2月11日は『万歳三唱の日』!掛け声の起源は中国?意外なルーツを解説

雑学

『万歳三唱の日』とは?意外と知られていない由来と意味

「バンザーイ!」と両手を高く挙げて叫ぶ万歳三唱。運動会や選挙の当選祝い、結婚式など、お祝いの場でよく見かける光景ですが、そもそもなぜこの習慣があるのでしょうか? そして、なぜ「三唱」するのか? 実はこの文化、日本独自のものなんです。

2月11日は「万歳三唱の日」とされていますが、なぜこの日なのか? それは、今から135年以上前1889年(明治22年)2月11日、大日本帝国憲法が発布された日 に遡ります。この時、東京帝国大学(現在の東京大学)の学生たちが、憲法発布を祝うために初めて「万歳三唱」を行ったと言われています。

この出来事がきっかけとなり、万歳三唱は日本中に広がっていきました。しかし、「万歳」という言葉自体はもっと昔からありました。一体、どのような歴史を経て、今の形になったのでしょうか?

万歳三唱の歴史と日本での広まり

万歳三唱が最初に行われたのは1889年ですが、「万歳」という言葉の歴史はそれよりもはるかに古いものです。実は、この言葉のルーツは中国にあります。

「万歳」という言葉のルーツは中国だった

「万歳」という言葉は、もとも中国の皇帝を称えるための言葉 でした。皇帝の長寿を願う言葉として使われており、「万歳!(長生きせよ!)」という意味が込められていました。これが日本に伝わったのは平安時代とも言われていますが、当時は一般の人々が気軽に使う言葉ではありませんでした。

では、なぜ日本で「万歳」が一般的になったのでしょうか? その大きな転機となったの明治時代の憲法発布 でした。

1889年2月11日、万歳三唱が誕生!

1889年、大日本帝国憲法の発布式が行われた際、多くの人々が沿道に集まりました。その中にいた東京帝国大学の学生たちが、「天皇陛下を敬い、祝福の気持ちを表すために何かできないか?」と考え、「万歳」を三回繰り返すことを思いついたのです。

実際には、それまでも日本には「万歳!」と歓声をあげる文化はありました。しかし、この時の「三唱」という形式が大きく広まり、これを機に「万歳三唱」という習慣が生まれたのです。

昭和時代にかけて定着し、現代へ

昭和に入ると、万歳三唱は政治的な場や公式な式典などで広く使われるようになりました。例えば、戦勝の際の祝賀会、天皇陛下の即位式、政治家の就任式 などで盛大に行われるようになりました。こうして万歳三唱は、日本を代表する「祝福の儀式」 へと発展していったのです。

なぜ三回唱えるの?万歳三唱の「三」に隠された意味

万歳三唱の「三回」というルール、実はそこにも意味があるんです。「バンザーイ!」と1回だけ叫ぶのではダメなのでしょうか? 2回でもいいのでは? 実は「三」という数字には、日本の文化に深く根付いた特別な意味があるのです。

1回じゃダメ? 3回唱える理由

「バンザイ!」は、単にお祝いの気持ちを表す言葉ではなく、「願いを確実なものにする」という意味合い も持っています。1回だとあっさりしすぎて印象が薄いし、2回だと「割れる」数字として縁起が良くないと考えられます。3回繰り返すことで、祝福の意を強くし、しっかりと願いが届くようにしているのです。

日本文化における「三」という数字の特別な意味

「三」という数字は、昔から日本では縁起の良い数字とされています。例えば、

  • 三三九度(結婚式で行われる日本酒の杯を交わす儀式)
  • 三種の神器(天皇家に伝わる三つの神聖な宝物)
  • 三本締め(宴会の締めで行われる拍手の形式)

これらはすべて、「三」には「バランスが取れている」「縁起が良い」「物事が完成する」という考え方があるからです。万歳三唱も、この伝統的な考え方を踏まえて「三回」と決められたと考えられます。

万歳三唱の正しいやり方とマナー

万歳三唱をやる機会は、意外と日常の中にあります。結婚式やお祝いの席、さらには政治家の当選会見など、公式な場でも見かけます。では、正式な「万歳三唱」のやり方はどのようなものなのでしょうか?

基本の流れ

  1. 代表者が宣言:「万歳三唱を行います!」と場をまとめる
  2. 全員が姿勢を正す:立った状態で準備する
  3. 代表者が掛け声をかける:「○○(対象)に対して、万歳!」
  4. 全員が声をそろえて「バンザーイ!」と叫ぶ × 3回
  5. 一拍置いて終了(この後、拍手をすることが多い)

正式な場では、手の上げ方にもルールがある

  • 両手を真上に勢いよくあげる
  • 手のひらを開き、指をそろえる
  • 3回目を終えたらスムーズに手を下ろす

政治家や公的な場では、やや控えめに手を上げることが多いですが、お祝いの席では元気よく高く上げたほうが良いとされています。

現代の万歳三唱、どんな場面で使われている?

万歳三唱が初めて行われたのは明治時代ですが、その文化は今でもしっかりと残っています。ただし、昔のように全国民が一斉に行うような場面は減り、現代では特定のシーンでのみ見られることが多いです。では、どんな場面で万歳三唱が使われているのか見ていきましょう。

政治の場面

万歳三唱といえば、最もよく見られるの選挙での当選祝い です。ニュースで、選挙に当選した政治家が支援者と一緒に「バンザーイ!」と叫ぶシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか?

この風習は、戦後の日本の政治文化の中で定着しました。当選した候補者が支援者とともに喜びを分かち合い、感謝の気持ちを表すものとして行われるようになりました。

ただし、最近では「時代にそぐわないのでは?」という意見もあり、一部の政治家は当選会見で万歳三唱を控えることもあります。それでも、根強い伝統として続いているのは確かです。

スポーツやイベントでの万歳三唱

スポーツの試合で勝利を収めた際にも、万歳三唱が行われることがあります。特高校野球や大学スポーツの優勝セレモニー では、チームの代表が「優勝を祝して、万歳三唱を行います!」と声をかける場面を見かけることがあります。

また、学校行事や会社の式典でも、節目を祝う意味で万歳三唱が使われることがあります。例えば、

  • 卒業式の最後に、恩師や保護者に感謝を込めて万歳三唱
  • 会社の創立記念日や事業成功の祝いとして社員が万歳三唱

日本では「節目を大切にする文化」があるため、万歳三唱が今も多くの場面で使われ続けているのです。

日常の祝いごとでも使われる

「政治とかスポーツとか、そんな場面にはあまり関係がない」と思う人もいるかもしれません。でも、実個人の祝いごと でも万歳三唱が登場することがあります。

例えば、

  • 結婚式で、新郎新婦を祝福するための万歳三唱
  • 還暦や古希などの長寿祝いで家族が万歳三唱
  • 友達の誕生日やサプライズイベントでの万歳三唱

正式な儀式ほど厳格なやり方ではなく、「おめでとう!」という気持ちを込めて、みんなで楽しくやることが多いです。「形にとらわれずに楽しむ」というのも、現代の万歳三唱のスタイルといえます。

万歳三唱の雑学を話のネタにしよう!

万歳三唱には、意外と知られていない面白いエピソードや雑学がたくさんあります。せっかくなので、友人や家族との会話で使えるネタをいくつか紹介しましょう。

万歳は昔、危険視されていた?

実は、万歳三唱が一般的になる前、日本で「万歳!」という言葉を警戒する動き がありました。理由は「民衆が集まって万歳と叫ぶのは、時に暴動や反乱を引き起こす可能性がある」と考えられていたからです。

明治時代、万歳を叫ぶ群衆が集まると、政府は「これは政治的なデモではないか?」と不安視しました。特に、政変が起こるときには、人々が万歳を叫びながら街を練り歩くことがあり、それが騒動につながることもあったのです。

しかし、万歳三唱が祝賀の場で正式に使われるようになると、そうした警戒感も徐々に薄れていきました。

「バンザイ!」は戦時中にも使われていた

万歳三唱は、戦時中の日本でも多く使われていました。特に有名なの「バンザイ突撃」 という言葉です。戦争末期になると、勝ち目のない戦場で日本兵が「バンザーイ!」と叫びながら突撃することがありました。これは、死を覚悟しながら最後まで戦うという精神を象徴する行動とされていました。

戦争が終わった後、万歳三唱は「新しい時代の祝賀」として再び平和的な場面で使われるようになり、現在の形に落ち着いたのです。

海外にも似たような文化がある?

「バンザーイ!」という掛け声は日本独特のものですが、海外に「三回繰り返す」 という文化があります。例えば、イギリスでは特定の祝賀イベントで「Three Cheers!(ヒップヒップ、フレー!)」という掛け声を3回繰り返すことがあります。

また、古代ローマでは、勝利を収めた将軍を称える際に「Vivat!(長生きせよ!)」を三回繰り返したと言われています。日本の万歳三唱とはスタイルが異なりますが、世界中に「三回祝う」という共通点があるのは面白いですね。

この話、誰かに教えたくなりませんか?

万歳三唱について、歴史や由来だけでなく、現代での使われ方や面白い雑学まで紹介しました。「万歳三唱ってただの掛け声じゃなくて、意外と深い歴史があるんだ!」と感じたのではないでしょうか?

次に万歳三唱をする機会があったら、今回知った雑学を周りの人に話してみてください。「なぜ三回なのか」「最初にやったのは誰か」「海外にも似た文化があるのか」なんて話をすると、ちょっとした雑学王になれるかもしれません!

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