実は涙には『種類』がある!感情が涙に変わるメカニズムをのぞいてみた

雑学

涙のメカニズム、実は奥が深い!

なんとなくテレビを見ている時や、ふと昔のことを思い出した時、気がついたら涙が流れていることってありますよね。「え、なんで泣いてるんだろう?」と自分でも理由が分からないまま、慌てて涙をぬぐうなんて経験、誰にでもあるのではないでしょうか。

実は涙って、ただ感情が高ぶった時に流れるだけではなく、普段私たちが気づいていないところでも常に目を守ってくれているんです。そんな涙ですが、意外なことにその種類は一つだけではありません。涙には大きく分けて3つの種類があるのです。

私たちが普段何気なく流している涙にも、実はそれぞれ違った役割と意味があります。今回はそんな「涙の種類」について、一緒に紐解いてみませんか。

涙には3つの種類がある

私たちは普段、涙の種類を特に意識せずに過ごしていますが、実は涙には大きく3つの種類があります。

1つ目は「感情の涙」。これは悲しい時や嬉しい時に流れる涙です。
2つ目は「基礎の涙」。いつも目の表面を潤して守ってくれる涙で、普段はその存在に気づきません。
3つ目が「反射の涙」。目に刺激が加わった時に自然に出る涙で、タマネギを切った時などに経験します。

これら3つの涙はそれぞれ役割が違っていて、私たちの心や体をサポートしてくれているのです。では、一つずつ詳しく見ていきましょう。

心のストレスを洗い流す「感情の涙」

感動的な映画を見たとき、ずっと会えなかった大切な人に再会したとき、あるいは仕事や人間関係で悔しい思いをしたとき、涙があふれて止まらなくなることがありますよね。

こうした感情の涙は、私たちの心のストレスや感情の溢れを体外に流し出す役割を果たしていると言われています。例えば、仕事でミスをして悔しい時に出る涙は、ストレスホルモンの影響でナトリウムが多く含まれているため、実は他の涙より塩辛い味がするのです。

一方、嬉しいときや感動したときの涙は、副交感神経が優位となり水分量が多くなるため、悔し涙と比べてさらっと薄味になるとされています。このように感情の涙は、実は私たちが気づかないところで身体のバランスを整える大切な役割を担っているのです。

目を潤してくれる「基礎の涙」

目は常に涙によって潤されていますが、この涙がなければ、瞬きをするたびに痛みや違和感を感じることになってしまいます。

基礎の涙は目の表面に薄い膜を作り、目を乾燥から守り、埃やゴミが入るのを防いでいます。空気が乾燥する冬場やパソコン作業が長引いたとき、目がゴロゴロしたりショボショボしたりするのは、この基礎の涙が不足している状態、いわゆるドライアイと呼ばれる状態です。

私も以前、長時間のスマホ利用で目が乾いて困ったことがあります。まばたきが少なくなり涙の量が減ることで、目にダメージを与えてしまうのですね。このように基礎の涙は、日々の生活の中で私たちが意識しないうちに目の健康をしっかり守ってくれているのです。

刺激から目を守る「反射の涙」

台所でタマネギを刻んでいるとき、目にツーンと刺激を感じ、涙が止まらなくなった経験はありませんか?あれはまさに「反射の涙」が出ている状態です。

反射の涙は、刺激物質や異物が目に入った時に、それらを洗い流すために自然に出てきます。砂ぼこりが目に入った瞬間に涙が出るのも同じ仕組みです。

例えば目に異物が入った場合、それをすぐに涙が洗い流してくれるので、私たちは目を傷つけるリスクを避けることができるのです。反射の涙は一見すると厄介ですが、実は私たちの目をしっかり守ってくれる、目の保護ヒーローのような存在と言えるでしょう。

涙の味は感情によって違った!

涙はどれも同じような味だと思っていませんか?実は、涙の味は流れる理由やその時の感情によって変化すると言われています。

例えば、悔しい思いをして泣いたときの涙は、塩辛く感じることが多いです。これは強いストレスによって交感神経が活発になり、ナトリウムなどの成分が濃くなっているためです。

一方、感動して嬉しくて流れる涙は、水分が多めでさらっとした薄味になる傾向があります。これはリラックスした気持ちで副交感神経が働くため、水分量が増えて涙の味も薄まるからなのです。

例えば、悔しくて涙を流した後は、口元に触れた涙がいつもより塩辛く感じられることがあります。一方、映画を見て感動した時の涙はさらっと薄く感じられたりします。涙一粒にも、感情の違いが反映されているのかもしれませんね。

涙はただの水分だと思われがちですが、味の違いから感情や体調まで推測できる、意外な深みがあるんです。

涙は言葉よりも本音を伝える?

涙がポロリとこぼれる瞬間、それは言葉では伝えられない感情があふれ出ている証拠かもしれません。

例えば、何気ない日常の中で誰かから優しい言葉をかけられた瞬間、胸がいっぱいになって言葉より先に涙が出てしまうことがありますよね。言葉ではうまく伝えられない、胸の奥にある感謝や喜びが涙としてあふれ出ているのです。

普段言葉で感情を伝えるのが苦手な人ほど、涙で気持ちを素直に表現できることがあります。涙は言葉を越えて、相手に直接心を伝える力を持っているのかもしれません。

泣きたいのに泣けない人の心理

一方で、感動的な映画や悲しい出来事を目の前にしても、なぜか涙が出ないという人もいます。

こういった人の中には、「自分は冷たいのかな」と悩んでしまう方もいますが、必ずしもそうではありません。涙が出にくい人は、感情を表に出すことに抵抗があったり、知らないうちに感情を抑え込んでしまっていることが多いのです。

また、長くストレスや緊張状態が続いている場合、涙を流すという自然な反応が出にくくなることもあります。泣けないことは悪いことではなく、一つの個性でもあります。泣けないと悩む必要はなく、「自分はそういうタイプなんだ」と自然に受け入れていくことが大切です。

泣ける人、泣けない人それぞれの涙の物語

同じ映画を観ても号泣する人がいる一方で、全く泣けない人もいますよね。

友人と映画館へ行った時、私はクライマックスで涙が止まらずハンカチを握りしめていました。ところが隣に座っていた友人はというと、じっとスクリーンを見つめているだけで涙ひとつこぼしませんでした。

「あれ、感動しなかったのかな?」と不思議に思って後から聞いてみると、「感動はしたけど、涙は出なかった」と言われました。感情表現は人それぞれ。すぐに涙が出る人もいれば、じっと内面で味わうだけで涙が出ない人もいます。

よく「泣ける人は優しい」とか、「泣かない人は冷たい」といった誤解がありますが、実際には感情の豊かさや強さとは無関係なのです。涙が多いから優しい、少ないから冷たいというわけではありません。それぞれが持つ性格や感受性によって、感情の出方が異なるだけなのです。

そのため、涙が出ないからといって「私は感情が乏しいのかな?」と不安に思う必要もありませんし、涙がすぐ出るからと恥じる必要もありません。涙には、その人の生きてきたストーリーが反映されているのですから。

涙を知ることは、自分を知ることにつながる

これまで涙の種類を見てきましたが、ただの「涙」と思っていたものに、実は多くの意味が隠れていたことに驚かれたのではないでしょうか。

涙には感情を伝える役割だけではなく、身体を守る働きや、感情ごとに味まで変わるといった興味深い特徴もあります。私たちが流す涙一粒一粒には、知らず知らずのうちにその時の心や体調が映し出されています。つまり、涙を知ることは、自分自身を少し深く理解することにつながっているのです。

この記事を通して感じた新しい気づきや驚きを、ぜひ身近な家族や友人にも教えてあげてください。あなたが今日流す涙には、どんなストーリーが込められているでしょうか。

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