が隠されています。

価格比較 コンビーフ スパム
一般的な内容量 80g 340g
一缶の価格 300~400円 500~600円
100gあたりの価格 375~500円 147~176円

歴史から見えてくる『コンビーフ』と『スパムの』違い

コンビーフは元々、船員用の保存食として開発されました。当時は高級な牛肉ではなく、むしろ値段の安い部位を活用していたんです。それが今では逆転して、山形牛や神戸牛といったブランド牛を使用した高級コンビーフまで登場しているんですよ。

一方のスパムは、第二次世界大戦中にアメリカ軍の軍事物資として大量に生産されました。実はその時の影響が、現代の食文化にも色濃く残っているんです。例えば、ハワイや沖縄でスパムが愛されている理由は、この歴史と深く関係しているんです。

面白いエピソードをご紹介しましょう。実は当時のソ連の指導者フルシチョフが「スパムがなければ、我が軍に食料を配給することはできなかっただろう」と語ったことがあるんです。第二次世界大戦中、アメリカからソ連に提供されたスパムは1億ポンドにも上ったそうです。

形も違えば開け方も違う独自の進化

缶の形にも大きな違いがあります。コンビーフは台形の「枕缶」と呼ばれる形状で、専用の鍵で開けるのが特徴。この形は1875年にアメリカの食品会社が考案したもので、中身を取り出しやすいように工夫されているんです。

実は最近、この伝統的な枕缶にも変化が起きています。開けにくさや鍵をなくすリスクを考慮して、プルトップ式の缶に切り替える動きも出てきているんですよ。一方のスパムは最初から一般的な角型の缶を採用。簡単に開けられる設計になっています。

世界中で愛され方が全く違う2つの缶詰

実は、コンビーフとスパムは世界各地で全く異なる愛され方をしているんです。面白いことに、日本で一般的な「ほぐし肉タイプ」のコンビーフは、実は世界的には珍しいものなんです。

例えば、欧米ではコンビーフというと、ブロック肉の塩漬けが一般的。特にアメリカでは「ルーベンサンドイッチ」という伝統的なメニューの具材として親しまれています。また、アイルランドではキャベツと煮込んだ「コンビーフ・アンド・キャベジ」が定番料理なんです。

一方のスパムは、特にアジア太平洋地域で独自の進化を遂げています。ハワイでは「スパムむすび」が県民食として愛されていますし、沖縄では「ポーク玉子」として食卓に欠かせない存在。韓国では特製のマイルドタイプまで開発されているんですよ。

地域 コンビーフの代表的な食べ方 スパムの代表的な食べ方
日本 サラダ、サンドイッチの具 炒め物、おにぎりの具
アメリカ ルーベンサンドイッチ 朝食(卵と一緒に)
ハワイ あまり一般的ではない スパムむすび
沖縄 あまり一般的ではない ポーク玉子、チャンプルー
韓国 あまり一般的ではない キムチチゲの具材

それぞれの美味しさを引き出す活用法

それぞれの特徴を知ると、より美味しい食べ方が見えてきます。コンビーフはほぐれやすい特性を活かして、サラダやグラタンの具材として使うのがおすすめ。最近では、コンビーフを使った創作レシピも増えているんです。

一方のスパムは、薄くスライスして焼くことで旨味が凝縮。「スパムおにぎり」や「ポーク玉子」はもちろん、最近では「スパムフライ」や「スパムカツ」など、新しい調理法も生まれています。

あなたも缶詰博士になれる面白知識の数々

さて、ここまで読んでくださった皆さんは、もう立派な「缶詰博士」です。友達や家族と食事をする時に、「実はコンビーフとスパムって全然違うんだよ」と話を振ってみてはいかがでしょうか。

きっと「へぇ〜、そうなんだ!」と盛り上がること間違いなし。特に「スパムの名前の由来には諸説あって、実は正確な意味を知っている人がもういないんだよ」なんて話をすれば、会話が弾むこと間違いなしです。

実は缶詰には、まだまだ知られていない面白い歴史や雑学がたくさん隠されています。この記事をきっかけに、身近な食べ物の意外な一面を探してみるのも面白いかもしれませんね。

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