なぜ高齢者は『シルバー』と呼ばれるのか
みなさんは『シルバー』と聞くと何を思い浮かべますか?シンプルに銀色などをイメージされる方も多いと思いますが、日本では高齢者のことを指す言葉でもあります。シルバー人材やシルバーシートなど、シルバーと名の付く高齢者用の言葉は多々あります。
しかし、なぜ「シルバー」なのか?ホワイトなのではいけなかったのか?一度はそうした疑問を感じられた方も多いはずです。実は高齢者を意味するシルバーは和製英語。日本でたまたま誕生した言葉なのです。
「シルバー」という高齢者用の言葉が使われるようになったキッカケは、1973年9月15日の敬老の日まで遡ります。国鉄(当時のJR)は、敬老の日において高齢者のために、特別な優先席を設けることに。この優先席を一般席と区別するために、座席の色を変えようとしました。
しかし、当時の国鉄は運営赤字。優先席専用の色を用意する時間もありませんでした。そこで国鉄は工場にたまたま在庫としてあった新幹線の座席カバーを使うことに。この座席カバーの色が「シルバー」だったことから、優先席は「シルバーシート」と呼ばれるようになったそうです。
このシルバーシートをきっかけに「シルバー=高齢者」のイメージが、国民の間で徐々に定着化。いまでは、完全に浸透しています。まさか全国的にシルバーが高齢者だと認識されるとは、当時の国鉄も予想外だったことでしょう。
高齢者がシルバーと呼ばれるのは日本だけ
上記のような経緯もあり、高齢者がシルバーと呼ばれるのは日本だけ。海外ではシルバーと高齢者がリンクしていません。そもそも高齢者のシルバーは和製英語で英語の「silver(銀)」とは別物。外国で高齢者をシルバーと呼んでも、全く通用しません。
仮に英語でシルバー人材(Silver Human Resources)と言っても、「銀色の人材」という意味で伝わってしまいます。下手すると変わったジョークだと勘違いされてしまうかもしれませんね。
シルバー=高齢者は日本だけ、という雑学を広めてみよう
シルバーが高齢者を指すようになったのは、当時のJRが高齢者たちのために用意した優先席「シルバーシート」がはじまりでした。その後、「シルバー=高齢者」のイメージが定着化。いまでは優先席以外でも高齢者が関わる様々な場面でシルバーとつくようになりました。高齢化が進んでいる日本だからこそ、シルバーという和製英語がここまで浸透したのかもしれませんね。今回の雑学、ぜひまわりの人たちにシェアしてみてください。