シカにそっくり「カモシカ」
「カモシカ」と聞くと、多くの人が「シカの一種」だと思うのではないでしょうか?実際、名前に“シカ”と付いていますし、軽やかに歩く姿は、まさに“鹿”そのもの。でも実は、カモシカは“シカ”ではなく、“ウシ”の仲間なのです。
今回は、カモシカに関する面白い雑学をお届け。最後までお読みいただくと、カモシカ博士に一歩近づけることでしょう。
カモシカはシカではなく「牛」の仲間
前述したように、カモシカはシカではなく「牛」の仲間、すなわちウシ科です。
カモシカは、本州・四国・九州の山奥、標高1500~2000メートルほどの険しい場所に生息しています。かつては乱獲によって数が激減し、1925年には法律で捕獲が禁じられました。その後、1955年には特別天然記念物にも指定され、今でも保護の対象となっています。現在の推定個体数はおよそ20万~30万頭とされています。
見た目はシカに似ていますが、カモシカはやや小柄。体長は1メートル前後、体重も30~45kgほどで、一般的なシカよりもひとまわり小さいサイズ感です。また、カモシカの角は1本ずつまっすぐ生えていて枝分かれしておらず、ヤギのように緩やかなカーブを描きながら外側に向かって伸びています。オスとメスのどちらにも角があり、一度生えると一生そのままです。
また、生態行動もシカとは大きく異なります。カモシカはとても縄張り意識が強く、基本的に単独で行動します。群れを作らずに暮らし、それぞれが自分のテリトリーを持っています。オスはおよそ15ヘクタール、メスは約10ヘクタールの範囲を縄張りとしており、同じ性別の個体がその中に入ってくると追い出そうとします。ただし、繁殖期になるとオスとメスがつがいになり、その関係がしばらく続きます。
一方で、シカはまったく異なる社会構造を持っています。常に群れで生活しており、オスとメスはそれぞれ別のグループを作ります。繁殖期になるとオスがメスの群れに加わり、複数のメスを従えた“ハーレム”のような形で子孫を残していきます。
今回の雑学、周りの人にも教えてあげよう!
今回の雑学を振り返ってみましょう。
カモシカは名前に「シカ」とありますが、実はウシの仲間です。本州・四国・九州の山岳地帯に生息し、現在は特別天然記念物として保護されています。見た目はシカに似ていますが、体はやや小さく、角は枝分かれせずオス・メスともに生え変わりません。また、群れを作らず単独で生活し、強い縄張り意識を持っています。これは群れで行動するシカとは大きく異なる特徴です。
今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてあげてみてください。