日本人とお菓子の歴史
日本とお菓子のつながりは、古くは縄文時代にまでさかのぼることができます。第1歩となる和菓子は、砕いた木の実のアクを抜いて、それを丸めたものから始まりました。
その後、外国との交流や日本文化の発展により和菓子が進化を遂げる中、16世紀頃にはカステラやビスケット、金平糖などの洋菓子が「南蛮菓子」として登場します。
こうして多くの人に長年愛されてきたお菓子には、知ると面白い豆知識もいっぱい!ここからは、馴染み深いお菓子の雑学を5つご紹介します。
知って楽しいお菓子の雑学5選
1.ガムはトロと一緒に食べると溶けてなくなる
ガムとまぐろの大トロを一緒に食べると、口の中でガムがなくなる現象が起きます。これは、ガムの元となる植物性の原料が油脂と結びつきやすく、そのまま溶けてしまう性質を持っているからです。
一緒に食べるとガムが溶けてなくなるのは、大トロだけに限りません。チョコレート、ポテトチップス、バターなど、油脂を多く含むものと組み合わせれば、同じことが起こりえます。
けれども、おいしいかと言われればちょっと微妙!?それぞれのおいしさを味わうなら、やはり別々に食べる方が良いですね。
2.チョコレートのカカオ豆には貨幣としての価値があった
チョコレートの原料となるカカオ豆の歴史はとても古く、紀元前から中南米の人々の暮らしに根付いていました。今では当たり前のように誰もが入手できるチョコレートですが、かつては王族や力を必要とする戦士などしか食べることができない特別な食材だったのだそう。
そのため、アステカ・マヤ文明では、カカオ豆が商品やサービスと交換できる貨幣の役割も担っていたのです。
その後、薬や滋養強壮のためのドリンクの原料として広まっていたカカオ豆はスペインへと渡り、食べやすいようにはちみつが加えられたことで、「甘いチョコレート」の歴史が始まったと言われています。
3.おまんじゅうの皮はあんこと同じくらい甘い
おまんじゅうは、甘いあんこを包んだ大人気の和菓子ですが、甘いのはあんこの部分だけではありません。
実は、皮とあんこの部分に入れる砂糖の量は同じくらいにしておかないと、保水力が高い砂糖の性質から浸透圧が作用して、おまんじゅうの中の水分がどちらかに偏ってしまうのだとか。
すると、皮が固くなって水っぽいあんこになったり、反対にあんこだけがパサついたりと、おいしくないおまんじゅうに変化してしまいます。そのため、おまんじゅうは皮にも十分な量の砂糖が使われ、あんこと同じく甘い味になっていることがほとんどです。
4.ポテトチップスの袋はおいしさを保つために膨らんでいる
ポテトチップスの袋は、量を多く見せるために膨らんでいるわけではありません。袋内の余白部分に充填されているのは、普通の空気ではなく窒素です。
わざわざ窒素を袋の中に閉じ込めているのは、ポテトチップスの劣化を防ぐため。揚げ油をまとっていると空気中の酸素とくっつきやすく、酸化しやすい状態のため、何かとくっつく性質を持たない窒素を代わりに充満させて、中身が酸化しないようにしています。
袋を開けた時にパリッとおいしいポテトチップスが食べられるのは、こういったパッケージの工夫のおかげでもあるのです。
5.キャラメルは大人の禁煙用品として売られていた
かの有名な森永によってキャラメルの販売が始まったのは、1899年のこと。ところが当初は全然売れず、爆発的な人気を得たのは携帯用容器にキャラメルを入れて、お土産用として販売し始めた1914年からです。
「禁煙を欲せらるる紳士淑女の為に特製ポケット用」というキャッチコピーからもわかる通り、この頃のキャラメルは子ども向けのお菓子ではなく、煙草の代わりになる大人向けのお菓子でした。
お菓子の雑学を知っておいしさをもっと実感しよう
お菓子の雑学を知ってみると、普段何気なく食べているものの作り方や、今と昔では違うお菓子の立ち位置がわかったりと、とても面白いですよね。
今も続々と新製品が登場し続けているお菓子業界からは目が離せません。お菓子の雑学を誰かと語り合いながら、ぜひ目の前にあるお菓子をおいしく味わってみてください。