思わず「マジで?」と驚く、江戸時代からの歴史
「マジやばくない?」「マジ楽しかった!」
友達との会話で何気なく使っている「マジ」という言葉。最近の若者言葉だと思っていた人も多いのではないでしょうか?実は、この「マジ」という言葉には240年以上の歴史があるんです。
1781年に出版された『にゃんの事だ』という本の中に、すでに「マジ」が登場しているのです。「気の毒そふなかほ付にてまじになり」というフレーズで使われており、当時から「真面目」「本当」という意味で使われていました。
ちなみに『にゃんの事だ』というタイトルを見て、最近流行りの猫本を連想した人もいるかもしれません。しかし、この本は江戸の遊里を舞台にした「洒落本(しゃれぼん)」と呼ばれる小説なんです。当時、江戸・本所の一つ目弁天前にあった非公認の遊里では、遊女のことを「猫」と呼んでいたことから、このようなタイトルが付けられたそうです。
「マジ」の語源から見える意外な事実
「マジ」は一般的に「まじめ」の略だと言われていますが、実はこれも確実とは言えないんです。というのも、「まじめ」という言葉自体も江戸時代から使われていたものだからです。
専門家たちの間では、むしろ逆のパターンを指摘する声もあります。「マジ」という言葉が先にあり、そこに「細め」「控えめ」などと同じように、度合いや性質を表す「め」という言葉が後からくっついて「まじめ」になった可能性があるというのです。
特に興味深いのは、当時の芸人たちの間で「マジ」が楽屋言葉として使われていたという記録です。現代でも芸能界発の言葉が一般に広まることはよくありますよね。「マジ」もそんな言葉の一つだったのかもしれません。
時代とともに進化する「マジ」の使い方
江戸時代から使われている「マジ」ですが、実は1980年代に若者言葉として大きな注目を集めることになります。「超」「マブい」などと並んで、当時の流行語として定着していきました。
面白いのは、時代によって使い方が少しずつ変化していることです。江戸時代には「真面目」「本当」という意味で使われていた「マジ」が、現代では「とても」という意味を持つ言葉としても使われるようになっています。「マジうまい」「マジ最高」といった具合ですね。
これって、言葉って生き物みたいだなと感じませんか?時代とともに、その言葉を使う人たちの感覚によって、少しずつ意味が広がっていくんです。
知っているとちょっと自慢できる「マジ」の豆知識
「マジ」の歴史を知ると、普段何気なく使っている言葉の奥深さが見えてきます。現代の私たちは、江戸時代の人々と同じ言葉を使って気持ちを表現しているんですね。
例えば、江戸後期の歌舞伎の台本『歌舞伎 当穐八幡祭(できあきはちまんまつり)』には「ほんに男猫も抱いて見ぬ、まじな心を知りながら」というセリフが残っています。今でも使う「マジな話」に通じる使い方ですよね。
「マジ」で見える日本語の魅力
江戸時代の遊里から始まり、芸人の楽屋言葉として使われ、そして現代の若者言葉として生き続ける「マジ」。この言葉の歴史を知ると、友達や家族との会話でも「これ、実は江戸時代からある言葉なんだよ」と話のネタにできそうですよね。
案外、私たちの周りには歴史ある言葉がたくさん潜んでいるのかもしれません。普段何気なく使っている言葉の由来を知ると、日本語の奥深さや面白さを再発見できるのではないでしょうか。
次は皆さんの番です。友達や家族に「マジってさ、実は○○なんだよ」と教えてあげてください。きっと「マジで!?」という反応が返ってくるはずです。そんな会話から、言葉の歴史を共有する楽しみが広がっていくといいですね。
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